[フリーライドちゃん]('15/1.11)
 
  忘れもしない昨年のクリスマス。
毎日頑張って働いている父ちゃんにサンタさんからビッグなプレゼントが届いた。
そう、フリーライド250Rが届いたのだ。

きっと父ちゃんが、寒風吹きすさぶ中、
羊のムフランや冬眠に入ってしまったカメたちに話しかけているのをサンタさんが聞いたのだろう。
(不思議なことに、父ちゃんの口座から.お金が引き落とされていたが・・)

フリーライドちゃんに会うのは、昨年のKTMオレンジフェスティバル以来だった。
 217:3年目の浮気('14/10)
その時、会ってはいけない初恋の人に出会ったように父ちゃんの心は揺れてしまった。
忘れようとすればするほど思いが募る・・。
俺には、2年以上も苦楽を共にした200EXCちゃんがいるではないか。
こいつには、100万近くも貢いできたではないか。

そんな時に、ヤマハちゃんからチョーキュートで可愛いFXちゃんを紹介されてしまった。
またまた、心が揺れる。
二人のかわい子ちゃんの間で途方に暮れる父ちゃん。

この二人は、とっても魅力的だが、タイプが違う。
FXちゃんは、何でも出来る良妻賢母型。
(エンデューロはもちろん、モトクロスコースだって結構走れちゃう!)
そして、細かなところまで気が利くホントに良い子だし、
(サスや電動ファンなど、日本使用になっている!)
高いものなどをねだったりしない、お財布にもやさしい子だ。

良妻賢母なFXちゃんと違い、フリーライドちゃんは、小悪魔的だ。
(生まれはオーストリア!の外人さんだし・・)
キックペダルだってないし、モトクロスコースを走るなんて想定していない。
ひたすら乗っていて楽しいバイクを追求している。
お山で遊べばこんなに面白いバイクはないと思う。
姉妹のEXCたちより控えめだが、FXちゃんよりは、お金が掛かる子だ。

魅力的な二人に言い寄られてしまい、迷いに迷ったが、
写真を一目見たときからフリーライドちゃんに首ったけの父ちゃんには、
すでに恋愛ホルモンが「なし汁ブシャー!」とふなっしーのように出まくっていた。
もう、誰も止めることは出来ない・・。

この「恋愛ホルモン」が出ているうちは、相手を批判的に見られなくなる。
恋は盲目!」とは、よく言ったものだ。
結局、良妻賢母よりも小悪魔を選んでしまった父ちゃん。

そして、サンタさんからのビッグプレゼント。
父ちゃんの甘〜い・甘〜い新婚生活が始まったのだ。
まずは、父ちゃん好みの女の子に変身してもらったぞ!
これがスッピンのフリーライドちゃん
(ナンバーを取って、街中で乗っている人もいます)

(レース専用に使うので、ライト類を取って、85のフロントゼッケンを加工して付けました)

(ハンドガードは、200EXCのを加工して付けました)

(バーエンドキャップは、すでに傷だらけ・・)

(エンデューロやエンデューロクロスには、ガード類が必須!)

(エンジンガードも丈夫なアルミ製をチョイス!)

(スタックベルトも付けました、スタックしていたら助けてください!)

(やはり外人さん使用なので、サグも出なくて、ソフトスプリングに変える必要があります)

(これがノーマルのエアクリーナー、だいぶ吸気を絞ってあります)

(パワーを少しでも出したくて、エアクリーナーをDT-1に変更してみました。
7馬力ほど上がる!って人もいますが、乗った感じではそんなに変わりませんでした。
ただ、回転数が上がれば、パワーは出ているかも?
でも、全開で乗るバイクでもないし・・、乾いたゲレンデなら違いが分かるかも?
ノーマルのフタを取っただけでも良いような気がします。)


やはり、恋愛と結婚は違う。
父ちゃん好みの女にしようとしたが、
フリーライドちゃんは、そんなに生やさしい女ではなかった!

