「遙かなる爺ヶ岳・・・!」('20/8.12) JNCC第1戦から四ヶ月半、ついに第2戦(爺ヶ岳ラウンド 7/26)がやった来た。 ロコナ禍による自粛は、長かったな~! あまりに長かったので、せっかくノレてきた150XCから300EXCに乗り換えてしまったぞ。 それにしてもこの自粛期間は長かった! こんなにレースに出なかった期間は、鎖骨を折ったとき以来だぞ。 せっかく、JNCC SAクラス優勝、JEC 全日本NBクラス6位という好スタートをしたのだから その勢いのまま行きたかったぜ! しかし、悔やんでもしょうがない。 300EXCに乗り換えたことを後悔しないように頑張るだけだね。 いつも竹やぶで一緒に練習しているハシモトさん(昨年のFAチャンピョン)と 目と目を見つめ合って爺ヶ岳で頑張ることを誓う。 (ハシモトさんとは、レース中に思わぬところで見つめ合ってしまうのだが・・) しかし、しかしだ。あの爺ヶ岳は、そんな生やさしいものではなかった。 九州を始め各地で災害を起こし、一月以上も続いた異常気象とも言える雨の中、レースが始まった。 やっぱり、爺ヶ岳は、いつまでも「遙かなる爺ヶ岳・・」だったんだな。 210:遙かなる爺ヶ岳3 からは、ついに(↓下のような)「遙かなる爺が岳シリーズ」が始まってしまったんだ。 210:遙かなる爺ヶ岳3('14/6.13)父ちゃんたちにとってJNCC爺ヶ岳ラウンドは、言ってみればゴルフのマスターズ(オーガスタ)のようなものだ。 (ウィキペディアより) オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)は、 毎年4月上旬に開かれるマスターズ・トーナメントの開催コースとして名高い。 このコースは、とりわけグリーンの難度が高いことで有名で、 “オーガスタのグリーンには魔女が棲(す)む”とよく言われる。 11番ホールから13番ホールは「アーメン・コーナー」と呼ばれ 神に祈らなければ無事に通れないと言われるほど難しい。 1978年のマスターズでは中島常幸が13番ロングホールで13打も叩いてしまったことで日本でも有名になった。 初めて挑戦した2012年11月4日R7-AAGP 爺ヶ岳ラウンド。 噂には聞いていたが、その難易度とモトクロスとはあまりにも違うコース設定にただただ驚いた。 結果は、ショウゴがCOMP-Aクラスで49台中の42位、父ちゃんがFUN-FAクラスで14台中の11位だった。 2013年6月9日のR4では、ショウゴが29位で父ちゃん10位。 2013年11月3日のR7では、35位と16位だった。 挑戦するたびに対応策を考えて練習してきた。 しかし、そのたびに爺ヶ岳は、違う顔を見せて父ちゃんたちをはねのけてきた。 爺ヶ岳のコースには、至る所に“魔物”がすんでいるのだ。 時には、あまりの難易度に「アーメン!」と叫びたくなるくらいだぞ。 ショウゴによると「渋滞が始まったロックンロールリバーの登りは、アーメン・コースだ!」そうだ。 「アイ シャル リターン!」 ダグラス・マッカーサーが日本軍に追い詰められた揚句、 コレヒドール島からの脱出を余儀なくされたときに言った名言。 そんな魔物と戦うために、またまた爺ヶ岳に還ってきたのだった。 ↑このブログを書いてから6年以上経ったが、現実は当時とそんなに変わっていない。 ショウゴも父ちゃんも、ガレやウッズも当時と比べると上手くなった気がする。 以前ほどの苦手意識もない。 ただ、周りのレベルアップ(ライダーのスキルやタイヤ・バイクの性能アップ)も激しくて、 父ちゃんとショウゴの成績も伸びていない。 タカに至っては、JNCCにさえ出なくなってしまった・・。 金曜日の夜、雨の中を爺ヶ岳に出発。 今回は、いつも竹やぶで一緒に練習しているノリくんも一緒だぞ。 (ノリくんは、FA-Cクラス) 天気予報では、土日とも一日中雨。 現地に着いてみれば、土曜日の朝は予想通りの雨。それもかなり降っている。 しかし、この後少し好転する予定なので、下見をするなら午前中の方が良さそうと判断。 幸い、雨が止むときもあったので、ハシモトさん一家、リョウスケ、ノリくんと下見に向かう。 ここで問題が発生。 こんな天気でも1周ちゃんと見たい!というマジメちゃんグループと 難所だけでいいんじゃない?と言うなめきったグループが発生。 そこで、二手に分かれて行くことに決定。 1周マジメちゃん組は、いつもマジメなハシモトさん一家にノリくん。 難所組(と言っても2箇所のウッズのみ!)は、予想通りのショウゴとリョウスケ。 ホント、爺ヶ岳をなめていますね、この2人は! 父ちゃんは? もちろん、ウッズのみ!ですよ(笑) コースを見る限り、この爺ヶ岳は、意外と水はけも良く、斜面に関してはベストコンディション? しかし、爺ヶ岳の恐ろしさは、各所に隠されているんだな。