2006年日帰り登山 from 豊橋

2006年8月2日(水)劔岳 2999m   単独 晴曇 無風

  馬場島から早月尾根往復


北岳から始まり仙丈岳、甲斐駒、空木岳、塩見岳、聖岳、光岳、槍が岳等その他日帰り登山をやって来たけどいつもどこかで早月尾根を元気なうちに登りたいと思っていた。昨年槍ヶ岳の日帰りを終えたので次は劔の日帰りしかないない、と決めていた。と、いうわけで念願の早月尾根から劒岳だ。
長い梅雨の激雨もぼちぼちどうだ!!木曜日から山小屋は満室状態。

夏山本番。ということは静かな山行は今日しかない。二日前から早寝をして体調を維持してたので仕事を速めに切り上げて夕方6時日本海まで出発。

予想以上に道路は空いており東海北陸道から白川郷を走り再度北陸道で立山ICへ。4時間、緊張してるせいか呆気なく着いた。
馬場島までも心配することなく大きな看板に導かれて駐車場に滑り込み、星空を見ながら簡単に夜食を食べ爆睡に落ちた。(10台ほど駐車)
4時前に起きると星はなかった。(後で聞いたらこの時間上の早月小屋周辺は降っていた)身支度をし終え気合いを入れて出発。
標高差約2300m長大な急登が待っている。登山口からは薄蒼くシルエットを見ることができる。これだけなら八ケ岳と変わりはないが、標高差がまるっきり違う。

最初の一歩から急な斜面だ。まずは松尾平目指して急登する。身体の調子は悪くないがまだ眠気が残ってる。

出発時の馬場島登山口前から

一登りで開けた広場にでた。1000mの標識が設置してあった。ここから200m毎の標識が始まる。
しばらく平坦な農道みたいな手入れされた道が続き突然小屋迄1200mあまりの急上昇が始まる。
杉の巨老木の間を登るあたりで大分明るくなった。道は幅広く、下草も整備され、人が言う「バランスのいい急登」が続いた。深南部の等高尾根のように目の前には地面、見上げれば真直ぐ伸びている。黙々と登る。

1500m過ぎた辺りで劔本体が時々見えた。まだまだ遠い。汗はどっぷりしたたり落ちてる。
急登のため足で登るというより両手を使って登る、という状態が続く。ゆっくりペースなら200mが30分、400mを1時間位で登る。速足なら400mを30分から40分で駆け登ることだろう。そういう人達は2時間で小屋を通過し4時間で登頂するという。そんな人と比べてもしようがない、黙々と登る。
200m毎標識のあるところは小広場になって休憩しやすくしてある。1800mで日焼止めを塗った。すでに塩が吹き出ていた。
途中1900m辺りの小広場は昔の避難小屋の跡だったのだろうか?この辺りで下山の二グループと出合う。

濡れた地面と草木に服を湿らしながらゆっくりよじ登っていった。背後の山並の高さになった頃時々発電機の音が聞こえてきた。

青空のピークに飛び出ると足元に早月小屋が見え、前方に2600m,2800mを従え劔本体が充分威圧的に聳えていた。
もう、ここで止めようか、と考えてしまう。高度にすれば後800m。今までのペースで登れれば2時間。疲労して3時間。お昼のうちに登頂できるはず。足腰が耐えられるかどうか?等々、考えながら軽食を取った。小屋番と軽口をたたき出発。

 

小屋の横から急登が始まり、気付くと小屋を足元に見るような感じで登って行く。更に登ると小屋だけでなく馬場島方向まで見えるようになる。前穂から岳沢、上高地が見えるようなもんで帰路の辛さが想像できる。

2400m先で掘割状態の尾根登りから完全に尾根状に出る。ハイマツ帯の始まりだ。ヘリがすぐ近くを飛んで行った。

2600m標識の先から残雪帯が始まる。暑さがやや軽減されて気持ちいい。残雪を登りきった先から今度は岩稜帯が始まる。
ドンドン高度は上がっている、ガスもやや上昇してきてる。
帰路を心配しながら小ピークから少し下り風の通り道を探し岩稜帯の取付点で小憩する。
今日はどの小憩地点でも水分が美味い。汗は止らない。

時々下山パーティとすれ違う。まだ今日は閑散としてる。岩稜帯の急登は足腰にキツイ。声もでず黙々と登った。

段差のある岩登りは更に疲労度をアップさせる。緑のある岩稜帯を登りきると2800m標識、後0,7キロ。振り返ると2600mへの尾根と馬場島方面が、眼前には劔西面が迫り青空との境に十字標識が見えた。

