ITで築く学力とコミュニケーション能力
― 大口町における学校と地域の情報化をめざして ―
平成14年10月
サイバータウン&スクールネット委員会
は じ め に
文部科学省は、教育用コンピュータ整備計画を立てて、これまでは順調に目標を達成してきた。
現在進めている「ミレニアム・プロジェクト」では、これまでの状況をさらに進展させ、教科書を使って行われる「各教科の授業」において、コンピュータやプロジェクターで「動画コンテンツ」などを活用することにより「分かる授業」、「楽しい授業」を実現することを目的としている。
そのために、平成17年度までに次のことを達成するように求めている。
(1)公立学校のコンピュータ整備(すべての普通教室に2台、特別教室等用に学校ごとに
6台、小学校もPC教室に1人1台など)
(2)すべての公立学校のインターネット接続
(3)公立学校の各教室等を結ぶ校内LAN の整備
(4)私立学校のコンピュータ整備・インターネット接続
(5)教員研修の実施
(6)「分かる授業」のためのコンテンツの開発
(7)教育情報ナショナルセンター機能の整備
ミレニアムプロジェクトはこれまでとは違い、ハードの整備だけでは不十分で、授業改革が真の目的である。
サイバータウン&スクールネット委員会では、この先導入されるであろうコンピュータの有効活用を図り、大口町の学校と地域の情報化を促進するために、以下の提案と要望をしたい。 |
本文中に登場する略語
IT : information technology 情報技術
PC : personal computer パーソナルコンピュータ
LAN: local area network] 同一敷地(同一建物)内などの総合的な情報通信ネットワーク
HP : home page ホームページ。インターネットの WWW サーバーに接続して最初に見える画面
インフラ:infrastructure 生産や生活の基盤を形成する構造物
T 基本的な考え方
この8月に「初等中等教育におけるITの活用の推進に関する検討会議」から出された報告書『ITで築く確かな学力』には次のように書かれている。
〈知識と知識の時代へ〉
今日、科学技術の進展は、社会のあらゆる面におけるグローバル化を加速させ、産業構造や雇用形態に大きな変革を促すとともに、地球規模での協調と競争が求められる時代を形作った。とりわけコンピュータをはじめとする情報通信技術の急速な発展は、物質資源に重きが置かれたこれまでの社会の価値観に大きな変革をもたらし、知識と情報が付加価値の源泉となる時代が到来した。
〈新しい時代に必要な資質〉
社会のあらゆる面で情報との関わりが深くなっていくこれからの時代にあっては、必要な知識や情報を常に更新し柔軟に対応していくことが求められる。基礎的な知識や技術を基盤としつつも、過去に蓄積された知識や情報のみに頼るのではなく、その時々の状況を捉える情報を的確に入手し、総合的に考察、判断する力を持つことが重要となってくる。さらに、主体的に情報を収集・分析し、入手した知識・情報に基づき更に価値ある新しいものを生み出す創造性が、これからの時代を生き抜く子どもたちに求められている。
〈情報活用能力育成に向けての動き〉
子どもたちがこのような創造性を養う上では、溢れる情報の中から必要な情報を主体的に選択・活用できるようにしたり、情報の発信・受信の基本的ルールを身に付けたり、情報化の影響などについての理解を深めたりする情報活用能力の育成が不可欠である。この能力は、これからの社会において読み、書き、算に並ぶものであり、子どもたちが「確かな学力」を自ら築いていく上での基盤として、欠くべからざる要素となるものである。
学校教育において子どもたちの情報活用能力を育成すべきとの認識は既に定着したものとなっており、中・高等学校の情報に関する教科、内容の必修化とともに、小・中・高等学校の各段階を通じて、各教科等において、コンピュータやインターネットの積極的な活用を図っていくことが今回の学習指導要領において明記されている。この学習指導要領は本年4月から順次実施されており、これまでも、学習指導要領の解説書の刊行や教育課程説明会の開催などを通じて、その取組の推進が図られてきた。とりわけ、本年6月に刊行された指導資料「情報教育の実践と学校の情報化」
〈ITで築く確かな学力〉
他方、我が国が高度情報通信ネットワーク社会へと大きく変貌を遂げつつある中にあって、学校における環境整備も着実な進展を見せている。先行的に進められてきたコンピュータ教室の整備に加え、最近では普通教室にもIT関連機器が急速に普及し始め、インターネット接続の高速化と合わせ、ITが学校教育において果たし得る可能性は格段に高まっている。
子どもたちに「確かな学力」を育む場としての学校において、ITの効果的な活用は様々な新しい可能性を秘めており、我々はその可能性を追及する必要がある。各教科の指導を行う教員を始めとして学校教育の関係者は、学習指導要領のねらいの効果的な達成のためのIT活用に積極的に関与していくことが求められている。
(以下略)
これまでは児童・生徒の「情報リテラシーの習得」に重きを置いてきたが、ここでは教師が「確かな学力」の向上のためにITを活用すること求めている。
これに加えて、岐阜大学教育学部附属小中学校で実践されている「PCはコミュニケーションツール」という考え方も支持したい。
ITの利用
従来は・・・ 情報リテラシーの習得
↓
これからは・・・確かな学力・コミュニケーション能力の育成
|
また、IT戦略本部から出された「e−Japanプログラム2002」には次のような方針が出された。
1 学校のインターネット接続のADSLや光ファイバー等への切り替え推進
2 多様な教育用コンテンツの充実・普及及び教育用ポータルサイトの充実等の体
制整備
3 教員のIT指導力の一層の向上 |
大口町サイバータウン&スクールネット委員会では、以上の状況をふまえ、「ITで築く学力とコミュニケーション能力」とそのためのインフラ整備について、次の8つの基本的な考え方を提案したい。
A 学校の情報化により地域の情報化を促し、学校・家庭・地域の連携や開かれた 学校の促進を図る。 |
地域の情報化を図るためには、学校の情報化を図るのが早道である。さらに言えば、学校を拠点として、地域のIT化を促進すべきである。
