利尻島の宿・帰路


 利尻島の宿は、鴛泊港から少し町の方に入ったところにある あや瀬 というホテルだった。
 部屋は、入ったところにベッドが入っていて、窓際に小さな座敷がありった。

 ちょっとびっくりだったのは、テレビがいまだにブラウン管式だったことだ。
 夕食は、皿の数がすごい。

 一昨夜のホテルと違うところは、量がほどほどだったこと。
 齢を重ねてくると、料理の量より、うまいものが少しずつ楽しめる方がありがたい。

生うにをすくって食べるようになっていたり、ホッケが味噌煮にしてあったりして、手の込んだ料理だった。

 夕食後、ロビーでは利尻の花クラブによるお花と風景のスライドショーがあった。

 利尻の花の紹介に加えて、利尻山登山についての説明もあった。利尻山頂からの眺めなどもあり、きついといわれる利尻登山を経験したような気分を味わうことができた。
 花クラブの活動は、生き生きとしている。若い人も多い。このように宿で、花や風景の紹介をしてくださると、これまでに見てきた花に愛着を感じる。

 「今日はどのガイドでしたか?」などと、ガイドさんについての話も聞かれて楽しかった。
 緯度が高いので、6月の夜明けは早いとは知りつつも、翌朝は思い知らされることになった。

 我々の部屋は、一番東の角部屋だった。5前に、強烈な明かりで目が覚めた。東側の縦長の窓には、カーテンがなかったのだ。そこから朝日がまともに差し込んできたのだ。(今、この写真を見ると、上の方にカーテンがあるようにも見えるのだが)
 あまりに明るいと、おちおちと眠ってはいられない。(南側の窓には、しっかりとした遮光カーテンがあるのに)

 窓を開けると、目の前に利尻山が見える。
 利尻のホテルでは、海を挟んでの利尻富士の姿だったが、ここでは、おひざ元から仰ぎ見る格好になる。

 それにしても、雲一つない空。すばらしい天気だ
 朝食は、純和風。塩じゃけ、たらこ、卵焼きなど、なじみの品が勢ぞろい。

 この日は、帰るばかりなので、ゆったりとした朝だった。

     稚内の漁港近くの土産物屋へ向かう途中、突然添乗さんが、「あっ、シカがいます」
と、教えてくれた。街の中にもシカが出没するようだ。

 空港へ向かう道路のちゅうぽう分離帯には、ラベンダーが植えてあった。さすが北海
道。
   稚内空港近くでは、名古屋からの到着便が着陸するところだった。
 振り返れば利尻富士、飛行機が飛び立った少し後でも利尻富士。今回のツアーは、利尻富士と縁の深いものだった。

 そして、「珍しい」を現地のだれもが連発するほどの、好天に恵まれた素敵な旅だった。
   
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