Memories of '99
 99年、僕はこんなCDを聴いていた

[アルバム編](新作部門)

HOLLY MODAL ROUNDERS / Too Much Fun! (Rounder)
  何と言っても99年最大の出来事は、彼等の新曲が聴けた事だろう。至福の99年。
  僕が一番敬愛する"ROCK"がこの中に潜んでいる。


CRAIG NUTTYCOMBE / Get It Done (Dog Breath)
  久々と思ったら、立て続けに新作を発表。このアルバムにはLambert&Nuttycombeのリユニオン録音も。
  驚くべき事に、日本盤の発売が決まった。恐るべし2000年。


・va. / BLEEECKER STREET (Astor Place)
  グリニッジ・ヴィレッジの青春'99。ベスト・トラックは、このジャケットだろうか。
  スーザン(スザンヌ・ヴェガ)とジョン・ケールのデュエットは永遠のマリアンヌ。


JACK KEROUAC / reeds ON THE ROAD (ビデオアーツ)
  このアルバムの発売(国内版発売!)も99年のビッグ・ニュースだ。
  ムロケン(室矢憲治)の訳なら信用出来る。


LEE HAZLEWOOD / Farmisht,Flatulernce,Origami,ARF!!! and ME (smells like)
  マイ・ブーム爆進中のヘイズルウッド、きっかけはこのアルバムからだ。
  この朗々たるノンシャランな歌声は、大橋巨泉の"オレ流"に通じる。これぞ一流の雄。


JOHN PRINE / In Spite of Ourselves (Oh Boy)
  Elliot Erwittのフォトグラフ(ジャケット)が良すぎる。
  プラインの新作としては、些か弱いところも。ここでもルシンダ・ウィリアムスの好演が光る。


EDDIE HINTON / Hard Luck Guy (Capricorn)
  力業で泣かされてしまう。ジャケットには若い頃の写真が使われているが、
  晩年の写真はあまりにも痛々しい。ここでまた涙が。まったくもって男泣かせの一枚。


ASYLUM ST.SPANKERS / Hot Lunch (Cold Spring)
  オースチンのお遊びバンド、かと思っていたが本業(本気)になったのか。
  バカ野郎な雰囲気のジャケットがサイコー。プロデュースは、ボズ・ブロッスマン。


DAVID WIFFEN / South of Somewhere (Ture North)
  何年ぶりの新作か。オヤヂ泣かせの名曲「Coast to Cast Fever」の再演も。
  嬉しい反面、どこか空疎さも感じてしまう。Ture Northレーベルが健在だったのに吃驚。


THE WILD MAGNOLIAS / Life is A Carnival (Metro Blue)
  ベテラン中のベテランだが、プロフェッショナルなアルバムとしてはデビュー作に近い。
  何よりも電話で話した山岸潤史氏の声が逞しかった。99年最高にストロングな一枚だ。


・va. / CANTAME MIS CANCIONES (AHORA)
  スペインのシンガー/ソングライターによる、ジャクソン・ブラウン・カバー集。
  何よりもそれぞれの解釈が素晴らしく、かつパワフルだ。デヴィッド・リンドレーも参加。


DAN PEN and SPOONER OLDHAM / Live(Moments from This Theatre (Proper)
  すさまじいばかりの"歌への衝動"。作者のみが持つ自演の勝利。
  来日公演も素晴らしかった、、、そうだ。行けずに99年最大の痛恨。痛飲。


GUY CLARK / Cold Dog Soup (Sugar Hill)
  近作は今ひとつ"何か"に欠けていたが、久々に大傑作を出してくれた。
  タイトル曲に登場する"ヒルビリー俳句"、ケルアックとも通底する枯れの一撃。


LENINE / Na Pressao (BMG)
  世紀末をシニカルに歌い上げるレニーニ。この混沌に目を奪われてしまった。
  二次元放送のように交差するサンバとヒップホップのビートが刺激的だ。


MICHAEL HURLEY / Weatherhole (Field Recording)
  さすらいの狼男、タッチはいくぶん和らいだが極上のHIPさは相変わらず。
  HOLLY MODAL同様、"ROCK"という音楽の指針になるべきアルバムだ(と思うのは日本に二人だけ?)。


KEVIN ROWLAND / My Beauty (Epic)
  最悪のジャケット。これほど買うのを躊躇させられたアルバムはない。
  中身も極上に最低で、このヨレたかは、"美"の範疇に突入している、サイテー。


TERRY ALLEN / Salivation (Sugar Hill)
  国宝級にゴシカルなアレンの新作。目がイッちゃってるぞ、オッサン。
  何をやっても許されるのではなく、テリー・アレンだから許されてしまうのだ。


TRAILER BRIDE / Whine de Lune (BllodShot)
  ヴォーカルのメリッサ・スィンドル嬢、ファンです、好きです。
  貧相で雑なスライドと、悲しげなヒステリック・ヴォイス、その存在が儚げにも美しい。


JULIE MILLER / Broken Things (Hightone)
  エキセントリックさが萎えて、絶妙にコントロールされた新作。
  な、だけに物足りなさすら感じる。太い眉、タレ目、これで眼鏡姿なら1000点なのに。


CALVIN RUSSELL / SAM (Last Call)
  相変わらずの犯罪者顔。どんな罪状も、彼の前ではすべて無効だ。
  自身の凶暴さを押しとどめる理性が弱点か。「虹の彼方に」の恐喝ヴァージョンが秀逸。


MARK NEVIN / Insensitive Songwriter (Raresong)
  元フェアグランド・アトラクションズのギタリスト。タイトルの反語がお見事。
  何処にでもある歌を、自分だけの口調でさりげなく歌う。最上の誉め言葉としてクールだと言おう。


be compiled under the supervision of Shinichi Ogawa("BEATERS" Chief_ Editor)

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