(至る所に“魔物”がすんでいるのだ!) ゲレンデ部分のコースには、目もくれず?目指すは上流のFUN - WOODSと下流のCOMP - WOODSのみ。 (今回のコース図はこちら) 爺ヶ岳で有名なガレクライムは、FUNもCOMPもそんなに変わっていないから大丈夫? 実は、今回は第2コーナーから第6コーナーまでが、かなりヤバかった!のだが、 困ったら両サイドの草の上を走るしかないしね。 テクテクとゲレンデを登っていくと上流のFUN - WOODSに到着。 ウッズも水が漬いているところは少なく、思ったよりも行けそうな気がした。 (しかし、長雨の影響は、表面よりもその下の土に隠されていた!) 何カ所か注意するところをチェックし、ラインを探る。 FUN - WOODSは、主に左側を通った方が良さそうだ。 (この見立ても甘かった!) そして、下流のCOMP - WOODS。 こちらは、入口を見ただけで「これは渋滞必至!」と分かるほどだった。 (今回は、FUNだけでも380台くらい?) ただ、右側にエスケープラインも用意されているので、なんとかなるでしょ~! 渋滞が起こった場合のラインも何本か探り、 その後のウッズ部分も右側を行った方が良いと判断。 (このラインが2周目で崩壊するとは思いも寄らなかった!) 途中の谷の部分も毎回渋滞するが、斜めに上るラインが生きているので、 前がつかえていてもこのラインで行くことを決める。 (この判断は、間違っていなかった!) 下見をした感じでは、やはり勝負所はウッズ!と判断。 (と言ってもウッズしか見ていないけどね!) ショウゴとリョウスケとは、COMPのみが通るCOMP - WOODS -2(ジュラシックパーク?)で分かれて、 出発してから1時間半ほどでパドックに帰る。 その後、30分ほど経ってショウゴとリョウスケが帰ってきた。 途中から降り出した雨は、いよいよ本降りに。 1周の下見をしたハシモトさんたちが雨の中を帰ってきたのは、パドックを出てから3時間ほど経っていた。 すごいね~、男だね~。 (雨が止んだので、下見にスタート!ショウゴ・リョウスケ・父ちゃん組は、ウッズのみの下見です) (上流のFUN - WOODSは、滑りやすそうでしたが何とかなるレベル?) (これが、下流のCOMP - WOODSの入口。2周目からは渋滞必至!右側にエスケープラインがありました) (見ただけで滑りそうな土質です。でも、本当に恐ろしかったのは、入口を登ったあとのワダチ地獄!) (木に立てかけている白い傘の向こうが谷の部分。 1周目こそ、どこからでも行けましたが、2周目からは一本ラインに!) (レース当日は、明け方まで降った雨でパドックもこんな状態です) (ずっと雨が降っていたので、バイクを下ろしたのも日曜日の朝。ショウゴのFXは、お昼まで車の中) (コースは、雨で濡れてグチャグチャ・ヌルヌル状態でした) 雨が降る中、FUNクラスが集合。 相変わらず台数がスゴイ!(アナウンスでは380台近くいるらしい) このコースコンディションで、この台数なので、どうなるのか? 少々の不安と久々のレースの高揚感でスタートを待つ。 本来なら2速に入れてのセルスタートをしたかったのだが、セルの調子が悪いのでキックスタートを選ぶ。 (300ccあるので、キック重さも150の倍くらい?) 「テン・セコンド!」の合図と共に2速に入れてクラッチを握る。 星野さんのフラッグと共にキックで一発スタート!といきたかったが、 一発目は不発で、2発目でスタート。 スタート自体は、真ん中ぐらいだったが、スタートポジションが良かったので、スルスルと前に行けたぞ。 第1コーナーを曲がるときには、全体で5位くらい? 第2コーナーで3位に上がるが、その後の第4コーナーをアウトで回ったらツルツルグチャグチャ。 前に進まない間に何台かに抜かれる。(ここは、イン側が正解だったな~) この後もここは、大渋滞が発生していて、2周目以降、イン側にショートカットコースが出来た。 コースも分からないし(ちゃんと下見をしないから・・)グチャグチャだし、石もあるし、慎重に慎重に走る。 ガレクライムに到着する頃には、全体で7~8位か?SAクラスなら3位くらい?? 勝負所の上流のFUN - WOODSに到着。 確か、ここは左側に行けば良かったはず? しかし、ゴーグルに泥が付いて見えにくい上に、ウッズの中が暗いので、 自分がどこを走っているのかも分からない。 慎重に慎重に転ばないことだけを考えて走る。 すぐに、下流のCOMP - WOODS入口。 1周目で回りはFAクラスばかりなので、この登りもみんなスムーズにクリア。 ここは、遠回りになるが右側のラインを行けば間違いないはず。 慎重に慎重に走っていると、イン側のラインから何台か抜かれる。 (実は、2周目からは、イン側が正解ラインになっていた!) こんな感じで1周目が終了。 