まだ11時台、山頂を目指して最後の急登にかかる。

ハイマツ帯の尾根上に出る。前方に2600m地点

少し登ると鎖場が始まる。真新しい鎖だった。シシ頭を過ぎ鎖場の連続を繰り返す。上方に人の姿も見えたりする。

岩の上を歩くようになるとペンキが多くなり、導かれるように十字の標識を目指した。劔沢との分岐だった。

まだ高い地点があり山頂はまだ先だった。ゆっくり帰路を確認しながら岩の上をペンキに沿ってつめると祠が見えてきた。

久しぶりに感動の山頂。12時半前に到着、少々余裕がある。岩を積み重ねたような山頂、祠前のスペースで水分と軽食を取り山頂を楽しんだ。

ガスが上ってきており三の窓方面しか見晴しがなかった。山頂は先人が一人食事をしており静かに味わうことが出来た。

12時前にはそれなりに賑わっていたそうだ。劔は小屋迄も時間があるしタテヨコバイの通過もあるので天気がいいうちにまたお昼までには下山するのが安全と皆理解してるようだ。私も先が長いし疲れがとれた感じなので下山にかかった。

岩場を早月尾根分岐まで戻る。ガスってると気をつけないといけない場所だ。

鎖場の急斜面を一気に下る。シシ頭を過ぎ慎重に素早く下る。2800mで先を見ると登りの時鎖場にいたグループが毛勝谷頭先を動いていた。劔に別れを告げ嫌な登り直しが待つ2600m地点へと下りにかかる。

急いでも足場が悪いので無理せずに下った。鞍部手前で先行のグループを追い越し徐々に登り直し雪渓横切って2600mに戻った。
小憩。ガスがはりだしてきて足元に見えるはずの小屋や馬場島方面が見えない。

ハイマツ帯を戻る。登ってる時にはしっかりした足場で登りやすいと思っていた尾根も下りとなると脆く滑りやすく安定に欠けた。

樹林帯に入り2400mを過ぎ徐々に下降し人の声が聞こえるようになり小屋に到着。甘いジュースを購入し小憩した。

宿泊の人達の談笑を後に小屋前のピークを登り小屋とガスに隠れた本山を振り返り最後の下りに入った。

ゆっくり下っても2時間チョイ位で完了するはずなので楽しみながら下った。
数えながら下っても200mを長く感じるとこもあったし、1600mから1400m感のように短いとこもあった。

ガスもはりだしてきたので無理せず200m毎に水分を取りながら汗を落しながら急下降をした。上着は汗で重くなった。腕まくりをし体温を冷やしながら下った。

1400mを過ぎるとガスはなくなり更に暑いだけの下りが続く。1200mあたりから再度沢音や重機の音が聞こえだした。

12時間近く前に通った松尾平までの平坦な道を歩き最後の1000m標識に到着。標識にもたれ最後の休憩をした。小屋で買ったジュースを飲み干す。

更に手持の水分をほぼ片付け帰るための最後の下りにかかる。

ゆっくり刻み込みながら急斜面を下り登山口の石碑の前に戻った。感激も新たにガッツポーズがでた。

2800m地点から右端2600m地点を見下ろす。

地元ナンバーの人に風呂情報を聞いたら、馬場島荘で入れるということなので早速訪れ風呂に入った。
最初の一湯の気持ち良いこと、しっかり満足して気分転換できた。

帰宅準備をし馬場島を後にした。途中砕石現場の自販機でサイダーを2本買いし咽が生き返った。

「熊が出るぞー」の看板の部落先で自宅にメールを入れ、ガソリンを追加し明るいうちに高速に乗った。

ハンドルを持ってると今回は急登のため両手で前面の何かを掴みながら登り続けたので左手の親指が面白いように引きつけを起こした。
結局行きも帰りも出発の時間はほぼ同じ。また同じように殆ど車も無い状態で走り抜けたため同じような時間で帰宅した。高速のおかげで富山は非常に近かった。

早月尾根自体は往復約13時間だったので、日帰り登山としては平均だったので劔を遠く感じたのは入山が日本海側からという立地的なことが影響したかもしれない。

下山直後、登山口の石碑の前

 

 

 

後日談、去年槍が岳を登った後足腰、足裏に激痛が続いたけど今年は痛みがない。筋肉が落ちた割には影響が少ない。加齢でマヒしてるだけなのか?

 

 

2006年8月1日 火曜

18:09    豊橋自宅出発
18:24-18:24 豊川IC入る

20:21-20:21 荘川IC下りる

20:58-20:58 白川郷IC入る

21:57-21:57 立山IC下りる

22:48-22:48 馬場島駐車場

2006年8月2日 水曜

4:40-4:40 馬場島駐車場出る
4:47-4:47 登山口

5:22-5:22 1000m
6:01-6:06 1200m
7:26-7:35 1800m
9:00-9:20 2200m早月小屋

10:00-10:00 2400m先ハイマツ帯入る
10:45-10:55 2600m先岩稜帯手前鞍部
11:34-11:44 2800m後700m地点

12:26-12:46 剣岳2999m

13:46-13:55 2600m
14:31-14:40 早月小屋

16:48-16:56 1000m
17:19-17:19 登山口

17:25-17:25 馬場島駐車場
17:27-18:09 馬場島荘風呂

22:30-22:30 豊橋自宅着


尚、本年山行のGPSログとマップはカシミールで表示しています

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