学校からの情報が連日のように送られれば、大口町の家庭のインタ−ネット接続率は飛躍的に向上すると予想される。これは、開かれた学校づくりにも大きな役割を果たし、学校と家庭の信頼関係の向上につなげることができる。
さらに、児童・生徒による地区のお年よりとのメール交流、ボランティア募集など、ITが媒介となって地域とつながる方法は多い。
また、学校のコンピュータ室は地域への開放を前提にし、地域情報化を促進するセンターにしたいものである。学校を会場とするIT教室を開催し、地域からボランティア講師を養成したい。
B ITを教科指導の充実のために用いて、確かな学力の向上を図る。 |
今年4月より実施されている学習指導要領では、基礎・基本を確実に身に付けさせ、それをもとに、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育成することを基本的なねらいとしている。このねらいの実現のためには、知識や技能だけでなく、学ぶ意欲、思考力、判断力、表現力、情報活用能力までを含めた「確かな学力」を育むことが重要であり、この「確かな学力」の向上は「心の教育」と並び今日の学校教育における大きな、課題となっている。
ITは、各教科の授業における指導の充実のために用いられるものであり、このことはITの活用を広め定着させていくための鍵となる。
実際、パソコンを使った授業は、子どもの意欲を高め、理解を促進させている。これまでのように週1回のPC教室の使用だけでなく、教室に設置し、必要な時にはいつでも使えるようにしたい。そのためには、小型のプロジェクターやTVに映すコンバータも必要であろう。
C ITを活用して、コミュニケーションの充実を図る。 |
ITの機能のなかでも、電子メールや電子掲示板、チャット、ライブカメラなどは、コミュニケーションツールとして使える。
教師と児童・生徒間はもちろん直接コミュニケーションするのが望ましい。しかし、現実には、担任に直接言えない悩みでもメールなら言うことができる子がいる。不登校の生徒とメールの交換を続けた例、生徒向けの学級通信をメールで発信する例も数多くあり、教師と児童・生徒間のコミュニケーションの助けになる。
教師間でも同様である。毎日の学校生活は教室と職員室の往復で、1日に一度も言葉を交わさない職員の方が多いのが現実である。教師間で電子掲示板を活用している学校では、情報はすぐに全員に伝わり、会議の前に提案に対する検討がネット上で行われ、掲示板での内容をきっかけに、休み時間の職員室の話題になっている。ネットで行われた提案がきっかけで、教師間のコミュニケーションの増加につながっているのである。
また、生徒間の掲示板は、生徒会活動などの特別活動に効果を発揮する。
授業では、1人が1台に向かい続けるのではなく、1台を囲みながら議論するような使い方を考えていきたい。
D 校務の情報化により能率化を図り、それにより生み出された時間を児童・生 徒とのふれ合いに使えるようにする。 |
教師には雑務が多い。出席簿・給食実施簿・週案などの帳簿や復命書などの書類や学級通信の作成をネット上で行うことで、かなりの仕事の効率化になる。また、印刷・製本などの時間も不要になり、書類が減り、紙資源と経費の節約にもなる。
これにより生み出された時間は、児童・生徒とのふれ合いの時間に費やすことが可能であり、また、そうすべきであろう。
併せてPCを使用した学校事務の合理化も研究したい。
E 個人情報の保護など、セキュリティに万全を尽くす。 |
学校の個人情報は、かつてのように個人のミスで流出するのではなく、悪意ある第三者により意図的にねらわれるようになってきた。学校のパソコンは、氏名・生年月日・住所・電話番号などの基本情報に加えて、健康診断結果、成績などの情報も記録されている。情報の流出や、それをもとにした脅迫などに会うとたいへんなことになる。そのために、セキュリティには多少費用がかかろうとも万全を期したい。また、教育現場として、有害情報のフィルタリングも重視したい。
F 導入したがあまり使われなかったLL教室やアナライザーの二の舞にはしないよう、日常的な活用を図る。 |
ミレニアムプロジェクトのための設備には高額の費用が必要である。これまでの単体と違い、校内LANの整備には、セキュリティという避けられない壁があるからである。
近隣の市町でも、ミレニアムプロジェクトのために、中学校2校で1億5千万円の費用がかかったと聞いている。
かつて、多額の税金を費やし整備したものにLL教室やアナライザーのシステムがあったが、ほとんど有効に使われずに終わってしまった。今回の整備をその二の舞にしてはならない。
そのために次の点が重要である。
○ 教師、児童・生徒の日常生活の中にITを組み込み、便利さを実感させるとともに、 使わざるを得ないような環境にする。さらに、家庭・地域でも学校の情報を取り出せるように活用の幅を拡げる。
○ 当初はモデル校を設置し、専門家や企業のバックアップ、地域や家庭の協力を得ながら有効な利用法の検討をし、また、校務支援ソフトも大口町に合ったものにカスタ マイズする。
導入1年半後をめどに、町内で発表する機会をつくり他校に拡げたい。
○ 町内の教員間にITの有効利用を研究する組織をつくる。
○ 各学校に、学校と地域の情報化を促進する住民参加の組織をつくる。
○ 学校間、町教委と学校間の情報化を図る。
G 環境や人権・福祉、国際理解の学習など、現代的な課題に対応する。 |
Web上の教育用コンテンツは急激に増えている。中でも、環境や人権・福祉、国際理解、食農教育、起業、健康といった現代的な課題についてのものが多く、最新の資料が不足しがちな現場にとって大きな力になっている。
Web上には、そういった現代的な課題に即応したサイトが数多くあり、書籍資料を上回る有効性がある。またそれらの課題を研究する機関も多く、学校と研究機関がITを使って連携することも可能である。
最後に、最も基本的な目標である「児童・生徒の情報活用能力の育成」をあげたい。
初等中等教育における情報教育では、「情報活用能力」の育成を目標としている。「情
報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者
会議」において分類された「情報活用能力」は次の3要素から構成されている。
@ 情報活用の実践力
課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力
