by K
はあ〜い!あたし、すてきな姫ちゃん! 今日は、名古屋のお店(愛知県刈谷市,Y百貨店)から、 ここ千葉県のKさんのお家までやってきたの。 あたしのパパになるKさんってどんな人だろうな、ワクワクしちゃう。
「宅配です、ハンコお願いします」
どうやらKさんのお家についたみたいね。Kさんは包装紙をはがして、 外箱からあたしを台紙ごとひっぱり出そうとしてるみたい。 あ…、この人がKさんね! はじめまして、あたし今日からあなたの娘よ、 よろしくね!
さっそく抱いてくれるのね。そんなにおっかなびっくり扱わなくても大 丈夫よ、うふふ。キョロキョロしなくても、だーれも見ていないから、 ね、恥ずかしがらないで。
きゃ、やっと抱きしめてくれた…女の子って柔らかいでしょ。あたしの 髪に頬ずりしてね、気持ちイイよ。あら、ちょっと髪が乱れちゃった… そうそう、そこの「おしゃれな」櫛で梳かしてね。
Kさんの部屋は、2階のこの部屋なんだ。 わぁ、なんだか本でいっぱいの部屋ね。よく見ると少女漫画ばっかりだぁ。 Kさんのいない時に、こっそり読んじゃおっと☆ あたしの座り場所は、 この本棚の上ね。 よろしくね、「おしゃれな姫」ちゃん! 座らせる時にちゃんと両手 を前に出してくれて、ありがとね、Kさん。あ、どっかいっちゃうの? じゃ、また後でお話しましょ。
(夜)
ふわあ、眠むう〜い。Kさんまだ寝ないのかしら。こんな遅くまで漫画 読んでるなんて、ホントに漫画が好きなのね。あしたの学校は大丈夫な のかしら。
え? きゃっ、あたしをベッドに入れてくれるのぉ? わ、あったかーい。 男の人の腕枕なんて、初めて。ねえ、もっと強く抱きしめて…
そうね、あたしも仰向けでいるより、あなたと抱きあっていたいわ。ち ゃんと両手をあなたの胸に回させて。ほら、こうすれば、あたし、あな たの左胸の上、あなたの鼓動を 感・じ・て・る…
おやすみなさい、Kさん…
(朝、一般的にいうと昼)
そろそろ時間ね。お・き・て、Kさん。眠いのはわかるけど、学校に行 かなくちゃ。あら、誰か階段を上がってくる音がするわ。Kさんのママ が洗濯物を干しに来たみたいね。あ、あたし達をじーっと見てるわよ、 Kさん、起きてよお。でも、なんだかママったらあたし達を怯えた目で 見てるわ。なんでかしら?
あ、Kさん、やっと目が覚めたのね。おはよう、気持ちの良い朝ね!
(後日談)
Kさんったら、あれ以来あたしをベッドに入れてくれないの。ときどき ギュッて抱きしめてくれるけど、さみしいな…。
でも、あたし信じてる。いつか、ふたりだけの愛の巣で、あなたが愛を
ささやいてくれる日が、きっとくることを…… ね、あたしのKさん
 
 Copyright (C) 1995,1997 K, Shochan-Nakayama, Hanepen Project, Himechan-ML
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