[SHOOT OUT!]('10/7.10)
 

ふ〜、やっと今年度の保育園の監査も終わったぞ!
この「父ちゃんのひとりごと」では、まだ、シーズンオフのことをダラダラと書いているのだが、
やはり書かなくてはいかんぞSHOOT OUT!
始まる前から賛否両論があり、特にライダー側からの否定的な声が聞こえていたので心配していたのだ。

そして、行ってきましたよ、SUGO!
この全日本第4戦(5/30)には、たくさんの感動があったのだが、一番の興味は、やはりSHOOT OUT!ですわ!
今回は、ショウゴがIBオープンで初めて予選を突破してアタフタしてしまい、
(予選を通るとは考えてなかったので、タイヤを始めなんにも用意してなかった!)
いつのも日曜日より忙しかったのだが、一観客として、素直な意見を書かせてもらおうと思う。

以前、生意気にも素人がジリ貧のモトクロス界に提言「(140緊急提言だ〜!('09/8)」をした中に、IAのオープン化も入っていた。
このSHOOT OUT!は、IA1とIA2のレース上位者による決勝レースで、
現行のレース形式と父ちゃんが提唱したIAのオープン化の折衷案のようなものだ。

父ちゃんの回りの長年モトクロスに関わっている人の中には、「ここ数年の全日本モトクロスが面白くなくなってきた!」
という意見も出ていた。
と言ってもやはり生で見るIAライダーの走りは素晴らしく、いつも感動があった。
しかし、、長引く不況でエントリー台数が減ってしまい、その結果として、選手層が薄くなってしまったことが、
レースに与えた影響も無視できないと思う。

コースや天候によっても違うのだが、予選があるIA2(といっても50台前後での2クラスだけ)でさえ、
トップライダーと下位ライダーでは、ベストラップで10秒前後のタイム差がある時がある。
予選どころか、フルグリッドさえ集まらないIA1では、15秒前後のタイム差がある場合だって多い。
ひとりひとりのライダーの走りは素晴らしく、みんな頑張っているのだが、
どうしてもレース全体で見ると間延びしてしまうことが多かった。
日本最高峰のモトクロスレースであるIA1が23、4台でレースしていて良いのだろうか?
きっと、MFJの内部でもいろいろと議論が沸き、導き出した結果がこのSHOOT OUT!なのだと思う。

SUGOのSHOOT OUT!は終わったが、はやり心配していたように混乱しているようだ。
ライダーの意見を聞いてみると、一番大きな問題点は、250と450の混走による危険性だ。
父ちゃんの観戦場所からは見えなかったのだが、IA2のライダーにIA1のライダーがジャンプで接触しクラッシュもしたようだ。

やはり、いくら危険なスポーツと言われているモトクロスでも排除できる危険性については、考えた方が良いと思う。
まずは、本当に250ccと450ccの排気量による差がそんなに危険かどうかだ?
確かに排気量が違うとライン取りやジャンプの飛距離も違ってくる。
ただ、コーナーやジャンプでの接触は、今までのクラス分けでも嫌と言うほど見てきた。
また、この競い合いこそがモトクロスの醍醐味のひとつでもあった。
競い合いとクラッシュは、紙一重なのだ。

では、排気量の違いによる危険性とレベル差が大きいライダーが同じレースをする危険性は、どちらが大きいのだろう?
国別対抗戦として、もう何十年も続いているネイションズでは、125ccと500ccの混走レースだってあった。
現在だって、MX1とMX2とオープンの混走だ。
125ccで500ccに対抗した武勇伝は多いが、排気量差による危険性はそんなに聞いたことがない。
(父ちゃんが無知なだけかもしれないが・・)

また、ちょっと前まで全日本のIA2だって2stの125ccと4stの250ccの混走ではなかったか。
今では、IBも含めて誰も125で出場していないのは、その絶対的な性能差によるものだろう。
(2stと4stなので、それこそラインもジャンプの飛距離も違っていた!)
父ちゃんは、2stの125と4stの250の性能差よりも4stの250と4stの450の性能差の方が小さいと考えている。
それほど、今の4st250の“デキ”は良いのだ!
実際、多くの全日本コースでもIA1とIA2のトップグループのタイム差は、そんなにない。
(今回のSHOOT OUT!では、優勝した成田くんと7位の勝谷くんとのタイム差が3.6秒ほど合ったがこんなに開くことは珍しい、
実際、ヒート1では、勝谷くんのタイムの方が良い!)