A 情報の科学的な理解
情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、自らの情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解
B 情報社会に参画する態度
社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、
情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度
これらを、発達段階に応じて小・中を見通した9年間の目標を立てて、適切に指導していくことが求められる。
U IT活用の実際
A 地域の情報化と開かれた学校のために
1 学校からの情報発信
岐阜大学教育学部付属小中学校では家庭のインターネット普及率が96%を超えた。これまで数日遅れで配布していた学級通信・学年通信をメールの速報に代え、学校生活の様子を毎日インターネットで流し、明日の持ち物等の連絡は児童・生徒の係が入力し、家庭でその情報を得ている。
家庭にITがなくてはならない状況に追い込んでいると言えるが、学校が地域の情報化の中心になっているのは明白である。
また、小牧市立小牧中学校では地域と連携(「マキネット」とよばれている)して情報を発信している。小牧中のHPにある「注文ボランティア」は、地域の人が生徒に対してボランティアを依頼するものである。また、「ネットワークボランティア」は、地域の人による相談の窓口で、デザイン、パソコン、スポーツなど、それぞれの得意なことを紹介し、生徒からの相談をメールで受け付けている。また、小牧中のページの多くは誰でも見ることのできるページが多く、広く情報を発信しようと言う意思が明確である。
これからの学校は、開かれた学校にするために、日常的に使われている(更新されている)ホームページの設置が最低限必要な条件となろう。そのために、将来的にはHPを主に担当する非常勤職員の設置も検討するべきであろう。
2 住民のリテラシーの向上
地域の情報化のためには、地域住民のリテラシー向上の機会が必要である。その役割を学校がになうことが期待される。
平成14年度に行われた生涯学習課主催のパソコン講座は、2期目も募集定員がすぐに埋まってしまい、講座の需要の高さを物語っている。学校でパソコン講習会の開催をする際には、地域住民からボランティア講師を募集し、アシスタントとして中学生が手伝うことも考えられる。
ただし、ソフトの購入に際しては、一般の使用を考慮して、スクールアグリーメント契約でない方がよい。
3 地域インフラの整備
学校と地域の情報化を考える際に考慮すべきは、IT環境がない家庭の児童・生徒のことである。情報格差が児童・生徒の不利にならないように配慮しなければならない。
そのためには、たとえば地区の公民館分館に常時使えるPCを設置するなどの地域インフラの整備が求められる。
町には、毎月の広報以外にも「まちの財布」「ライフ大口」など多くの費用をかけて印刷物を配布している。地域インフラが整うと、こうしたものは発行する必要がなくなり、経費の削減にもなる。
公民館分館の開放には難しい点もあろうが、住民の生涯学習の進展のためにもぜひとも実現してほしいものである。
B 確かな学力の育成のために
前述の「ITで築く確かな学力」には、−第1章 確かな学力とIT−の中で、次のように述べている。その見出しから概略を示したい。
1.基礎・基本の確実な習得
○ 抽象的な概念や思考過程を視覚的に示すことにより、イメージを抱かせる授業を
実現し、子どもたちのつまずきを克服する
○ 一人一人の理解度等に応じた双方向的できめ細かなプログラムにより、基礎・基
本の確実な定着を実現する
○ データ分析など時間のかかる作業を簡単かつ効率的に行うことにより、結果に基
づいて子どもに考察させる授業を実現する
2.子ども一人一人の力の伸長
○ 一人一人の個性や能力等に応じたプログラムやインターネットの活用により、個
に応じた主体的、多様な学習を実現する
○ 遠くにいる様々な専門家との連携・協力による指導を通じ、魅力ある発展的な学
習を実現する
3.学ぶ楽しさの実感と自ら学ぶ意欲の向上
○ 実際に目にし難い内容を実物のように示すことにより、動きのある授業を実現し
学ぶ意欲を引き出す
○ 生きた豊富な情報を活用することにより、受け身にならず、学ぶ楽しさを実感で
きる主体的な学習を実現する
4.思考力、判断力、表現力の育成
○ 相手や目的に応じた多様な表現手段を用い、論理的な思考力や実践的な表現力を
高める
○ 学級や学校の枠を越えた共有・交流を通じ、他と学びあいながら、多様なものの
考え方を知り、自らの考察を深める
5.学び方、問題解決能力の育成
○ ITの適切な活用を通じ、情報を適切に活用するために必要な理論や方法を身に
付け、情報を主体的に選択・活用・発信できる力を身に付ける
6.創意工夫を生かした質の高い授業づくり
○ 子どもの興味・関心などを引き出し学習理解を深める魅力的な教材づくりにより
創意工夫を生かした授業を実現する
○ 学校の枠を越えた教員間のコミュニケーション、情報の共有を通じ、教員間の連
携を深め、よりよい授業づくりのヒントを得、より質の高い授業を実現する
○ 蓄積・共有された教材を効率的に活用でき、魅力ある授業を実現するとともに、
子どもと触れ合う時間を確保する
7.障害のある子どもの障害に基づく種々の困難の改善・克服と、社会とのコミュ
ニケーションの拡大
|
「ITで築く確かな学力」には各教科別のPC利用法など紹介されているので、各学校で教科ごとに有効利用に取り組みたい。
C コミュニケーションの充実
岐阜大学教育学部附属中学校の井上副校長は、「コンピュータはコミュニケーションツール」と断言する。
「学校は共に学ぶためにあり、コンピュータ1台に1人が向かうことはできるだけ避けたい。1台のコンピュータを取り囲んでわいわい言いながら操作するのが学校の自然な姿だ。家でできることは家でやってほしい。」
井上先生は、職員室へ生徒が教師を訪ねてくると、教師が生徒をソファに案内し、同じ目線で話させている。フェイス・トゥ・フェイスを基本とする井上先生らしい配慮である。
職員の朝の打合せ、帰りの打合せもほとんどない。会議もたいへん少ない。教師は、子どものために、子どもとふれあうために時間を使っている。
