第19回 河戸紅陽展 その1


 スタートは、河戸流の懐かしい風景を彷彿とさせる風景画から。

 月が上り夜が更けていく頃。店の前の二人の陰。ひなびた風景に見る人は吸い込まれていくのせしょう。

 その隣の3枚の連作は、これまでの河戸ワールドとは打って変わったものでした。

 御射鹿池は、東山魁夷の白い馬の舞台になったところではないかとの話。そう言われれば、そんな雰囲気が感じられます。


乾物屋さん

山あいの駄菓子屋さん

雪景(御射鹿池)

新緑(御射鹿池)

紅葉(御射鹿池)

 御射鹿池は、観光バスも立ち寄る程有名な場所になったそうだが、遠江小国神社の紅葉も素敵です。

 今回、豊川稲荷の路地を描いた作品も多く見られました。身近でありながら気づいていなかった魅力が、河戸さんの目で切り取られていくのです。
遠江小国神社紅葉

豊川稲荷 路地裏

長浜オルゴール館

豊川稲荷 表参道

豊川稲荷 楽市

 豊橋市電シリーズは、3年目でしょうか。新旧取り混ぜた様々な車両が行き交う光景は、暁にも夕暮れにも、趣深い景色を醸し出します。


 「手筒花火、前もありましたよね」との声も聞くとか。
 でも、今回の作品は、背景の降り注ぐ火の粉、打ち上げる人の顔の影、これまでとは違った迫力が感じられます。

 豊橋市電 東田坂上暮

   手筒花火

  豊川稲荷 薬師堂への道。

 案内表示だって、街並みとのコントラストで立派なモチーフになるのだと、教えられます。

 アングルを代えれば、そこには新しい世界があるんですね。

   
豊川稲荷 薬師堂への道

豊川稲荷 商店街

 ここでは、絵のサイズを考慮せずにアップしてあるので、実際に見たときの迫力が伝えられないのが残念です。

 黄昏時(東田坂上電停付近)のまばゆいばかりの迫りくるパワーを、なんとか伝えたいものです。
黄昏時(東田坂上電停付近)

豊川稲荷 表参道

黄昏時Ⅰ(前畑電停付近)

 黄昏時Ⅱ(前畑電停付近)

暁の市電(前畑電停あたり) 

      暁時、黄昏時、わずかな間に変わりゆく色。一刻一刻を切り取っていくと、見ていて飽きないパノラマが展開されていきます。

 写真を撮るときに、反射して映り込むのを避けようと位置を調整したのですが、どうしても映ってしまいます。
 これらの絵の味わいは、実物で堪能してください。
 黄昏時Ⅲ(東田電停付近)

 黄昏時Ⅳ(前畑電停付近)

 
  桜の花の艶やかさは、一時のもの。その艶やかさをお気に入りの位置に据えて構成できるなんて、何とも羨ましい。


 花の美しさは、周囲の景色で引き立たされるのだと、河戸さんの絵を見ていてしみじみ思う。
   
   高遠コヒガン桜

八幡桜 

    いっぷく亭、何とも心憎いネーミングです。豊川稲荷のお参りの際には、ここでいっぷくどうですかってことでしょうか

 この店の中には、地元の作家さんの写真や絵が展示されたりもします。河戸さんの作品が展示されていたこともあるのだそうです。

 第1室を締めくくるのは、港の夕景。海の日の出、日の入りは、温かい光に包まれて、心までほっこりしますね。
 
豊川稲荷門前甘味処いっぷく亭 

  手筒花火 

     
落陽Ⅰ 

 夕暮れの港

落陽Ⅱ 

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