英国の水辺

2014.8.29

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英国の水辺
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ロンドン、ヒースロウ空港付近


ドックランド開発






ブリストル

日本など稲作文化圏に較べ、中近東から西欧に至る小麦畑作文化圏は、ステップ=草原気候を主体としている。

年間降水量は
ロンドン  602mm
パリ 649mm
ローマ 874mm
浜松 1,810mm
と浜松の1/3程度である。

しかし化石燃料を動力として使用するまでは海運・河川舟運が物流の主要手段であって、海や川に面した都市が繁栄した。

先年のロンドンオリンピックも、主役はテムズ川であったということも出来よう。

テムズ川沿いのドックランドは、英国海軍などが使用したドックを、副都心として再開発したものだ。

テムズ川をさかのぼり、日本の感覚から言えば低い峠を越えると、エイボン川に下りることが出来る。エイボン河口のブリストルは古来大陸との交易で栄えた町で、新大陸発見後は北米との交易が最盛期を迎えた。

宝島  スティブンソン作 1883年

はカリブ海に海賊の宝を探しに行く話だが、物語の発端はブリストルを舞台としている。

北米との交易が盛んだった港沿いの古い建物は、そのまま商業施設などに転用されている。









ブリストルから東に向かうエイボン川ではなく、北東に向かうセヴァーン川を遡ると、やはり低い峠を越えてオックスフォードにに下り、そこからロンドンに向かうことも出来る。

その峠周辺をコッツウォルズと呼ぶが、中山間の過疎地を活性化しようと言うことで、多自然滞在型の観光開発、いわゆるグリーンツーリズムが提唱されている。







産業革命期の工芸運動(教科書157ページ)に、関わりの深い観光地がイングランド北部の「湖水地帯」だ。

詩人ワーズワスの故郷であった湖水地帯に鉄道を通し、観光開発をやろう、という計画が持ち上がったのは1847年。すでにブラックプールへの鉄道が1846年に開通し「長島温泉」式の施設型観光が話題となっていた。

ワーズワスの故郷を遊園地にしてはならないという環境保護派にはウィリアム・モリスの仲間達が集まり、特にジョン・ラスキンが隠居所”BrantWood”をここに作ったのが大きな話題となった。

やはりウィリアム・モリスの門人であったベアトリクス・ポターは、ロンドンからここへ引っ越し、ここで「ピーターラビット」の絵本を制作した。

ポターの屋敷は遺言で「適当な人に寄贈」されることになり、このために設立されたのが「ナショナルトラスト」だった。

Windermere, 1847
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