Gimp (The Gnu Image Manipulation Program): ぎんぷ は、 絵を描いたりレタッチなどができる Photoshop 系ツールです。 Linux など Unix 上の X Window System で動作します (現在 Windows 版への移植も行なわれている模様)。 Gimp は、GNU プロジェクトの GPL ライセンスで配布されており、 これだけの高機能ソフトウェアが Free (自由)で使えることは素晴しいことです^^。
ここでは実際にどうやって、私が Gimp で お絵描きしているか紹介したい と思います。
使用した Gimp は、PlamoLinux 1.3 (技術評論社 Software Design 1998 12月号 1,180円 付録) の contrib に収録されている Gimp 1.0.0 (gimp.tgz) と gtk-1.0.5 (gtk.tgz) を 使用しています。 また asura さんの 日本語メニューセット japanese-menu.tgz で 日本語メニュー化を行なってあります。
普通の紙に鉛筆(シャーペン 0.5mm HBくらい)を使って、下絵を描きます。 下描きをタブレットやマウスで描いてゆく方法もありますが、 今回は、紙に下描きして、それをあとでスキャンすることにします。
線を選びながら、鉛筆の下描きにペン入れをします。
私は、PILOT の製図用インクと Gペンを使っています。
ペン入れ後は、消しゴムで下描きの線を消しておきます。
なお、この作業はピグマを使ったり、
鉛筆の線を生かす場合には省略したりすることもあります。
Gimp のプラグイン xscan (sane) を
使って、エプソンGT-7000 で線画のスキャンを行ないます。
プレビュー表示で、スキャン範囲を指定します。解像度は Web 用の画像なので低めの 120dpi にしました。
スキャンした画像を縮小します。
縮小するのは、スキャン時のゴミを取ることと、高解像度で取り込んでから
縮小した方が一般に綺麗に仕上がるためです。
2の倍数が綺麗に縮小できるため、
比率は 0.5 (2分の1) や 0.25 (4分の1) で指定します。
ここでは 120dpi の画像を半分に縮小 (60dpi 相当に) して作業する
ことにします。
[Ctrl]+L でレイヤー&チャネルを開いて、 新規レイヤーで、着色用のレイヤーを透明で作ります。
[Ctrl]+P でカラーパレットを開いて好みの色を選びながら着色します。 色は、水彩絵の具と同じ順番で薄い色、つまり肌色から順に塗っていきます。 筆先は、[Ctrl]+[Shift]+B でブラシの選択を開いて選びます。
Gimp 上での作業はマウスでも もちろんできるのですが、 やはりタブレットを使うと便利です。 私の使っているタブレットは Wacom の Art Pad II ですが、 XFree86 でデフォルトでサポートされているので、XF86Config に 簡単な設定を加えれば使うことができます。
左は、線画と着色用の両方のレイヤーを表示させたもので、 右は着色用のレイヤーだけを表示させたものです。このようにレイヤーを使って 線画と着色を別々に分けて描くことができます。
描いた絵を保存する場合には、xcf 形式を使ってセーブします。 xcf 形式以外は、レイヤー情報等が全て保存できないので注意が必要です。 また「By extension」にしておくと、 ファイル名の拡張子に従ってファイル形式が選択されるので便利です。
なおセーブする時には、xcf 形式はサイズが大きいので、 ファイル名を pengin20.xcf.gz などとすると良いです。 このようにすると xcf 形式をさらに gzip 圧縮するので サイズを小さくできます。
線画だけの背景レイヤーと、着色用のレイヤーを結合させます。
1枚のレイヤーに合成したら、jpeg や PNG 形式で画像をセーブして完成です。この絵は jpeg 形式でセーブしています。
なお、gif のような色数に制限がある形式でセーブする場合には、事前に 「RGB カラー」から「インデックス画像(最大256色まで)」に変換して減色しておく必要があります。