そうした考えに立つとき、ITを使う目的は明確化できる。一例を示す。
教師の視点
校務の効率化 → 時間を生み出し、児童・生徒とのコミュニケーションに使う。
教師の情報発信 → 教師間・教師と児童生徒間のコミュニケーションの充実
児童・生徒の視点
連絡帳の記入などの短縮 → 合唱練習など、クラスの一体感を高めるために使う。
出席黒板などの省略 → 休み時間の確保
|
現在導入を考えているADSLなら「テレビ会議システム」も可能である。学校間交流、国際交流、遠隔授業と利用の機会は豊富に考えられる。
以下のページが参考になる。
●実際に授業で使った経験を発信『先生のための初歩からのテレビ会議の部屋』
中江義麿さんのサイトにある。テレビ電話を実際に授業で使った経験をベースに、写真等を用いて詳細情報を提供しているので、これからテレビ会議を始めようとする人にとってありがたい。
必要な機器の解説、使い方の紹介だけでなく、テレビ会議を使った授業の様子や留意点、コツなども詳しく掲載されている。
●最新の情報も手に入る『テレビ会議入門』
テレビ会議システムのサービス会社TVTジャパン(株)のページ。テレビ会議システムの最新の情報が入手できる。パソコンタイプ、電話機タイプ、Webミーティング、MPEG製品など種類別の特徴や仕組みを解説している。ADSLやBフレッツなどインターネットを使用してTV会議の通信を行う場合の特徴や注意事項も書かれている。
もかなり充実したものなので、わからない言葉があった場合などの利用に便利。
ただ、企業、自治体などがユーザー対象となっているので、学校現場ですぐには利用できないかもしれない。
似たような企業サイトに、SONYの『テレビ会議とは?』
太田剛さんのページです。テレビ会議システムの仕組みと使い方を説明しているのは、[教師のための「使ってみようマルチメディア・データ会議」]。基礎編は図解入りで詳しく説明されている。インターネットやLANを利用した場合についても掲載されている。
博物館と学校をテレビ会議システムを利用して、双方向で交信する新しい授業システムであるネットワーク授業を紹介するページ。
[先生のページ]では、テレビ電話 Phoenixを用いたネットワーク授業について紹介してあり、授業の様子もある。
遠隔学習の授業実践については、富山遠隔学習研究会の『遠隔学習授業実践紹介』
ブロードバンドを利用したIPビデオフォン「i・See」は、NTT-MEの
●多くの交流学習の実践の様子を紹介する『深谷市立深谷西小学校』
深谷西小学校のページ。[全国西小ワールド]のところにある[『全国の交流校』や『テレビ会議等での交流の様子』も紹介]の文字リンクをクリック。テレビ会議システムを使った授業実践が掲載されている。
なお、インターネットテレビ会議ソフトを利用する場合は、次のようなサイトがある。
●『インターネットテレビ会議ソフト「iVisit」』
●『ネットワークテレビ会議ソフト「LiM-Free」』
D 校務の情報化
学校の情報化は、学校経営上の課題である。校長・教頭はじめ、全職員で取り組まなければ学校の情報化は成し得ない。情報化に対応した教育の重要性を理解し、情報化を通して学校をどのようにしていくかという明確な理念をもつことが大切になる。
校務の情報化は能率化につながるが、それは教師を楽にするためではない。そこで得たゆとりを、よりよい教育活動に向けて有効に使うためであることを共通理解しなければならない。
校務の情報化のためには、日常的に行っている諸帳簿への記入などを拾い上げ、それぞれについて次の点を吟味する必要がある。
1 何をどこまで情報化するか。
2 それによりどこまでコストが削減できるか。
3 情報の一元化がなされているか。
4 全職員が共通の情報を得ているか。
ここでは、職員専用のネットとして、「EDUCOMマネージャー」を薦めたい。
EDUCOMマネージャーの機能
○ 全員への連絡掲示板:他の職員への連絡、呼びかけ
○ 予定 : その日の行事や出張、提出文書、当番、休暇がわかる
○ 日課 : その日の時間割等
○ 施設利用表 : 特別教室の利用状況がわかる
○ アンケート : 他の職員に聞きたいことを答えてもらう
その他、受理文書、出席簿、保健室利用、データ出力等
大口町内の学校に合ったカスタマイズが可能である。 |
E セキュリティのシステム
これまでの単体と違い、校内LANの整備には、セキュリティという壁がある。ここでは、LAN、メインテナンス、フィルタリング、イントラネットについて考えたい。
1 LANの敷設
普通教室をはじめ校内のさまざまな教室等から、校内・校外の情報などを利用した学習をするためには、学校全体に校内LAN環境を整備することが不可欠となる。また、学校の情報化に伴い保健室、職員室、進路指導室等のコンピュータも情報通信ネットワークに接続できるようにする必要がある。情報通信ネットワークへの接続については、その利用目的・形態から、電波や赤外線を使った無線LAN、校舎外やフィールドワークで活用する携帯端末の活用等、今後更に開発が進む新しい技術も積極的に取り入れることも求められている。情報通信ネットワーク上の情報も、画像、音声、動画など情報量の多いコンテンツが今後さらに増加していくと考えられるため、授業等で活用する情報量に対応できる高速・大容量の通信回線の接続であることが必要である。
そこで、大口町では、将来の光通信化を想定して、光通信と互換性の大きなADSL
をベースに、校内もできるだけ光ケーブルを基本に考えたい。
2 メインテナンス
校内のネットワークを円滑に運用するには、校内サーバを日常的に管理し、全ての教員が簡単に安心して活用できる環境作りが必要である。しかし、コンピュータ教室、各普通教室、特別教室、職員室等校内の多くのコンピュータが接続するネットワークの管理は、専門的な知識や技能がある程度必要であり、教師が授業と同時に行うことは困難であるため、次に示すような人的環境づくりが必要となる。
@ 校内ネットワーク、サーバなどの導入時に適切に保守契約を結び、専門業者によるサ ポートを受けられる体制を整える
A ネットワークや校内サーバの設定等を行う専門の人材を教育委員会が必要に応じて派 遣する体制を準備する
B 急なトラブルに対して、電話、ファックス、電子メール等で対応できるヘルプデスク を設置する
