平成20年度 「名理会発表会1日研修」報告

午前の部・分科会

 発表会の様子
発表会場1 発表会場2 発表会場3 発表会場4








助言 金田幸人校長 助言 坂野幸彦校長 助言 武藤守裕校長 助言  黒川友博校長
<発表会場1>
発表者 研究テーマ・概要
発表1
名古屋市立清水小学校

尾島 弥希
目的をもった観察・実験ができる子の育成を目指して
<概 要>
 興味のもてる活動や目的をもつ活動を取り入れ、目的のある観察・実験ができる子の育成を目指し、3つの手だてを考え実践に取り組んだ。

単元 : たんじょうの不思議(小5)
手だて
 ・ 興味をもつ体験活動…驚きのある体験や一人1実験 等
 ・ 根拠のある予想立て…情報提供・意見交流 等
 ・ 意欲を持続させる観察・実験の工夫…自由観察・製作活動 等
成果
 ・ 自分のメダカを育てることで、興味が持続できた。
 ・ 提示された情報をもとに、次の展開についてある程度の予想ができた。
 ・ 意見交流をする中で、目的をもって観察をしようとする姿が見られた。
発表2
名古屋市立東港中学校


牧野 修平

 
エネルギーの保存を学ぶ実験の工夫
<概 要>
 生徒に様々な事象を理解させるためには、実験・観察を通して実感させたことから理解させることが大切であると考え、実践に取り組んだ。

単元 : エネルギー(中3)
手だて
・ 力学的エネルギーの移り変わりを実験結果と結びつけやすくするために、運動エネルギーと速さの関係だけでなく位置エネルギーと高さの関係を同時に調べることができるようにする。
・ 位置エネルギーと運動エネルギーの移り変わりから両者の関係を考えやすくし、力学的エネルギーの保存について実験を通して理解しやすくするための工夫。
成果
・ 力学的エネルギーの移り変わりを実験結果と結びつけやすくするために、運動エネルギーと位置エネルギーの双方を同時に調べることは、2つの関係に興味を抱く生徒が現れたことから有効である。
・ エネルギーの移り変わりに気付かせることは、エネルギーが移り変わる前後の位置・運動エネルギーの双方の大きさの関係を実感するために有効である。   
<発表会場2>
発表者 研究テーマ・概要
発表1
名古屋市立八事小学校

大村 邦人
地域の自然の実感する理科学習
−八事ヤゴトライ作戦を通して−
<概 要>
 地域に多く生息しているヤゴを中心の教材として取り入れることで、地域の自然を実感できるとともに、昆虫の成長の瞬間をとらえる原体験を多くすることができる。これにより、生命の神秘さや巧みさを感じ、昆虫や地域の自然に愛着をもたせたい。

単元 : 「チョウを育てよう」「こん虫を調べよう」(小3)
手だて
・ 瞬間をとらえさせる工夫…昆虫(ヤゴからトンボへ)の成長の瞬間をとらえる
・ 地域の自然に目を向けさせる工夫…昆虫と地域の自然とのかかわり
成果
・ トンボの成長の瞬間をとらえることにより、生命の神秘さや巧みさを感じ、身近な昆虫に愛着をもつことができた。
・ トンボと地域の自然とのかかわりについて気付くことにより、地域の自然を実感することができた。
発表2
名古屋市立山王中学校

佐々 孝
 


 
科学的に事物・現象を調べようとする生徒の育成
<概 要>
 これまで学んだことや経験して得た知識をもとに、新たな疑問を解決するために、明確な見通しをもつ課題を設定することができ、それを解決する活動を通して、自分の考えが支持できるものかどうかを判断し、その根拠と併せて説明することができる生徒の育成を目指し実践を行った。
単元 : 力と圧力(中1)
手だて
・ 視覚的にとらえることができる事象提示
・ 自分の考えと他の生徒の考えを交わす活動「OLカードの活用」
成果
・ 視覚的にとらえることができる事象提示は、明確な見通しをもって課題を設定することにつながった。
・ OLカードを使い自分の考えと他の考えを交わすことによって、考えを修正したり、新たな考えを生み出したりできた。これにより、OLカードの利用は、明確な見通しをもって課題を設定するのに有効であった。
<発表会場3>
発表者 研究テーマ
発表1
名古屋市立常磐小学校

