汐川ニュース '97.1〜3

ケアシノスリ渡来(03.20)

汐川干潟の後背地・天津新田にケアシノスリが渡来しました。ケアシノスリは、ユーラシア大陸の北の方や、カムチャッカ半島などで繁殖し、ごく少数が国内で越冬するだけの非常に珍しい鳥です。汐川干潟へは、渡りの途中に立ち寄ったものと思われます。
PHOTO「ホバリングするケアシノスリ」

汐川干潟を国設鳥獣保護区特別地区へ(02.27)

2.28(金)の朝日新聞よると2月の定例県議会で、27日各会派の一般質問があり、和出徳一氏(共産党)は、ラムサール条約指定に向けて環境庁が汐川干潟を鳥獣保護区の特別保護地区に指定するために、県が協力する考えがないかどうか尋ねた。これに対し、県農地林務部の藤田部長は「地元の意向を尊重しながら、協議が円滑に進むよう対処したい」と前向きな姿勢を示した。(2.28(金)朝日新聞三河版(第2愛知)26面から抜粋)

新聞記事には載りませんでしたが、県の担当者は、新しい鳥獣保護計画事業に「汐川干潟の鳥獣保護区渡津別保護地区指定をのせる」と明言したそうです。ラムサール条約の登録地となる前提として、国内では、国設鳥獣保護区特別保護地区への指定が不可欠です。地元の豊橋市は既に汐川干潟のラムサール条約登録を支持しているので、後は、田原町をどの様に説得していくかが、残された課題となります。

田原町が、なぜ国設鳥獣保護区特別保護地区の指定に反対しているのか、はっきりした理由はわかりません。以前、田原町が挙げた理由は、琵琶湖や伊豆沼などのラムサール登録地で、すでに解決済みのものばかりでした。昔、田原町議会が汐川干潟の埋立を決議したのに失敗したのをまだ恨んでる怨念説や、単に指定に伴い様々な仕事が増えるのを嫌った怠慢説などいろいろな憶測は流れています。田原町に明快な反対理由を挙げてもらって、解決策を一緒に考えていけたらいいと思っています。

県の事業として、干潟の水質浄化作用を解明(02.16)

2.16(日)の東愛知新聞によると、富栄養化や水質の汚濁などが問題となっている三河湾の浄化に向けて、愛知県の新年度予算に浄化対策関係事業費273億2千万円が盛り込まれた。同事業は、これまでに合併浄化槽設置の推進や、漁場の底質改善を狙った覆砂などが行われてきたが、新規に、干潟の水質浄化作用解明のために、具体的に生物層や水質を調査する”三河湾水質汚濁機構解明調査”に着手し、干潟の有効利用を検討する。具体的な調査ポイントは確定していないものの国内有数の渡り鳥の中継地として知られている汐川干潟は、調査地の最右翼。(2.16(日)東愛知新聞(本社豊橋市)一面のトップ記事から抜粋)

干潟のもつ浄化作用のメカニズムの研究は、水産庁をはじめ、県の三谷にある水産試験所で長く続けられています。特に、一色干潟で行われている調査は、非常に価値あるものだと思います。新たに事業費が確保されて、今後干潟の研究がどの様に深まっていくか、見守っていきたいと思っています。しかし、どの様に研究を進めて、その価値を認識したとしても、相変わらず埋立事業を続けていたのでは、三河湾の浄化が進んでいくとは思えません。この矛盾を県はどう考えているのでしょう?


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汐川干潟を守る会(eriko@tcp-ip.or.jp)