2003年日帰り登山 from 豊橋

2003年8月2日(土) 塩見岳 3052m  単独 曇  無風 

とうとう週末デビューをしてしまった。今年は天気が不順なので天気図をチェックして行けそうな時に行かないと機会を逃がす。子供の時の遠足ではないが土曜日の朝はちょっと緊張と興奮で早くから目が覚めてしまった。三伏峠への登りは昔の塩川土場からの登りもバテバテで苦労した覚えしかない。鳥倉林道利用で三伏峠への行程が楽になったとは聞くけどどんなものか不安が先立った。しかも今回は何と下見までしてるのだ。6月25日に嫁とドライブがてら、稲武から飯田ヘのルート調べと鳥倉林道を終点まで行って道路状態チェックを終えているのだ。この時は鹿や猿や丁度ヘリの荷揚げまで観察できた。ここに対する意気込みが解るというものです。初めての林道をそれも深夜に走るのは非常に緊張するので、この確認は安心と安全を与える。出発前の不安は8月最初の土日、しかもやっと晴のある土日だからそんなに広くなかった駐車場がどうなってるか?というのが心配だった。


大鹿村への道と鳥倉林道は夕立が降った直後のような道路状態で、林道は所々深い霧に遮られて慎重な運転を強いられた。
午前1時過ぎに闇の中に突然車が現れた時は予期した不安に襲われた。そうっと進入したらたった一箇所だけ一台分の空間があったのでそこに停車し仮眠に入った。6月25日との違いは道路の落石郡が綺麗に片づけてあったことと、小奇麗な仮説トイレが3台も設置してあったこと。
4時携帯の目覚ましで目を起き準備を始めてると、マダ暗い中を先行者が登って行った。身支度を終え鳥の声が騒がしい薄明かりの林道を歩きだす。対岸に駐車場を見終えるころに鋪装が終わりやがて登山口が見えてくる。
まだ薄暗い樹林の中を熊よけ鈴を喧しく鳴らしながら急登を開始した。道はよく整備され1/10〜9/10の表示がうってあり登りの目安になる。スタートから急な登りを続けるとやがて3/10手前で尾根筋に出て5/10を過ぎた辺りから桟道や梯子などで整備されたコースとなる。水量のある沢を渡って少し行くと塩川からの道と合流し一こぎすると改修工事中の三伏峠小屋に出た。陽が時々射しだしたので陽焼け止めを塗り即出発。

休憩無しで峠まで上りそのまま三伏山を越えた。以外と長く下った頃、三伏小屋との分岐に出て本谷山への登りとなる。途中花畑もあり背後に時々雲間から烏帽子岳コースが見えた。
本谷山の山頂では丁度陽射しが降り注ぎ眼前にこれから行く塩見岳をやっと拝見することが出来た。二時間で行けるかと思うほど遠くに見え帰りが不安になった。

覚悟を決めて本谷山からの長い長い下りに取りかかる。沢筋の最低鞍部を過ぎると徐々に勾配が急になり、黙々と喘いでいると塩見新道との分岐にでて、いよいよ山頂までの稜線上に載ったことになった。目の前に時々現れる本谷山を参考にしながら高度を稼いでいると突然塩見小屋が現れる。小さい小屋だ。大便の便袋というのが気になったが、山頂を目指す。少し下り山頂への稜線上の登りとなる。目の前に見える岩稜地帯をやっとの思いで登りきると予想通り更に大きな岩稜帯が立ちふさがっていた。再度下り再び急登しやがて岩石群の登りとなる。登りきると再度大きな岩稜帯が現れる。時間を気にしながらも攀登っていくと岩郡を乗り越えて稜線上にでる。目の前に見える標識を目指してゆっくり歩むと東峰であった。更に3分くらい先に行くと岩を積み重ねたような西峰3052mの山頂となる。山頂は丁度ガスの中で視界は利かなかった。時々足元に熊の平方面の縦走路が見えるだけだ。風もなく陽も射さず呼吸を整えるには最適だった。

小憩して下山開始する。まだ本谷山への長丁場が残ってる。東峰から岩石帯を慎重に降りる。この岩稜帯もそのうち鎖場になってしまうかも知れない。
小屋を過ぎ塩見新道分岐を越え沢筋の倒木跡で小憩、足がツッテ困る。やがて本谷山への長い登りとなり、小ピークを繰り返しながらやっとの思いで本谷山に辿り着いた。この時15時位だったが、まだ塩見小屋に向かう最後?のグループと出会う。小屋は空いてるかと聞かれたので、一畳3人迄はいってないと答えた。

本谷山を下り三伏山への嫌な登りとなる。本谷山は覚悟の上だが、これは予想外でへたった。山頂でメールをやっと打ち家族に連絡。今回は峠付近しか電波が立たなかった。前のNECなら絶対こんなことは無いはずだ。ともあれ塩見小屋の番人の普通なら2時間半、遅い人でも3時間あれば着くよ、より5分位遅れて到着。ここまでのタイムは普通の人と往復で1時間位誤差がある。従って私は休憩が少なく歩いてばかりいるが、本当はもっと休憩を取ることが出来るはずだ。

8/1 21:39自宅出発 
8/2  0:27松川IC出 0:54大鹿村役場前 1:30 鳥倉林道終点
   4:38 駐車場出発
   5:18 登山口前通過
  7:19 塩川分岐通過
  7:43 三伏峠小屋通過  
    (登山口から2時間25分、駐車場から3時間5分)
  8:52 本谷山2658m 9:00
 10:28 塩見新道分岐通過
 10:51 塩見小屋
 12:20 塩見岳西峰
 12:24 塩見岳東峰3052m
  1:15 塩見小屋通過
  1:27 塩見新道分岐通過
  3:09 本谷山
  3:29 三伏小屋分岐
  4:25 三伏峠小屋通過
  5:04 5/10地点で水分補給
  5:55 林道ヘ出る 6:05
  6:39 駐車場到着  6:55 撤収

三伏峠小屋の若者に下山はどれほどと尋ねたら3時間と言う。登ってくるときの表示では1時間半位の気がしたので思い切って下山開始した。小屋番としては安全を考慮すれば正しい意見と思うけど、それより今夜のビールが早く欲しかった。峠からは勾配にまかせてかなり速足で下った。それでも5/10までは桟道や梯子があるしぬれて滑りやすくなってるので気を使った。
5/10で小憩して水分補給。ここで最後の登山者に行合う。彼も時間との競争だ。やがて尾根から外れ後30分、1キロの標識を見てやっと安心した。
万一用の懐中電池をしまい込み、朝方に苦労した登りを一気に下る。2/10、1/10を過ぎ明るいうちに林道終点広場が見え6時前に下山、やはり1時間30分だった。小憩し、今度は残った水を手にして時々飲みながら林道を駐車場まで歩く。
車の前で缶詰めを食べ水を全部あけ撤収準備をした。7時前少し暗くなった駐車場を去る。駐車場に入れれなかった車が林道に沿って多数止めてあった。数えたら約80台近くあった。林道を下ってる途中で陽が落ち大鹿村役場前に着いた時には真っ暗になっていた。家に下山完了の連絡を入れる。

帰路に着く。約14時間の登山が完了した。満足感で咽は刺激を求めて喘いでる。

本谷山からの塩見岳 
カシミールでの断面図

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