新聞記事には載りませんでしたが、県の担当者は、新しい鳥獣保護計画事業に「汐川干潟の鳥獣保護区渡津別保護地区指定をのせる」と明言したそうです。ラムサール条約の登録地となる前提として、国内では、国設鳥獣保護区特別保護地区への指定が不可欠です。地元の豊橋市は既に汐川干潟のラムサール条約登録を支持しているので、後は、田原町をどの様に説得していくかが、残された課題となります。
田原町が、なぜ国設鳥獣保護区特別保護地区の指定に反対しているのか、はっきりした理由はわかりません。以前、田原町が挙げた理由は、琵琶湖や伊豆沼などのラムサール登録地で、すでに解決済みのものばかりでした。昔、田原町議会が汐川干潟の埋立を決議したのに失敗したのをまだ恨んでる怨念説や、単に指定に伴い様々な仕事が増えるのを嫌った怠慢説などいろいろな憶測は流れています。田原町に明快な反対理由を挙げてもらって、解決策を一緒に考えていけたらいいと思っています。
干潟のもつ浄化作用のメカニズムの研究は、水産庁をはじめ、県の三谷にある水産試験所で長く続けられています。特に、一色干潟で行われている調査は、非常に価値あるものだと思います。新たに事業費が確保されて、今後干潟の研究がどの様に深まっていくか、見守っていきたいと思っています。しかし、どの様に研究を進めて、その価値を認識したとしても、相変わらず埋立事業を続けていたのでは、三河湾の浄化が進んでいくとは思えません。この矛盾を県はどう考えているのでしょう?