宇佐美 宏幸
発芽の条件や多様性が実感できる理科学習
<概 要>
 児童が発芽の条件について実感できる観察・実験方法および材料や器具を工夫した教材を開発を行いたい。さらに,発芽の温度がインゲンマメとは異なる種子を提示することで,児童に,「発芽に必要な温度は,植物によって異なっている」という植物の多様性を実感させたい。
単元 : 生命のつながり(1) (小5)
手だて
発芽実験装置の自作
・ 高温になっても安全に観察・実験ができる
・ 温度を長時間一定にできる
・ 一目で結果の比較ができる
を3つの視点とし,白熱電球を利用した実験装置を製作した。
成果
・ 実験装置を自作したことで,容易に実験が可能となり,児童に発芽について興味を持続させることができた。
・ 発芽の条件と多様性を実感できたことで,発芽や生命に対する関心が高まった。
発表2
名古屋市立上社中学校

雨森 真司

 
「考える活動」を通した動物単元の理科指導
<概 要>
 知識や経験をもとに自然の仕組みや構造を予測して考えたり,追究して考えたりするような「考える活動」を中心とした授業展開を取り入れ,2分野にも興味をもち,もっと理科好きな生徒を育てたい。
単元 ; 動物の生活と種類(中2)
手だて
・ 実物教材やモデル教材の活用
・ 「考える活動」を支援する知識の提示
・ ホワイトボードの活用
成果
 「考える活動」を取り入れたことで,生徒は動物のつくりやはたらきに対して興味を高め,2分野好きな生徒に育っていった。それとともに理科好きな生徒が増えていった。
 
<発表会場4>
発表者 研究テーマ
発表1
名古屋市立桶狭間小学校

柘植 浩之
 
追究する喜びを感じる理科学習
<概 要>
 児童が自然の事物・現象を追究することで疑問をもち,その疑問を解決した時に「やっぱり」「へえー」という声が上がり,「追究する喜び」を感じることが大切であると考え,それが「実感を伴った科学的な見方や考え方が養われた姿」となると考え実践を行った。
単元 : 生き物と養分(1) (小6)
手だて
・ 児童の興味・関心を大切にしたいくつもの実験を行い,新たな疑問が生まれるような視点をもって結果をまとめる。
・ 新たな疑問を追究する実験を行い,原理や仕組みを見つけ,追究した喜びを味わう。
成果
・ 課題を追究して,さらに新たな発見をして,より大きな喜びを味わうことができた。
・ 実験では,知的好奇心や探究心をもって,結果を予想し,原理や仕組みを考えることの楽しみや疑問を解決しようと追究する喜びを感じることができた。
・ 実感を伴った科学的な見方や考え方を養うことができた。
発表2
名古屋市立豊治小学校

西村 啓太


 
自ら課題に取り組む児童を育てる理科学習
<概 要>
 ジャガイモの葉ででんぷんが作られることを学習したあと,学習中に生じた疑問を自らの課題として選択し,追究する活動を取り入れる。児童が調べたいことをもとに,教師が設定した課題から,児童が自らの課題を選択する。そして「どうしてその実験がやりたいのか」という動機を明らかにする。追究する場面では,既習事項を活用して,自分の課題に対して結果が得られるような実験方法を自分なりに考える活動を行う。これらの活動を通して,自ら課題に取り組んでいるという意識をもって,学ぶ楽しさを味わわせたい。
単元 : 生き物と養分(1) (小6)
手だて
・ 動機を明らかにした課題の選択…「課題発見プリント」,「とことんタイム」
・ 実験方法を考える
成果
 自分の思いを生かした課題選択や課題にあった実験方法を自分で考える活動により,実験できることだけに楽しさを感じるのではなく,自ら課題に取り組んでいるという意識をもって追究することできる児童に育ってきた。
 

<文責 林本 勝徳(名古屋市立藤森中学校)>