また、校内には、校長や情報化推進リーダーを中心に以下のような対応が必要となる。
@ ネットワーク安全管理のガイドラインの中に、サーバに蓄積・保存するデータの種類 や内容に応じた管理方法や、データのセキュリティも含めてルールを作成する
A サーバに保存したデータは機器の故障で失われたり、誤って削除されたりすることも あるため、定期的にバックアップを行う
B 不要なデータが多くなったり、守秘の必要なデータが迷子になってしまわないように、 学期末や学年末などに各校務分掌等によるデータ整理を実施する
3 フィルタリング
インターネット上には教育に役立つ実に豊富な情報がある反面、わいせつな画像や暴力的な画像などの違法・有害情報「出会い系サイト」や取引上のトラブル、不正アク、セス、コンピュータウィルス、個人情報の流出、著作権の侵害、迷惑メールなどの問題がある。こうしたいわゆる情報化の「影」の部分によって「光」の部分までも奪われないよう、情報モラルを育成し、子どもたちにしっかりした心構えを持たせるとともに、フィルタリングやセキュリティなどの対応により安心して活用できる環境をつくり、こうした問題から子どもたちを守ることが重要である。
フィルタリングシステムは絶えず更新を要するなど、学校が単独でシステムの維持管理を行うことは極めて困難である。このため、例えば町の情報センター(公共施設、拠点校など)で集中的に管理を行う教育用のイントラネットを構築することが効率的であり、このような整備の推進を図ることが求められる。
しかし、技術的な対応だけでは全てが解決できるものではない。学校におけるセキュ
リティポリシー、コンピュータの運用・管理、インターネットの利用、Webページの
作成などに関する規程やガイドラインを早急に整備していく必要がある。
さらに、著作権に対する正しい認識や個人情報の保護などの情報モラルの育成に関す
る指導は、小学校段階から、授業で子どもがITを用いる場面に即して適切に行われる
べきである。これに関しては、これまでも各種の指導資料の作成がなされているが、教
員研修の中で、さらに積極的に取り組まれることを求めたい。
4 校内のセキュリティ
校内で取り扱う情報のうち、外部からはもちろん、児童・生徒にも見られてはいけない情報もある。そこで、教師用の専用サーバを置き、完全に外部と遮断した形のイントラを構築したい。それが何よりのセキュリティである。
F 常時活用するために
ITを常時活用するために、次の点に取り組みたい。
1 教師、児童・生徒の日常生活の中にITを組み込む
日常の事務作業の中にITを組み込み、使わざるを得ない環境をつくれば、自然と リテラシーが向上し、授業の中でもITが使われるようになるであろう。
日常生活の中の場面とは例えば次のものが考えられる。
|
教 師 |
|
職員会議等の起案:すべてパソコンで作成し事前に全職員に見ておいてもらう。
それをメールで起案し、メールで回す。
そのままファイルで保存し、いつでも見ることができるようにし ておく。
職員会議の提案 :パワーポイントで提案。協議する点を絞って、顔を付き合わせて 行う。
週案等の書類 :できるだけネット上でできるように改良する
成績累積簿 :絶対評価に即したものにする。転記ミスがなくなる。
通知表 :学校独自のものに改良が可能
出張等事務的書類:フォームに入力しプリントするか、電子決済も考えたい。
健康診断簿 :保健関係のソフトと直結させたい。
|
|
児 童・生 徒 |
|
出席黒板の記入 :教室から入力すると、サーバで一元化される。
健康観察 :結果が担任と養護教諭にすぐに把握できるようにしたい。
明日の持ち物 :パソコンに記入。Web上で家からでも見られるようにする。
部活・委員会の連絡:朝の会で係が読み上げる
|
併せて、学校事務の情報化も進めていきたい。
2 モデル校を設置し有効な利用法を検討する
小中学校の各1校のモデル校を学校からの希望により設置し、町をあげて学校と地 区の情報化を推進する。
その時には次のようにしたい。
・ 情報教育の専門家、または専門機関、関連企業の協力を得る。
・ 先進校と連携し、協力を得る。
・ 地域の情報化のために、地域の組織とも連携する。
・ 地域住民を対象にパソコン講座等を開催する。
・ 2年目に町内を対象に発表会を開催する。
以上の点について、予算も含めて配慮したい。
また、図書館の情報化についても、モデル校形式の実施を検討したい。
3 町内の教員間にITの有効利用を研究する組織をつくる
平成17年度までに、すべての教員がPCを使って授業ができるように求められて いる。そのための研究推進となる担当者の会を、モデル校を会場に定期的に実施する。
4 各学校に、学校と地域の情報化を促進する住民参加の組織をつくる
学校と地域の情報化を促進する会議を各校区に設置する。
初めはモデル校に、地域の詳しい人を集め、研究者の助言を得ながら進めていく。
また、行政(情報化・学校教育課等)とも連携を図る。
5 学校間、町教委と学校間の情報化を図る
サイバータウンの学校として、学校間の連絡、学校と町教委の連絡はできる限り情 報化を図る。また、担当者間メーリングリストをつくり、情報交換を密にする。
G 現代的課題のために
日々変わりつつある現代的課題こそ、インターネットの得意分野である。
総合的な学習で例示された国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題をはじめ、食と農、命と健康、メディアリテラシー、起業など、ネット上には様々な情報が提供されている。
たとえば国際理解教育のために用意されたサイトには次のものがある。
●海外の日本人学校情報が入手できる『CLARINET』
文部科学省のサイト内にある「海外子女教育・帰国児童生徒教育等ホームページ」。どこにどんな日本人学校、補習授業校、私立在外教育施設があるか調べることができるのが[連絡先一覧]。住所、メールアドレス、ホームページアドレスがわかる。それぞれの学校のHPでは、子どもたちの目から見た生活の様子、日本との文化的な違いなどの現地紹介が報告されている。
赤堀侃司先生の研究室内にある『日本人学校プロジェクト』
にも、日本人学校・補習授業校の持つWebホームページ一覧がある。
●国際交流のヒントがある『インターネットでつながる日本人学校』
