カラオケ屋で中国語を歌うのココロ

 カラオケは発祥の地である日本のみならず、今や世界中に広がった"文化"です。
 もちろん、それは香港や台湾などの中華圏の国々においても例外ではありません。
それらの国にも日本と同じ様なカラオケ・ボックスはあるし、若者を中心とした幅広い層の「歌を唄いたい人達」によっていつでも賑わっています。そこで唄われるのはもちろん現地で流行っている中華ポップスです。日本でドリカムやアムロがバリバリ唄われるように、例えば台湾ならば、とても人気のある張惠妹(チャン・ホイメイ)や動力火車(パワー・ステーション)なんかが愛唱されるわけですね。
 つまり、現在の日本のカラオケ事情とまるっきり一緒です。
 僕が初めて「中国語のカラオケ」を意識したのは、いわゆるオフ会(通信で知り合った仲間同士が実際に集まって交流を深めるというやつですね(^^;)でのことでした。
 2次会で「カラオケに行きません?」と誘われ、のこのこと付いていったのです。そこは中華ポップス専門のカラオケ屋さんでした。

「おおっ、こんなお店が日本にもあるんですね〜」
とびっくり。
 中に入って参加者それぞれがいきなり中国語で歌い出したのには、もっとびっくりしました。
 なんていうか、その瞬間まで「中国語の歌を中国語で唄う」という、考えてみれば至極当たり前のことに思いが及ばなかったのです。すごいカルチャー・ショックでした。それまで自分にとって中華ポップスは「聴いて楽しむ音楽」であったのです。そしてそれはみんなも同じだろう、と勝手に思いこんでいたのです。こんな風により積極的な関わり方が出来るんだ、と気が付いたのです。
 よく考えれば、自分だってカラオケ屋で思い出の'70〜'80年代のROCKを怪しげな英語でガナることがあるじゃないか。それと同じってことなんですよね。大好きになった歌手の歌をそのまま唄いたい!というキモチは言葉の壁を越えることさえ可能にさせるわけですね。

 皆さんから「唄ってみなよ〜」ってお誘い。
「でも、僕は中国語は出来ないから」といつも隅っこで聴き役に徹していたのですが、ある時、カナのふり方を教えて上げようわはははは〜っ!と悪魔?の笑い声が耳元に(^^;

 カナのふり方は、歌詞の漢字の一つ一つを辞書で調べて発音を付けていく方法でした。
例えば「聽海」だとそれぞれの漢字を調べて発音の「tinghai」というのを引き出します。そしてそれに自分で分かりやすいように「ティン ハイ」とふるわけです。
 その昔、英語の歌を唄いたくて英和辞書で発音を調べてカナをふった「あのやり方」とまったく同じなのですね。

 ちまちまとなんとか1曲完成させました。そしてCDに合わせて唄ってみます。
 今まで、自分には全く未知の言葉であった中国語の歌詞。それが今、自分の口からその歌手と同じ音で発せられるのです。歌詞全部にカナをふって、曲に合わせて歌い終わったそのとき…なんだかお気に入りの歌手との距離がグンと縮まった気がしました。その瞬間は、例えば外国旅行に行ってその国の言葉で挨拶をしたら、相手の人がとても喜んでくれた時のうれしい感覚に似ています。

 お気に入りの歌手の大好きな曲…せめてサビだけでも一緒にハミングしてみたくなるでしょ?
 やり方は簡単です! あなたも中国語でお気に入りのあの曲を唄ってみませんか(^-^)/
                            text by ◇◆わんさん◆◇

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