もちろん、コースコンディションやコースレイアウトも関係してきて一概には言えないが、
IA1よりもIA2の方が速いことだってあるのだ。
あのピロポートでさえ、アメリカのダイナミックなコースでも450よりも250の方がタイムが出る!と言っていた時期もあるくらいだ。
まぁ、得意不得意や好き嫌いもあるのだが、IA1のトップライダーを覗き多くの日本のIAライダーだって、
450より250の方がタイムだけだったら速いのではないか?
排気量で勝てるのなら何で父ちゃんが85ccの小僧たちに追い回されたあげくに抜かれているのだ?(笑)
  ↑(ウデにきまってんでしょ!←母ちゃんの声)

現時点で、このSHOOT OUT!にライダー側からの否定的な意見が多いのは、
ひとつには混走というレース形式に慣れていないからではないか?と思う。
また、いつも一緒に走っているライダーとは、違うライダーと競い合うという違いも大きかった気がする。
モトクロスは、信頼関係の上に成り立っているバトルだって多いのだ。

IA1とIA2のライダーによる競い合いを期待していたのに、結果として上位のIA1、中盤のIA2となってしまったと言う意見もある。
しかし、よく考えてみれば、IA1のトップライダーは、みんなIA2の歴代チャンピョンや優勝者だ。
普通に考えれば、全員が250でレースをしたって似た結果になっていただろう。

ただ、スタートだけは、450の方が有利なのは誰もが知っての通り。
ショウゴが、曲がりなりにも予選突破が出来たのは、450のスタートのおかげだ。
モトクロスは、スタートで8割決まる!っていうぐらい、スタートが大切なのでこの辺のハンデをどう克服するか?だな。

今回、勝谷くんがスタートで転けなければ(その後も転倒したようだ)、このレースの評価も違っていたように思う。
次回の名阪では、是非、成田くんとの勝負や小島兄弟の兄弟バトルが見たいものだぞ。
名阪は、第1コーナーまでの距離がSUGOほど長くないのでスタートの差も小さいかも?
でも、その後の登りでは、やっぱり450有利だな〜。

スタートでのハンデをなくすために、第1コーナーまでを例年の全日本より短くするって手もあると思うぞ。
(実際、スタートで450が前に行かなければ、250のライダーも十分戦えると思う)
そうすれば、排気量による差も少なくなるし、スピードも上がらないので第1コーナーでのクラッシュの危険性も低くなる。
なにせ、IAのスタートは、いつ見てもおしっこをチビリそうになるくらい迫力があるからな。
少しだけ迫力が落ちるかもしれないが、第1コーナーのガチガチの当たり合いによる迫力は変わらないだろう。

今回のSHOOT OUT!で父ちゃんが評価している点は、レース自体が締まっていたことだ。
いつもの全日本(特にIA1)では、レースが始まって2,3周でグループ分けが出来てしまい、
トップグループの走りやバトルは凄いが、中盤以降での競い合いが薄いものになっていた。
今回のSHOOT OUT!に出たライダーのタイム差は、ほぼ7秒。
IA1とIA2によるバトルこそ少なかったが、トップグループからそんなに離されることもなく中盤が続き、
コースのあちこちで激しいバトルが見られた。
結果として、激しいクラッシュもあったようだが、その原因が排気量によるものなのか?
通常のレースでの危険性の範囲なのか?は、よく調べる必要があるだろう。
排気量による差が、無視できないほど危険性を高めるようなら混走を考える必要があるだろうな。

そうそう、ラストチャンスも面白かった!
特に美杉の秘蔵っ子岡野くんとハマーの競い合いにはしびれたぞ。
やっぱり、IAの走りは凄いや!

ラストチャンスというと、どうしても予選通過ライン(2位まで)の争いに興味がいってしまうので、
名前の変更も含めて、ちゃんとポイントの付くレースにした方が良いと思うぞ。
ラストチャンスを走っていたすべてのライダーは、素晴らしい走りをしていたので、
単なる敗者復活戦という位置づけはどうかな?と思う。

今回のSHOOT OUT!は、エントリー台数が減り続けているIAクラスにとっての過渡期のレース形式の気がする。
やはり、 前回の提言「(140緊急提言だ〜!('09/8)」でも書いたような、
自分の得意な排気量のバイクで勝負するIAのオープン化の方が、分かりやすいし、面白い気がする。
現在のIA1とIA2のすべてのエントリー台数は、80台にも満たない。
IAを一本化して、3クラスで予選をやって、A決勝・B決勝としてレースをやった方が盛り上がると思うぞ。
(ランキングによるシード選手は、必要だろう)
もちろん、A・Bともにポイントを付けて(Aの方が高い!)、IAは、赤ゼッケンで統一する。
栄光の赤ゼッケンの復活だな!柔道の黒帯みたいに、この赤ゼッケンは、MFJ内では、他のレースでも使わせないのだ。
父ちゃんが、若い頃は、コースに赤ゼッケンが来るだけで、みんなビビっていたものだぞ。
それほど、IAというものは、凄いものなんだ。

