[恐ろしいことが起きる!]('12/12.15)
 

 恐ろしいことが起きるはずだった。
今シーズン、父ちゃんがCRF450Rに乗れば、恐ろしいことが起きるはずだった。
「父ちゃんの人生で一回も恐ろしい事なんて起こってないじゃないの?」と母ちゃんは笑うが、
今回こそは、本当に起きる確信を持っていた。

確かに、36歳でエンデューロからモトクロスに変わる時にも
恐ろしいことが起きる気はした。
(詳細は、(18)恐ろしいことが起きる・・ をどうぞ)

当時の多度チャンピョンシップでは、
市販車のRMX250でモトクロッサーをバシバシと抜いていたのだから、
そう思い込んでしまうのも仕方がない。
でも、結果としては、恐ろしいことは何ひとつ起きなかった。

それどころか、NBクラスに参戦して、小さな頃からレースをしている子たちの凄さを初めて知った。
(そう思うとショウゴやタカだって3歳からバイクに乗っているのだが、
一回も恐ろしいことは起こってないな!)

しかし、しかしだ!
今回こそは、恐ろしいことが起きる確信があったのだ。
3月に急に父ちゃんの元に返ってきた'09CRF450R。
自分では、全然乗れていないと思ったが、後ろを走っていたショウゴが
じぃさま、明らかに250の時より速くなっているぞ」と言ってくれた。

この一言で、俄然やる気になってしまった父ちゃん。
帰ってきた!帰ってきましたよ、450使いの父ちゃんが!
とついつい嬉しくなって、みんなに言いふらしてしまったんだな。

まだ、450で練習を始めたばかりなので、この後に450に慣れてきた時の事を考えると恐ろしい。
うっしっしぃ〜〜〜。こりゃ、今年の中部選IBオープンクラスで恐ろしいことが起きるな。
と思い込んでの中部選第1戦イナベ。

しかし、雨でグチャグチャのレース、
しかもイナベの粘土質のグチャグチャ・ツルツルのコースには、450は、あまりに重くて、
一度転べばバイクを立てるのだけで、すべての力を出し切り、
キックをしようにも滑って力も入らず、あっという間にリタイヤ!だった。

しかし、 父ちゃんの予言の通り中部選第2戦(美杉)では、20台以上のエントリーの中、
IBオープンで14位、1回転倒して13位のタカもあと少しで抜ける気がしましたよ。
(なにボケたこと言ってんの?めちゃくちゃ離れていたじゃん!←タカ)

これで、はっきりと分かったんですよ。
荒れていないコースで、雨も降らず、轍も出来す、ホコリも立たず、
散水が行き届いた綺麗なコースで、スタートで出られれば、
間違いなく恐ろしいことが起きることが!
う〜ん、トレビアン!

第3戦と第6戦の天竜川は、砂地なのですぐにコースが荒れてしまう。
ここでは、恐ろしいことが起きる可能性がない。(4・5戦は、お休み)

第7戦は、イナベ。
ここは、恐ろしいことが起きる可能性が十分だったが、
残年ながら、また雨であっという間にリタイヤ。

そして、第8戦の美杉。
ここは、美杉三兄弟が管理しているコースのなので、
コース管理も行き届き、前回(第2戦)でも慣れない450で14位、
13位のタカでさえ抜ける気がした。
イナベのレースが2回とも雨だったので、もう雨が降らないことのみを祈る父ちゃん。

でも、美杉に着いてビックリ、いつものフープスの他に
なが〜い、なが〜いフープスが出来ているじゃありませんか!

何を考えている美杉三兄弟?
こんなフープスは、重たい450にとっては、単なる地獄。
練習走行をしていてもこのなが〜い・なが〜いフープスが上手く走れないために、
他の部分もリズムに乗れず、あんなに好きだった美杉のコースが、まるで別物。

ショウゴは、「途中から3・3で飛べるぞ、フープスだけでもだいぶ追いつける!」
と喜んでいるが、そんなことを気にする余裕もない。
タカは、だいぶ手こずっている様子だが、そんなことを考える余裕もなし。

ひとり「あのフープスさえなければ・・」とブツブツ言っている間にレースが始まった。
IB2クラスは、ショウゴ6位でタカが9位。
二人ともなかなか良い走りだったぞ。

IBオープンは、せっかくのベストコンディションにも関わらず、
恐ろしいことが起きる気配もなくスタート。
せめてスタートだけでも頑張ろうと気合いを入れるが、
第2コーナーで前のバイクに突っ込みエンスト。
(450ってすぐにエンストするんですよ!)
あっという間に一人取り残される父ちゃん。

みなさん、考えてみてください。
広いモトクロスコースに一人だけ取り残される気持ちを・・。
みんなはさっさとコース奥に消えていきます。
みなさん、450をキックしてエンジン掛けたことありますか?
250とは比べものにならないくらい重いんですよ。

第2コーナーで一人、必死にキックする父ちゃん。
なかなかエンジンが掛かりません。
やっとエンジンが掛かって第3コーナーを回れば、
すでにトップ集団が最終コーナーに向かっていきます。

もう、一人旅ですよ。
これがレースか?って言われたら、走っている父ちゃんでさえレースとは思えません。
あとは、ただ後ろを気にして、ラップされるのを待つだけです。

こうして、恐ろしいことが起きる機会を、またひとつ失ってしまいました。
(このIBオープンクラスでは、タカがついに6位、ショウゴは転倒して9位)

そして、第9戦イナベ。
第10戦(最終戦)が天竜川なので、お金もなくなってきたし、
エントリーさえしなかったので、このイナベが父ちゃんの最終戦です。

でも、天気さえ良ければ、このイナベのコースはそんなに荒れません。
練習だってちゃんとしました。
良い感じに乗れてましたよ。
最後に恐ろしいことが起きるなんて、なんて劇的でしょう!
神様、ありがとう!!

そんなハイテンションでイナベに行けば、またまたまた雨ですよ、雨。
あげくにスーパー銭湯で騙されそうになるわ・・。

信じられます?
今年の中部選、イナベのレースが三回あってすべて雨!
今年は、このイナベで一番練習して、一番良い感じだったんですよ。
そのイナベのレースが全部雨。
好きだった美杉も3月のレースでは、慣れない450で恐ろしいことの片鱗は見せましたが、
8月のレースでは、エンストで終わり。

すっかり、心が折れた父ちゃんは考えましたよ。
オレもJNCCに行こう!
来年は、モトクロスとJNCCを頑張ろう。

昔は、この中部地方のエンデューロ界では、ブイブイ言わせていた(と思い込んでいる)父ちゃんです。
みなさん、父ちゃんがエンデューロに帰ってきましたよ。
いいですか〜、今度こそ本当に恐ろしいことが起きますからね〜。
期待してくださいね〜。
ホント、“三度目の正直”で今度こそ、恐ろしいことが起きますよ〜

“二度あることは三度ある!”by母ちゃん)