5.窓

ローコストな窓はアルミサッシです。051. WIN/MM1100-6SDファイルはアルミサッキを使ったローコストな外部開口です。 サッシはMilgard Manufacturing, Inc. のSeries1100 です。2重ガラスですが外枠が一体型なのでヒートブリッジとなります。 同じメーカーから外枠を断熱処理した高断熱仕様のものも出ているので052. (右図)と下の053.と054. のファイルに入れておきました。 下図に入れてあるのは同社のカタログのスキャンです。



 □053□   □054□


連絡先は
Milgard Manufacturing, Inc.
965 54th Avenue East 98424
P.O. Box 11368
Tacoma, Wshington 98411-0368
U.S.A.
TEL +1-206-922-6030
FAX +1-206-922-3983
です。


窓上部に荷重が掛かって変形の原因となるのを避けるためには上枠の釘穴が長穴でなければなりませんが、 ローコストサッシでは普通の釘穴となっている場合もあります。この場合には折れ釘で押さえる、というのが手です。 (これも設計指示する。)住宅金融公庫共通仕様書の挿絵にはここにクサビの絵が描いてありますが、間違いです。




6.内部ドア

プレカットのつぎはプレハングです。ここでもプレ・ファブリケートというのは自動車工場の真似をして製造工程を機械化・自動化することでなく、 資材供給から保守監理に至るまでの「流れを良くする。」といのが目的であるように思えます。 そうして生まれたコストメリットを、実際に手を動かしている人々が得られるシステムによって北米の住宅生産現場には若者が引き寄せられるのではないでしょうか。

内部用プレハング・ドアの下地枠内幅はドア幅+2インチ、下地枠内高は荒床面からドア高+2インチとします。

プレハング・ドアの建具枠外幅はドア幅+1ー1/2インチ内外で、これを押し縁で隠します。(FIG. 1)

プレハング・ドアの建具枠外高はドア高+1ー1/2インチ内外で、ドア・パネル高が80インチであればFIG. 2 の様になります。 ただしこちらはFIG. 3 の様に縦枠端部を上部は1/16程度、下部を3/4インチ程度のツノ出しとしている場合があります。 これは床仕上げ材が3/4インチでドア下通し、床仕上げよりドア建込みが先行した場合、 荒床から建具枠下部までのクリアランスが仕上げ床面とドアとのクリアランスとなるものです。 床仕上げ厚が違う場合、靴摺等をいれる場合には設計指示します。




7.キッチン

北米のキッチンキャビネットメーカーはバブル以降我が国に熱いまなざしを送っているようです。 もっとも今まで使ってきたキャビネットのメーカーが社名を変えたとたんに対応が悪くなったので、 聞くと日本からの資本参加があったとのこと。まあ、こんなこともあるでしょう。 このメーカーでは輸出向けの製品をミリメートルで表記しようとして混乱しているようです。

話は輸入住宅から食べ物へ。この本の著者の五十嵐氏がそうであるように、美味しい料理の出来る人は「美味しい台所」の設計が上手かもしれない。

一般住宅の台所に業務用のレンジを薦めることがよくあります。いろいろ理由はあるのですが、なんと言っても料理が美味しい。 特に炒飯。ご飯粒が一粒づつ炒飯と化すには家庭用ハイカロリーバーナーの数倍の火力が必要なのですね。 それから焼魚。赤外線魚焼器の味は駅弁で味わうのが一番です。料亭の焼魚が自宅でも出て来れば家族の帰宅時間が早くなるかもしれません。 一日数百食x5年と一日十数食x10年という寿命を考えれば家庭用のレンジより遥かに安くつきます。

北米規格の36インチというカウンターは慣れれば高すぎることはなく、シンクの底で作業をするにも疲れずにすみます。 これに対して業務用機器は高さを800mmまで低く出来るので、鍋の縁が使いやすい高さになります。

問題はレンジに面するキャビネットの側面をどうするかですね。今のところタイルを接着してごまかしたりしていますが、これはお薦め出来ません。



上のファイルは下記の「これから始めるCAD」のCDにも収録されています。


書籍・雑誌など