新車を受け取った父ちゃんは、その足でイナベのモトクロスコースに走りに行った。
もちろん、午前中は慣らしだ。
モトクロスコースも走らず、初心者用のコースや駐車場でゆったりと乗っていた。

この日のコースコンディションは、一日前に降った雨でツルツル。
そんな中でもフリーライドちゃんは、良い感じで付き合ってくれた。
やっぱり、君はいい女だな!

しかし、何回か軽くこけていたら急にへそを曲げたのか、セルが回らなくなってしまった。
どうしたんだ、フリーライドちゃん、何を怒っているんだ?
父ちゃんの付き合い方が悪かったのか?

ウンともスンともいわないセル。
一度、怒ってしまったフリーライドちゃんは手強い。
「父ちゃんが悪かったなら何でもするよ!」と押し掛けをするが、
地面が滑るものだからリアタイヤが滑ってしまい、エンジンも回らない。

2サイクルなのだから、4サイクルよりも押し掛けだってやりやすいはずなのに
地面が滑るともうどうしようもない。
エンデューロクロスを練習していたショウゴとタカを呼んで、
三人がかりでバイクを押しながら押し掛けを試みるが、リアタイヤは滑るばかり。
それではと、坂の上に押し上げて、下り坂を利用してもダメだった。
もうダメだ・・

ハァハァ言いながらバイクを押していって、
乾いているアスファルトの道路で押し掛けしてみたら簡単にエンジンは掛かった。
これじゃ、JNCCのレースでバッテリーが上がったり、セルが壊れたら、
リタイヤどころか、パドックまで帰ることだって出来ないぞ。
途方に暮れる父ちゃん・・。
新婚旅行で大喧嘩をしてそのまま離婚する成田離婚か?

しかし、地面が乾いていれば、すぐに押し掛けが出来たので、
その日は、楽しく乗って、帰りにKTM東海に寄って原因を調べてもらった。
セルにバッテリーを直結すればちゃんと回るので、
フロントゼッケンの裏のカプラーを見ると外れ掛かっていた。

このカプラーを差し込むと、今までのことが嘘のようにセルが回る。
やっと機嫌が直ってくれたフリーライドちゃん。
カプラーが緩まないように対策までしてくれたのでもう安心。
お礼を言って店を出る。

でも、この症状がレース中に出なくてよかった!
フリーライドちゃんもちゃんと怒る時を考えてくれたんだな。
もう、この小悪魔ちゃん!
ますます、好きになってしまったぜ!

恋愛と結婚は違う・・。
それまで別々の家庭で育った二人が、一緒に住むのだから、
初めから上手くいく方が珍しい。
(母ちゃんも初めはよく怒って家出をしたな〜)

自分では当たり前と思っていたやり方や価値観をそれぞれが持った上での同居なので、
自分たちなりのやり方と価値観を一から築いていかなければならない。
言うなれば、それぞれのルールを押しつけ合うのではなく、
自分たち二人の新しいルールを見つけていく作業が必要なんだな。
簡単に言うと、味噌汁の味付けひとつをとっても違うのだ。

この時に気をつけなければならないことは、一方的にならないこと。
好きで一緒になった二人なので、初めはそれでも良いと思ったことが、
恋愛ホルモンの効き目がなくなってきた頃には、不満へと変わっていくことがある。
やっぱり、二人で話し合いながら、新しいルールを模索する必要があるんだな。

父ちゃんと母ちゃんが結婚して27年。
三人の子どもたちにも恵まれ、ここまでやってくることが出来た。
ひとえに母ちゃんのおかげだな〜。

母ちゃんの名言
結婚って、あきらめなのよね〜!


(これがセルです!壊れた時点で終わりです)(キックベダルもありません!)
(リアサスの奥の黒い箱がバッテリー)
(セルオンリーなので、バッテリーの充電は必須!
でも、リアサスを外さなければ、バッテリーの端子が出ない!)

(しょうがないので、バッテリーから電源コードをヒューズボックスまで伸ばしました)

(充電するときやガソリンを入れるときはシートをあげます。格好いいでしょ?
2サイクルは、プラグの管理が一番、しかし、プラグを変えるためには、
タンクの一部にエアクリーナーが入り込んでいるので、
タンクをいちいち外さなければならないんですよ。
それも、タンクがキャブレターにつながっているんですね。信じられます?)

