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1991年に建てた和風のお宅を、しばらくぶりに覗いてみました。上の図の通り「座敷」というか、6畳の「常書院」の様なものを2間続きにして、洋室から畳を尺3寸程上げてあります。どのように使いこなしておられるか、見学してきました。

かっての民家にあった、座敷の様な静的空間の床を、土間の様な動的空間・作業空間の床から1尺5寸前後高くする、という合理的設計は、忘れられつつある、というのが心配です。

敷地は郊外集落の外れにある分譲地。和風住宅がしっくり似合う場所です。生垣は高野槙、浜松でホソバと呼ばれるものです。病害虫に強い、手入れが楽と、生垣に適しています。和風の家だけでなく、洋風の建物にも合うと思います。



ダイニングキッチンから書院を見たところ。フォーマルなセッティングでは右が床の間のある「座敷」左が「次の間」となります。実用の為に南側には地袋・天袋を付けて書院風にしてあります。

ダイニングルームと座敷の北側にも大きな開口部を取って、夏の風通しを図っています。敷地環境が良ければの贅沢です。



子供達を送り出して、現在のところ手前が「婦人書斎」奥が「主人書斎」となっているようです。ご主人は昼間勤めに出ているので、きれいに片付いています。「婦人書斎」があるので、「主人書斎」を占領されなくて済みます。

「婦人書斎」は座椅子の廻りにテレビ・コンピュータなどなどと、存分に使いこなしていらっしゃる感じ。



近年中めでたく退職した暁には、子供達のお人形さんなど、片付けてもらい、この部屋をいよいよ本来の「主人書斎」として、悠々自適のうらやましい御境遇と見えます。

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