日本教育工学振興会(JAPET)のサイト内にあるページ。「日本人学校等のインターネット利用による共同実践研究推進委員会(平成11年度)」の報告書がPDFファイルで提供されている。さまざまなプロジェクトの取り組みの様子、交流方法が紹介されているので、海外と交流したいと考えている学校には参考となる資料である。[交流で使うマルチメディア徹底ガイド]などもある。
●自動翻訳掲示板がある!国際交流学習を支援する組織『JEARN』
JEARNは、「インターネットをはじめとするテレコミュニケーション手段を最大限に活用することにより国際間交流学習を成功させている」国際的教育NPO iEARNの日本組織のようである。紹介文に「過去に積み上げられた国際間交流の経験、ノウハウ、人的資源に、ICTを活用した新しい仕組みを取り入れ、「国際交流のハードルを超えて、子どもたちを世界へ」つなぐ学校や先生を、地域のボランテイアと共に支援する日本で初めての本格的なグローバルプロジェクトを推進しています」とある。
[国際交流学習メニュ-]では、国際プロジェクトへの参加申し込みや国際交流の相手校を探すことができ、プロジェクトには日本語の紹介ページも完備している。テレビ会議への参加を申し込めば、コーディネータが対応してくれるようである。[テレクラス(テレビ会議)]では、ガイドブックや実践記録、時差表なども用意してあり、どんなことを話題にしたらいいかも紹介されているので参考になる。掲示板やチャットに書き込んだ内容が自動翻訳される[自動翻訳BBS・チャット]はすごい。
町内の教員でML(メーリングリスト)を組織し、こうした情報を互いに教え合いたい。
H 児童・生徒のコンピュータ・リテラシーを育成する
学習活動を通してどのような能力を身につけさせていけばよいのかを明らかにするには、情報教育の3つのねらいをより具体的な形で示す必要がある。このような観点から、情報教育の目標をさらに詳しく整理すると次の7つのカテゴリーに分けることができる。
■ア:情報活用の実践力
(1)情報の表現とコミュニケーション
(2)課題解決における主体的な情報活用(収集・表現・創造・発信・交流)
(3)情報手段(情報メディア、コンピュータ、ネットワーク)の適切な利用
■イ:情報の科学的な理解
(4)情報手段の仕組みや特性の理解
(5)情報処理や情報技術、人間の情報認識に関する基礎的な理論と方法
■ウ:情報社会に参画する態度
(6)情報に対する態度
(7)情報モラル・情報発信の責任
ここで示すように、情報教育のねらいには、情報に関する「知識・理解」の部分と、具体的な体験を通して徐々に身についていく「実践力」や「態度」の部分との、2つの異なったタイプの能力の育成が組み合わされている。このうち、知識・理解の部分は、関連する教科(中学校の技術・家庭科「情報とコンピュータ」や高校の普通教科「情報」における情報A・情報B・情報C)の中で具体的な指導内容や時間数が明示されているので、具体的な教科書の中で展開されることになる。
しかし、実践力や態度の育成は、主として総合的な学習の時間などで、クロスカリキュラムとして展開されるので、学習指導要領には、学年ごとの学習内容や時間数などが明示されるわけではない。したがって、実践のためには、その目標の構造、学習課題との関連、評価の方法などをあらかじめ検討し、計画的に授業が展開できるように考えておかなければならない。また、情報に対する態度や情報モラルに関する内容などは、早期の教育が求められており、日常モラルとの関連で身につくように指導していかなければならない。さらに、学習の成果を明らかにするためには、評価の視点も明確にし、目標を他の教科や発達の段階に配慮しながら、学年レベルにおろして検討し、具体的なリストとして整理しておく必要がある。
ここでは、火曜の会による目標リストを引用したい。
情報教育の目標リスト
ア:情報活用の実践力
1.<情報の表現およびコミュニケーション>>
【a:表現】
LEVEL 1 自分の気持ちや言いたいことを、表現できる
・自分の言いたいことを考えながら表現する
・自分の言いたいことの要点を言える
LEVEL 2 伝える内容を意識し、工夫をしながら表現する
・要点を考えて表すことができる
・見たことや読んだことを、整理して話す
・情報には送り手と受け手があることに気づく
LEVEL 3 さまざまな情報手段を活用して、効果的に表現する
・集めた情報を元に新しい情報を作り出すことができる
・自分の考えを組み立てながら、適切な情報を選ぶことができる
・相手に効果的に伝わるように、順序を整えて表すことができる
・相手に伝えるために、メディアを使って効果的に資料を作成する
・相手の意見を理解して質疑応答ができる
・伝えたいことに応じて表現の仕方を工夫する
・他の人にわかりやすい表現方法を知る
・構造的に表すことができる
【b:メディアによるコミュニケーション】
LEVEL 2 メディアを活用して情報を交流する
・テレビ会議や電子掲示板等を利用して交流する
LEVEL 3 メディアを活用して情報を交流する
・電子メールを利用して他校と交流する
・テレビ会議や電子掲示板等を利用して意見の交換を行う
・共通の話題についてメディアを利用して交流する
・共通の話題について複数のメディアから選択して交流をする
<課題解決における情報活用>
【c:問題の発見と計画】
LEVEL 2 自ら課題を選び計画を立てることができる
・集めた情報の共通点や相違点から、課題を見つける
・得た情報から新たな課題を見つける
・自分の身近な事象に関連付けて課題を考える
・見通しを持って、調べる
LEVEL 3 自ら課題を見つけ、見通しを持って活動することができる
・課題解決に必要な情報かどうか適切に判断する
・自分の意見を正確に相手に伝える
・自分の考えや活動計画の要点をわかりやすくまとめる
LEVEL 4 自分の学習活動を振り返りながら、計画・実施・評価ができる
【d:情報の収集】
LEVEL 2 身近なところからさまざまなメディアを使って情報を集める
・身近な人からインタビューをして情報を集める
・いろいろな機器を活用して、情報を集める
・ネットワーク上に発信された情報を集める
・印刷物・放送・ビデオなどのメディアから情報を集める
・自分の調べていることについて、他の人に意見を求める
・相手に伝えるために、主体的に質問を聞き、調べる