途中、第4コーナーで止まったが、慎重に走ったおかげで転倒は無し。 モニターを見れば、SAクラス3位。 コースも分かったし、いよいよ攻めたるぜ!とアクセルを開ける。 しかし、2周目のコースは、380台近くが走ったあとなので、1周目とは別物になっていた! え、こんな所に深いワダチがある! 1周目は、普通に走れていたところがグチャグチャ・ツルツル・デコボコになっている。 それでも、何とか転倒せずに2周目のCOMP - WOODS。 入口は、予想通りの渋滞。 坂の途中で何台かのバイクが止まっている。 右側のエスケープは?こちらも最後は、入口の上で合流するので、渋滞している。 しばらくラインが空くのを待つ。 難しいラインだが、一番左のラインが空いた。 躊躇せずに突っ込んだが、あえなく撃沈。 バイクが半分、草むらに落ちる。 起こそうとするが、さすがに300は重い。 足下もズルズルと滑るので、起こすのをあきらめてフロントタイヤを持って、バイクを下に向ける。 下側に引きずり下ろして、やっとバイクを立てる。 バイクを引きずり下ろしているときに、行けそうなラインを発見していたので、 もう一度、同じラインで挑戦。 今度は無事に乗り切ったぞ! ここからは、右側のラインに行けばいいはず。 相変わらず、ゴーグルも見えにくいし、暗くてラインが良く分からない。 1周目よりも明らかにワダチが深くなっているが、そのまま突入。 あっという間に、ワダチ地獄にはまる。 アクセルを開けすぎてはいけないと思っているのだが、リアタイヤがすぐに空転する。 ドンドン深くなるワダチ。 あれ?爺ヶ岳のウッズってこんなに柔らかかった? それとも、300ccのビッグパワーのせい?? そうこうしているうちにステップがワダチに引っかかりだした。 こうなったら、絶対に前には進まない。 後ろに下がろうにも動かない。 もう、どうしようもない状態になってしまった。 焦るな、焦るな・・。 ゴーグルを取って、深呼吸をする。 近くにあった枝をワダチの中に入れ込んで、アクセルを開けるが空転するばかり。 ラジエターからも白煙が立ち始める。 どうする? いったんエンジンを切り、バイクを左右に揺すってみる。 そう言えば、以前ショウゴが、ワダチでどうしようもなくなったら、 「バイクを左右に揺すって、ワダチを少しでも広げて、バックフリップをするくらいにクラッチを繋いでフロントを上げる。 フロントさえ上がれば、そのまま横に倒して、あとは、ワダチを切って行けばいい!」と言っていた気がする。 バイクを思いっきりに左右に揺する。 少しリアタイヤとワダチの間に隙間が出来たので、アクセルをあおってクラッチを繋いでフロントを上げる。 45度ぐらいにしか上がらなかったので、フロントタイヤを持って竿立ちウィリーのようにバイクを立てる。 泥の中で垂直に立つバイク!なんか芸術だな~!!と思わず見とれる。 フロントタイヤを持って思いっきりに真横に引きづり倒して、やっとワダチ脱出! 回りを見れば、あちこちに埋まるバイクと上がる白煙。 地獄絵図とはこういうことを言うのだろう・・ バイクを立てて、いよいよワダチを横切ろうとすると、向こうのワダチに埋まるバイクと泥人形のライダーを発見。 ゾンビのようにボーと立っている泥人形と目が会う。 「あ、ハシモトさん!」思わず声が出る。 「もう、ダメだ~」と弱々しく応えるハシモトさん。 バイクを木に立てかけてハシモトさんの基に走り寄る。 「園長先生、もうダメです。先に言ってください」とハシモトさん。 「いや、あきらめちゃダメだ。まだ行けるぞ!」と父ちゃん。 「さっきも二人がかりでやったんですが、ダメだったんですよ。もう無理です・・」 「大丈夫。オレには秘策がある!」とショウゴに教えて貰ったことをまるで自分が発見したように言う。 そして、ハシモトさんも脱出! 手を振って、お互いの健闘を祈って分かれる。 しかし、このあとにハシモトさんに会うことはなかった。 (ハシモトさんは、この後にまたワダチ地獄にはまっていたそう) このワダチ脱出だけで20分近く掛かった? 実は、3周目と4周目もこの区間のワダチにはまってしまい、それぞれ20分以上のロスタイム。 他では、ほとんど転倒しなかったので、ホント今回は、ここのワダチだけにやられてしまった。 まぁ、おかげでワダチを切って走る!と言うことが少し分かったけどね。 結果は、4周走ってSA8台中の6位。優勝は、ジンマさんで5周。 ハシモトさんは、3周走ってFA13台中の10位。 ノリくんは、3周でC150台中の103位。 三人とも撃沈しちゃったけど、次に頑張りましょう! (この後、地獄を見ることになる父ちゃん、ハシモトさん、ノリくんの竹やぶ三人衆!) (FA・SA・WAのスタート。イン側9台目のゴミ袋をかぶっているKTMが父ちゃん) |