JAZZ PICKUP!
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FRANK ROSOLINO
フランク・ロソリーノ『アイ・プレイ・トロンボーン』
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"I PLAY TROMBONE: FRANK ROSOLINO"
                    BETHLEHEM BCP26
COLUMBIA COCY-7724
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Recording Data :
May 1956 in Hollywood,Calif
Personal:
FRANK ROSOLINO(Trombone)
SONNY CLARK(Piano)
WILFRED MIDDLEBROOKS (Bass)
STAN LEVEY (Drums)
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Tunes Side A:
1, I MAY BE WRONG (BUT I THINK YOU'RE WONDERFUL)[Ruskin-Sullivan]
2, THE THINGS WE DID LAST SUMMER [Styne-Cahn]
3, FRIEDA [Rosolino]

Tunes Side B:
1, DOXY [Rosolino]
2, MY DELUX [Rosolino]
3, FLAMINGO [Grouya-Anderson]
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【解説】

もうかれこれ20年以上前になりますが、NHK−FM(仙台)で、なんの番組だったか忘れたましたが、ジャズトロンボーンの特集があった。偶然その番組を聴いた訳で、何の準備もしておらず、取り合えずそのへんにあったカセットテープをデッキにセット。急いでグァシャコン(昔のカセットデッキはこんな音がしたもんです)

今でもその時のテープを持っている。その時取り上げられたプレーヤーってーのが「ビル・ハリス」「JJ・ジョンソン」「ベニー・グリーン」「ジミー・ネッパー」「カーティス・フラー」そして「フランク・ロソリーノ」だった。

残念ながら、一人目のビル・ハリスはカセットテープが間に合わず、曲がない。JJ「クレイジー・リズム」、グリーン「ザ・シャウター」ネッパー「ラブレターズ」、フラー「ファイブ・スポット・アフターダーク」お決まり(^^;で、ロソリーノが「リンダ」であった。

この頃、僕はブラスバンドでトロンボーンを吹いていたけど ジャズのことは、オヤジが持ってたカウント・ベイシーやグレン・ミラー・オーケストラのテープを聴く程度で、トロンボーンプレーヤーについて何も知らなかった。そんな自分が聴いたJJやロソリーノは、ものすごい衝撃だったし、その時は、自分もこんなんなりたい!と愚かにも思った・・・・愚かさを感じるには時間はかからなかったが(^^;;;

この時、初めてロソリーノの存在を知ったし、初めて音を聞いた。なぜか、ロソリーノが一番気に入った。なぜだろ〜ぉ????それから、ロソリーノのアルバム探しが始まるのであるが、当時、ビートルズにハマッテいた私は、ロソリーノを後回しにしてまうのである(爆)・・・・・・・・・・オチを付けてどーする(^^;>ワシ ってことで・・・始まります(^^;

----- I PLAY TROMBONE(2)-----

後回しになったロソリーノ探し(^^; 最初に手に入れたのが「リンダ」が入ってるCAPITOLから出ている「FRANK ROSOLINO」CDでしたけど、うれしかったなー(^^)

で、次が「I PLAY TROMBONE」。やっと出てきました。は〜ぁ。えっ、前置きが長かったって?(^^;・・・・・孚蔀

このアルバム、なんとワンホーンであります。トロンボーンのワンホーンってーと、すぐにJJの「ブルー・トロンボーン」を思い出しちゃいますが、さらになんと、ブルー・トロンボーンより、一年近く先に出てるアルバムなのです。ってことは、JJの方が真似をした???って事にもなるのかな。

真似したかどうかはさて置き、この「I PLAY TROMBONE」ですが、ロソリーノの上手さが聴けるアルバムです。派手なテクニックと言う事ではなくて、バラードの上手さが聴けます。それでは、聴いて行きましょう。

1."I MAY BE WRONG"
では、一曲目「I MAY BE WRONG (BUT I THINK YOU'ER WONDERFUL)」 長いタイトルだわん。・・・SUBにはじかれたぞぉ〜(^^;>会議室のコトね

ライナーをまとめると、こー書かれてます。「こんなつまらん曲が、つまらなく聞こえないすごい演奏だ」と。最初にこの曲が出てきちゃうと、もう後が書きよう無いんですが、ロソリーノ演奏の曲では、私にとって一番のお気に入り(^^)それは、ロソリーノの人となりがこの曲を通じて聞こえてくるような気がするわけで、本来のハッピーさがあって、暖かさがあって、やさしさがある。

曲は、ミュートトロンボーンのメロからロソリーノのアドリブ、そしてソニー・クラークのピアノソロへと続く。このソニー・クラークのピアノもなんて言うか・・・粋ですな!ロソリーノに纏わりつきながらも存在感の大きさ。ピアノなのにブレスを感じられる。玉がはっきりしていて大好きなピアノです。平凡なメロディーの中でこれだけ聴かせられるロソリーノに脱帽!