LEVEL 3 課題解決に必要な情報を、情報手段を活用して収集する
・目的を考え、情報を選択して集める
・身近なことがらから課題を見つけ、課題解決のための情報を収集する
・他の情報と比較しながら必要な情報を得る
・情報の活用方法を考えながら、情報収集する
【e:整理・分析・判断】
LEVEL 2 集めた情報を比べたり、まとめたりできる
・話し合って意見をまとめる
・相手に伝えたいことを、絵図や資料にまとめる
・相手に伝えたいことを、情報を整理して文章にまとめる
・相手に伝えるために、資料を作成する
・集めた情報について話し合い、新しい関係を見つける
・集めた情報の共通点や相違点を話し合い分類する
LEVEL 3
・ 集めた情報を分析し、傾向や規則性を見つける
・ 課題解決に必要な不足情報に気づき、さらに情報を収集・整理する
・ 集めた情報の特性に応じて適切な表やグラフにまとめる
・ 伝えたいことを、電子情報としてまとめる
・ 集めた情報を活用しやすいように整理する
LEVEL 4 情報手段を活用して、整理・分析・判断する
・ コンピュータやメディアを利用して情報を整理する
・ コンピュータにデータを入力して分析する
・ 分析した情報に基づいて、的確に判断する
【f:発信・伝達】
LEVEL 2 まとめたことを、人に伝える
・まとめたことをみんなの前で話す
・相手に伝えるために、絵図や資料を見せながら話す
LEVEL 3 伝えたいことを明確にして、相手にわかりやすく伝える
・伝えたいことを明確にして、プレゼンテーションを行う
・情報をネットワーク上に発信する
・自分の考えをはっきりさせて、正確に伝える
・順序を考えて、相手にわかりやすく整理して発信する
・メディアを使って、情報・意見を適切に伝える
・事実に基づいた情報を発信する
LEVEL 4 聞き手の立場にたち、メディアを有効に活用し、筋道を立て伝える
・相手を説得するために話の順序を考える
・章立てて(起承転結を考えて)発表する
・相手を意識し、推敲を繰り返して発信する
<情報手段の適切な利用>
【g:情報手段の適切な利用】
LEVEL 1 身の回りの情報手段に慣れ親しむ
・身の回りのメディアを情報収集に使う
・使いたいメディアのよさを感じ取ることができる
・写真や絵図、ビデオにテキストを加える
LEVEL 2 いろいろな情報手段の特性の違いに気づく
・表現したい事物を効果的に写真やビデオに撮影する
・提示装置やプレゼン用ソフトを適切に利用して表現する
・情報機器をつかって、絵や音楽をつくる
・自分の考えを、わかりやすく伝えるメディアを選ぶ
・身近にあるメディアの種類や違いに気づく
・情報はディジタル化すると、加工しやすいことがわかる
LEVEL 3 目的に応じて、情報手段を使い分けることができる
・メディアにはそれぞれに長所と短所があることを知る
・文字や画像や音声を、編集する
・適切なメディアを選択して情報発信する
・意見交換の場面でテレビ会議を利用する
・目的を達成するために、どんなメディアが使えるかを考える
・文章をタッチタイピング出入力する
・文字(ワープロ)や画像や音声などを適切な表現方法を選択する
LEVEL 4 状況に応じて情報手段を複合的に活用する
・多種多様なメディアを場面に応じて効果的に組合せる
・電子報告書を作成する
ウ:情報化社会に参画する態度
6<情報に対する態度>
【m:情報に対する態度】
LEVEL 2 情報の大切さを意識する
・情報の大切さに気づく
・情報は人に影響を与えるということに、気づく
・情報を選択した根拠を説明できる
・自分の考えと違う意見があることに気づく
・他の人の発信した情報の良いところを見つける
・情報には、正しいものと誤ったものがあることを知る
LEVEL 3 情報と主体的にかかわろうとする
・発信された情報が人に与える影響を理解し、行動する
・正しく伝えられたのか振り返り、修正できる
・他の人の情報をもとに、自分の情報を改善できる
・結果と意見を区別できる
・社会の常識の中には、自分の考えと違うものもあることに気づく
・受けとった情報が正しい情報かどうかを、意識できる
・情報には、発信側の意図が含まれていることに気づく
LEVEL 4 情報を批判的に活用できる
・情報の真偽を判断し、適切に行動することができる
・課題について調べた情報を根拠にして討論を行う
・自分の行った活動を振り返り、問題点と理由を指摘できる
・自分の発信した情報の影響を評価し、必要な改善を行う
・統計情報の持つ意味を推測する
・結論を導いた根拠を示す
・自分の意見の独創性(オリジナリティ)を意識する
・情報の適切さについて批判的に判断できる
・他者が発信した意見や自己の意見を客観的に評価する
7. <情報モラル>
【n:情報モラル】
LEVEL 2 情報モラルの大切さを知る
・個人情報の大切さを知る
・他人の情報を大切にする
・相手を考えた言葉遣いで情報交換することができる
・相手の気持ちを考えて自分の意見を表現する
・情報提供者にお礼の気持ちをもつ
LEVEL 3 情報モラルの大切さを受け止め、主体的に行動できる
・ネットワークを利用する場合のルールやマナーを身につける
・自分の発信した情報に責任を持つ
・相手の状況を踏まえて、情報を発信する
・個人情報の保護に配慮して情報発信することができる
・人権に配慮して情報発信をすることができる
・知的所有権を尊重する
・情報の中にはモラルに反するものがあることを知り、適切な行動ができる
LEVEL 4 関連する社会的なルールやマナーを理解した行動をとることができる
・知的所有権を理解して情報収集をする
・モラルに反する情報に対し、批判的な対応ができる
・ネットワーク上に発信した自分の情報に責任を持つ
|
こうして情報教育を進める一方では、指導する側が情報化の影の部分を十分認識しておく必要がある。情報機器等の技術が進歩すればするほど増加する間接体験・疑似体験と実体験との混同、人間関係の希薄化や真の生活体験・自然体験の不足等、子供たちの心身の健康に様々な影響を与えることなどの懸念が、問題点として指摘されている。これに対しては、PC等を通じた体験はあくまで間接体験や疑似体験であり、実際の社会体験・自然体験などの直接体験こそが大切であるため、学校教育における体験活動を充実し、豊かな人間性や社会性の育成に努めることが重要である。また、直接体験と間接体験、事実と解釈、切り取られたり加工された情報と生の情報を見分ける感覚の育成が大切であり、また、人間が主体的に機械を活用するという視点を見失うことのないようにすることも極めて重要である。
