臨時国会傍聴レポート       第58回へ
            
 平成8年9月27日、戦後3回目という解散のために召集された臨時国会を一目見ようと、国会で傍聴してきた報告をします。

 警備が厳重な首相官邸を横目で見て、 衆議院第2議員会館へ到着。周囲は、やはりいつもより警備が厳重。面会申込用紙を記入して受付に提出。許可証をもらい○○○号室へ行く。
 ドアが開いており、いきなり代議士が出迎えてくれる。そして先客の名古屋の元代議士に紹介される。来た理由を話すと「わしが案内したるわ」。M秘書が、「今日は、特別に ○時から傍聴を入れていますので、早めにお席に着かれた方が…」。「ほんならすぐ行こ」と元代議士。
 通行証と、傍聴券を受け取る。代議士1人につき、それぞれ1枚ずつしか割り当てがないため、紹介議員の欄は別人の名前になっている。この日は、自分のほかに、4人の県議も傍聴に来ていたため、5枚集めるのに秘書が苦労したらしい。
 【傍聴券 表】
    略
 【 同  裏】
    略

 途中、さきがけの武村氏の秘書I氏に会う。東海銀行の元頭取の息子で、「ぼくはさきがけに残ります。」秘書も誰につくか判断を迫られているらしい。
 いつも修学旅行で集まる広場が、テレビ局の車で埋まっていた。その広場に面したところに、傍聴者入り口がある。参観者通路と傍聴者通路はまったく別になっている。
 途中で券を2回見せ、判をもらい、荷物を預け、いよいよボディチェック。かなり厳重で、ポケットひとつひとつを点検。同行の元代議士は顔パス。不思議に思っていると、係員は胸のバッジを確認していた。「元議員バッジ」というのがあったのだ。
 その後2つのエレベータを乗り継いで、本会議場へ。ほぼ正面の最前列へ案内される。「わしは向こうだで…よう見といてちょ」。本会議場の傍聴席は、正面が議員紹介者。サイドが、公務員席・外交官席・元議員席・参議院議員席に分かれているそうだ。
 着席。まだ時間は十分ある。隣に母・娘2人が座る。「おじいちゃんの席どこかな」と探している。本会議場にいた唯二の未成年だった。
テレビカメラ10台あまり。カメラマンと記者の合計で100人あまり。1人で5台のカメラを扱っている人もいる。
 傍聴席は400名ちょっとが座れる。しかし議員の数だけ傍聴者がいるはずなので、全員はとても座れない。と思っているうちに、立ち見客がぎっしり。
  ベルが鳴る。照明が一段と明るくなる。傍聴席はいっぱいである。
  衛士から説明がある。@ 本日の案件の紹介、A 注意事項(拍手をしない、大声を出さないなど)B 地震が起こった時は冷静に C 最後議長が議場を出るまでは外へ出ないように。東京では、地震は近いかもしれないと感じた。
 会議場には、まだ誰もいない。
 ベルが鳴り、議員が一斉に入場。事務次官クラスの人か?正面のサイドから内閣側の後ろの席へ。代議士は両サイドから続々入場。急にうるさくなる。
 握手を求められている人がいると思ったら、後藤田さん。今日が議員生活最後なのだ。女性議員はみんな派手な服だ。田中真紀子議員はピンク。 野田聖子議員はブルーという具合だ。
 閣僚席には誰もいない。議院内閣制では、大臣である前に議員なのだ。全員、議員席に戻っている。
 土井議長が正面から入場。拍手が30人ほど。
「みなさん、第137回臨時国会が本日召集されました。」「これより会議を開きます。はじめに議席の指定を行います。」仮の席のままでいいことを確認したあと、梶山さんが風呂敷を持って入場。
 おそらくこれ以後はテレビで何度も繰り返されたと思うので省略。
 自民席の後ろの方から「バンザイ」の声。しかし、バンザイをやっている人は自民党以外ではあまりいない。もう古いのだ。
 ピタリ3分後、議長が退出し、臨時国会が終了。あっけない幕切れに終わる。
 この後、通行証を生かして議事堂内散策。有名議員が目の前にごそごそいる。照明が当たっているのは、近づけないが鳩山さん、村山さん…、何とかわかる。近くで見ると、やはり普通の人で、政治は人が動かしていることを実感する。
 議員会館へ戻ると、県議、元代議士の人と懇談。中学校のことをいろいろと聞かれる。「中学校は怖い」というY氏に、元教師のS氏が「そんなことないわ」という会話が続く。
  そのほか、衆議院愛知10区の情勢、民主党の○○氏のこと、○○の事件では、「息子がかぶらないかんわ」という危ない発言も…
  代議士が戻り、雑談。県議の人たちと食事へ行くことになる。
  私はそこで挨拶をして失礼する。すぐに、東京地裁まで歩いていき、たまたま開廷する部屋へ飛び込んだら、そこは強姦傷害罪の裁判であった。そこでは…