A・B決勝というと、どうしてもB決勝の方が、見劣りしてしまい、盛り上がらないと考える人もいるかもしれないが、
トップタイムだけでレースの面白さが決まるわけではないのだ。
同レベルのライダーが競ってこそのドラマがあるのだ。

モトクロスの面白さってなんだろう?
もちろん、人それぞれの楽しみ方があると思うが、やはりコースのあちこちでガチンコに繰り広げられるバトルにあると思う。
みなさんは、全日本のIBクラスのレースを見たことがあるだろうか?
トップタイムでは、IAには遠く及ばないが、それはそれは楽しいレースを繰り広げている。
時には、IAクラスをも凌駕するほどの感動だってある。
レースの面白さって、トップタイムだけで決まるものではないんですよ。
レベル的には、プロ野球よりずいぶんと劣る高校野球がこんなにも愛され続けているのには、理由がある。
感動があるのには、理由があるのだ。
全日本でも感動的なドラマがドンドン生まれると良いな〜。

KTMが350ccを出したが、350に一本化するっていうのはどうだ?
(本来なら日本のメーカーこそがこんなバイクを出すべきでしょう!)
350なら250のフレームを少し補強すればそのまま乗せられるし、乗り方も450ほど変える必要もないと思う。
きっと、パンチのある250って感じだと思うぞ。(う〜ん、乗ってみたい!)
カイローリのインタビューでは、出足だって450に負けていないし、
何より450を相手に世界選手権のMX1で首位を独走中なのだから
350が、日本のメーカーからも発売されれば、現在、250を乗っているIAライダーだって、こぞって350に乗り換えるだろう。
125から250に変わっていったようにね。
そうなれば、何も350ccに統一するまでもなく、やっぱりIAクラスのオープン化でしょう。
実際、450は、重たくてパワーがありすぎて、一部のトップライダー以外には必要ないと思う。
(怪我の危険性も上がるしね)

「レースのレギュレーションを代える前にMFJは、やることがあるだろ!」という意見も多い。
もちろん、父ちゃんだってそう思う。
コースのあり方や運営方法、観客の立場に立った環境作り、、集客するための努力・・。
まだまだやって欲しいことはたくさんある。
ただ、長年全日本を見てきて感じているのは、コーディネーターがいないということだ。
MFJを始め大会スタッフやライダー関係者、メーカーや各マスコミだって、
こんなマイナーなスポーツであるモトクロスが好きで、損得抜きで関わっている人も多い。
そして、それぞれがそれぞれの立場で頑張っていると思う。

しかし、それぞれの立場では頑張っていても、それぞれの立場以上のものが見えてこないのだ。
いくらモトクロスが好きでも立場が違えば、時には、対立さえ生む。
それぞれの立場を理解し、それぞれの主張の調整を図り、
それぞれが前向きに全日本に取り組めるようにするためのコーディネーターこそが必要だと思うぞ。

今回の混乱だって、MFJ側がもっと危機意識をライダーやメーカー、マスコミ、そしてモトクロスファンと共有して、
共に話し合う姿勢を見せていれば、起きなかったと思う。
むしろこの危機意識をみんなで共有することで、将来に向けての前向きな話し合いの機会になったのではないか?
ピンチの時こそ、真の改革をやるチャンスなんですよ。ピンチはチャンスなんだ!
(反対にいえば、ピンチになるまで、なかなか思い切った改革ってのは出来ないものだ)
サッカーのワールドカップ日本代表だって、負け続けたからこそ、大きな作戦の変更も出来たし、
一人一人の意識も変わり、チーム内の話し合いも進んだと思うぞ。

SHOOT OUT!の、「現行のクラス分けを残しつつも、真の決勝レースをする」というアイディア自体は良いと思う。
ただ、これはやはり過渡期のレース形式であって、将来的には、もう一歩進まなければならない。
今度こそ、みんなで将来のモトクロスを考えるチャンスにして欲しいと願っている。

大会を運営する立場、ライダーの立場、報道する立場、
何よりお金を払ってこんな山奥に見に来てくれる観客の立場
それぞれの立場をコーディーネートして全日本を盛り上げる人が必要だと思うが、皆さんはどう考えますか?
モトクロス界には、そんな人材だってきっといると思うのですが・・。
それぞれの立場を超えて、今こそみんなで結集しましょうよ。
ワールドカップのサッカー日本代表のように!

世界の4大バイクメーカーがそろっている日本。
世界中で日本製のものが凌駕し、活躍しているスポーツなんて、他にはないのに。
世界をリードできる立場に日本はいる!と思うのだ。

批判することは簡単なんだ。
では、どうすればいいのか?対案も含めてもっと有意義な議論が出来ると良いな〜
このへんは、マスコミ関係者がうまく引っ張っていって欲しいと思う。(文句言ってるだけじゃダメだよ)

モトクロスを盛り上げるために自分に出来る事って何だろう?と言い聞かせている父ちゃんでした。