(シングルラジエターなんで、冷却に不安が・・)

(なので、サブラジエタータンクをセルの上に付けてみました)

(燃料コックの奥にチョークノブがあります、とにかくやりにくい・・)

(キャブレターから出ているホースの口を斜めに切り、その上で切り込みも入れて、
泥詰まりしにくくしました。このドレンホースが詰まると・・↓)

(この後、泥沼からバイクを出し、エンジンを掛けたが、少し走っただけでストップ、
何回押し掛けしても掛からないので、プラグを見てもかぶっていない。
そこで、2サイクルでレースをしていた頃を思い出しました。
「キャブから出ている二次エアー、大気開放のドレンホースが泥などで塞がれると、
始動出来なくなる」ってこと!)

(こんな風に三つ叉ホースジョイントを使って、片方を上部に持って行く人もいます)


恋愛期間が終わり、恋愛ホルモンも少なくなってくると・・
フリーライドちゃんのいろいろなところが見えてきた。
機嫌が良いときには、こんなに可愛いバイクはない。
しかし、いったん機嫌を損ねるとこんなに怖いバイクもない・・。
(母ちゃんも怒ったときは怖いぞ!)

とにかく、セルオンリーなのだから、バッテリーやセルのメンテナンスは必須。
(14モデルがバッテリートラブルが続出したので、15モデルはリチウムバッテリーに変わった!)
もうひとつが、シングルラジエターなんで、冷却も心配だった。
冷却ファンも付いているのだが、さっそく、サブラジエタータンクを付けてみたぞ。

まだ、練習しかしてないので、このやり方で実際のレースを走れきれるのか分からないが、
気温10度の練習でも、コチョコチョとしたコースを走っていると、冷却ファンは回りっぱなし。
いったい、水温が何度になるとファンが回る設定になっているのか?
これでは、バッテリーへの負担が大きい気がするのだが・・。
う〜ん、心配だ・・。

サスは、意外と堅いのだが、モトクロスコースを走るとフロントもリアも底付きする。
でも、これ以上堅くすると、ガレやウッズで走りにくくなってしまう気がする。
まだまだ、どうセッティングを出して良いのか方向性が見えない・・。

ポジションもやはりモトクロッサーと違う。
ステップがやや後ろ気味で、ハンドルが遠く、
普通に乗るとハンドルにかぶさって乗っているようだった。

ハンドル位置も手前に付け替えることが出来るので、手前に変えて、
ノーマル時よりもハンドルを手前に大きく倒してみる。
だいぶ、良い感じにはなってきたが、まだまだ分からん。
とにかく、乗り込んでベストポジションを見つけていくしかないだろう。

他に気になっているのが、クラッチの重さ。
同じエンジンを積んでいる250EXCと比べてもだいぶ重たい気がする。
(クラッチ回りもわざわざ違うメーカーだし、どうしてだろう?)
低速があるので、半クラッチを使うことは少ないのだが、もう少し軽くならないものか?

新車時のフロントスプロケットの歯数は14。
これは、一般公道を走るためのギア比と思われるので、
全体的なパワー感もないし、3速から4速への繋がりが悪かった。
梱包されていた歯数が12のスプロケットでは、トライアル的になりすぎてしまったので、
250EXCの歯数が13のを付けてみたら良い感じになったぞ。

初めから心配していた立っているキャスター角(フロントフォークの取付角度)。
確かに、小回りは得意だが、不思議と倒し込みにくい。
タカが乗りたい!というので、乗せてみれば
「フロントフォークが立っているので、石でフロントが弾かれる!」と言ったとおり、
エンデューロクロスの石ゴロゴロの登りで、フロントを弾かれて吹っ飛んでいた。
俺の可愛いフリーライドちゃんに何をする!

あ〜、期待と不安と心配と楽しさが入り交じる〜〜。
この年になって「こんなにバイクに乗りたい!」と思うなんて考えてなかった。
老いらくの恋”とは、こういうことを言うのか?

父ちゃんとフリーライドちゃんの老いらくの恋の物語。
さぁ、これからどうなりますやら?
楽しみ・楽しみ・・。