2."THE THINGS WE DID LAST SUMMER"
これも、ミュートトロンボーンでのプレイ。・・・にしても、バラードが上手いな〜ぁ>ロソリーノ。JJとはまた趣が違うミュートプレイですが、ロソリーノのそれは、温かみを感じさせてくれます。(多少のミストーンは許しちゃうぞ〜ぉ(^^;)

ソニー・クラークのピアノも1つ1つの音をハッキリ聴かせてくれてゴキゲン!・・・この曲については、ソニー・クラークの方が出ちゃってるカナ?・・・。

3."FRIEDA"
いかにもロソリーノらしい・・・・・と思ったら、ロソリーノの作曲でした・・・雲慙^^;
l分音符=200前後のテンポでのロソリーノは、水を得た魚ですなぁ〜。ホント、ロソリーノしてます(^^)イイゾイイゾ・・・・・
ライナー読んでると、ロソリーノはオリジナルをあまり書かないってあるけど、今うちにある5枚のCD見てると、確かに、キャピトル版の2枚は殆どありません。このアルバムから以降に増えてきます。アルバムの半分弱はオリジナルですね。多くはないけど、少なくないよな〜ぁ・・・。リーダー作は少ないけどね。

----- 再開(^^; -----

え〜っ、ちょっとの間お休みモードだったのですが、改めて再開します。予定がちょいと変更になりますがもう少しロソリーノを続けます。再開記念?にロソリーノについてちょっとふれておきます。

FRANK ROSOLINO フランク・ロソリーノ、1926年8月20日ミシガン州デトロイト生まれ。少年時代にギターとトロンボーンを始め、18歳で兵役についてからはアメリカやフィリピンで軍のバンドに加わって演奏。除隊後、46年からボブ・チェスターを振り出しに、グレン・グレイ、トニー・バスタージョージイ・オールドといったバンドを経て、48〜49年ジーン・クルーパー、50年ハービー・フィールズ、51年ジョージ・オールドのバンドで演奏する。

52年デトロイトで自己のグループを結成。同年から54年までスタン・ケントン楽団に在籍。54〜60年ハワード・ラムゼイのライトハウス・オールスターズで活躍。62年からの2年間はスティーブ・アレンのテレビ番組でレギュラーバンドのメンバーを務め、西海岸のスタジオミュージシャンとしての活動が中心になっていく。

70年代はヨーロッパでのレコーディングが中心になる。アメリカではスーパーサックスやクインシー・ジョーンズとの競演などスタジオ・セッションマンとして多忙な生活を送った。(ちなみに、73年4月と75年4月のクインシー・ジョーンズ楽団と75年1月スーパーサックスの公演の3度来日しています)
78年11月26日短銃にて自らの命を絶ってしまいます。享年52歳。

4."DOXY"
さて、B面一曲目。CDじゃぁ4曲目ですけどね。ロソリーノの作で「ドキシー」です。

ミディアムテンポのほのぼのしたナンバーですが、ロソリーノのソロが始まると、ほのぼの感がなくなって、トロンボーンとは思えないハイテクのフレーズが聞こえてきます。いいぞいいぞ。このアルバムを通してミュートプレイが多いのですが、この曲もミュートを使って演奏してます。このミュートを使うことによって、なんだかピアノとの相性がよく聞こえるような気がするんだけど・・・・

途中、クラークのソロの中にロンパールーム(^^;のフレーズが出てくるんだけど・・・。時間的にはロンパールームの方が後か(^^; ロソリーノもいいし、ピアノのクラークもいい!二人ともおしゃれです。

5."MY DELUUX"
最初に訂正(^^; 前曲の「DOXY」はロソリーノの曲じゃなくてロリンズでした。訂正させていただきます>おバカなわし(^^;う〜ん、いかんなぁ〜

で、気を取りなおしてっと、B面2曲目。これがロソリーノの作曲なんですが、ロソリーノらしい?アップテンポの曲です。ベースの誘いから始まって、ロソリーノの最初からハイテク演奏で唖然としてしまいます・・・・・・・(こーゆうの聴くとコピーしたく無くなるんだよなぁ〜)テーマでこれだもの・・・・・

曲はロソリーノのアドリブでどんどん加速していきます。(^^;
ロソリーノのオリジナルがこのアルバムでは2曲ありますが、どっちも親しみやすい曲相で、ロソリーノの人柄が伝わってくるようです。

6."FLAMINGO"
いよいよラスト。ラストに相応しく、バラードナンバー。最高だ〜ぁ。ミュートプレイが絶っ品!
この人、やっぱりバラードが最高に上手い。JJと比べても意味が無い。ロソリーノはロソリーノだ〜〜〜ぁ! すみません。取り乱しました(^^;

クラークのピアノの誘いからロソリーノのソロに行きますが、絶妙の「間」が快く伝わって来ます。クラークのピアノもそーいった意味では同じですなぁ。

若干、この二人に比べるとベースが甘く聞こえちゃうのは、私だけ?もう言葉は要りません。聴いてください。Tb吹きに限りません。きっと、ロソリーノの違う部分が聴けると思いますよ。
text by 西やんabotME!
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