あくまでもPCはコミュニケーション・ツールであることを忘れてはならない。
V ハードの整備にあたって
1 整備計画概要
町内の学校の整備は、次のように要望したい。
|
平成15年度整備 |
平成16年度整備 |
平成17年度整備 |
小
学 校
|
○ ISDNからADSLに転換 するための環境整備・サー バ設置(要 契約変更)
○ 校舎内LAN工事
○ 教師用校務支援・児童用 ネットワークソフト導入
○ 教師用パソコン
○ 図書館システム整備
○ ソフト購入費
○ デジタルカメラ等 |
○ PC教室41台整備
○ 各教室のパソコン整 備
○ 特別教室へパソコン 整備
○ ソフト購入費 |
○ ソフト購入費
|
中学校
|
○ ISDNからADSLに転換 するための環境整備・サー バ設置(要 契約変更)
○ 教師用校務支援・生徒用 ネットワークソフト導入
○ 各教室へ2台
○ 教師用パソコン
○ 図書館システム整備
○ ソフト購入費
○ デジタルカメラ等
|
○ ソフト購入費
|
○ PC教室41台整備
○ 特別教室へパソコン 整備
○ ソフト購入費
|
小学校・中学校のモデル校には、できれば優先的に配備したい。
2 パソコン本体
現在のパソコンは安価でも性能はよく、あえて高価なものを求める必要はない。それよりも児童・生徒が使いたいときに使うことができるだけの数が必要である。調べ学習用に、図書館への複数配置、オープンスペースへの配置も検討したい。
3 セキュリティ
(1)外部からの不正アクセス防止
教師用のサーバと生徒用のサーバを分けて、教師用はイントラ化し、生徒用は、家庭や地域から見ることができるようにするのが原則である。
ただし、生徒用もファイヤーオール等のセキュリティは当然必要である。
(2)有害コンテンツの排除
フィルタリングソフトにはいろいろあるが、ここではデジタルアーツ社の「i-フィルター」を紹介する。これは、日本PTA全国協議会の推薦を受け、多くの学校、家庭で利用されている安全で有益なインターネット活用ソフトである。
有害情報を含むホームページを毎日リストアップし、その情報をもとに児童・生徒にとって好ましくないホームページへのアクセスを遮断する。その他、有害性の高い語句、単語でもブロック可能で、安心して子どもにインターネットを使わせることができる。
また、閲覧許可したいホームページをあらかじめ登録することで、特定のページにだけアクセスできるようにする機能もある。
このようなソフトが入った有害コンテンツを遮断するサーバを各校に置くのか、町で一つ設置するのかは考え方による。コスト的には一つにまとめた方が安くつく。
その他、各教室やオープンスペースにパソコンがおかれるようになるため、戸締まりの徹底はもちろんのこと、1階の各窓や扉にSECOM等の設置も考えなければならない。
4 必要ソフト
ソフトは基本的に次の方針で考えたい。
○ 必要なものを必要な時にのみそろえる。
○ フリーソフト(無料のソフト)の有効活用を考える。
そのために、ソフト購入費を毎年ある程度は確保しておきたいところである。
(1)基本ソフト
WindowsXP、OfficeXP は必須である。地域開放のことも考えて、スクールアグリーメントでなく通常のライセンスを購入したい。
(2)ネットワークのために
教師用に「EDUCOMマネージャー」、児童・生徒用に「ラインズ・キャンパス」
(3)地域への情報発信のために
Adobe® Acrobat® 5.0:印刷文書をPDFに変換する時に使用
ホームページビルダー:HTML文書を作成する時に使用
ペイントショップまたはフォトショップ:デジカメで取った画像の処理に使用
その他、動画の処理ソフト 等
(4)授業用ソフト
まず、既存のソフトがWindowsXPで動作可能かを確認する必要がある。
基本的には、Office(Word,Excel、Powar Point)のような基本ソフトを使いこなすことを優先させたい。それは、この後も応用がきき、作品データが無駄にならないからである。(これまでは、たとえばAというソフトで作品をつくっても、家にAというソフトがなければ役に立たなかった。)
したがって、ソフトを先に買い込むようなことは避けたい。
しかし、入門期に当たる小学校低学年用のソフト、タイピング練習ソフトはほしい。
(5)図書館での調べ学習用
百科事典ソフト、図鑑ソフト、歴史資料ソフト等、資料的なソフトが調べ学習に有効である。
(6)特殊教育用
障害の程度に応じて、ある程度のソフトがあると良い。
5 図書館の情報環境の整備
図書館の情報化については、各学校の図書館司書により何度も熱心に話し合われている。そこでは、おおよそ次のような内容である。
・ 各図書館の蔵書をPCに登録し、キーワード検索ができるようにする。
・ 5校のデータを一つのサーバで管理し、横断検索できるようにする。
・ 町の図書館と連携する。
5校同時に始めたいが、最低1校は先行的に始めたい。
ソフトは、司書グループの研究によれば、LB@SCHOOL が望ましい。
W 資 料
1 サイバータウンのための情報コンテンツ
これは、5月7日にC&S委員会の名で報告したものである。
A 委員会の目標(確認)
1 学校(授業・校務・事務)がどこまで情報化できるか、その可能性を探る。
2 大口町の小中学校でどこまで行うかを考える。
3 2のための条件整備に何が必要か考え、要望する。
B コンピュータを有効活用するための課題
1 わかりやすい授業のためにどう利用していくか
2 コミュニケーションツールとしてどう活用するか
3 情報リテラシーをどう育成するか
4 開かれた学校のために、情報をどのように発信するか
5 教務事務・校務事務をいかに合理化するか
6 外部機関といかに連携するか
7 学校の安全管理にどう利用するか
8 学校事務の効率化、町教委との連携にいかに利用するか
9 ハード面の充実をいかに図るか
10 サポート体制(地域から学校へ、学校から地域へ)をどうとっていくか
11 職員研修のためにいかに活用するか
12 自学や調べ学習など、自主的な学習にいかに利用するか
|
C 課題に対する具体的な内容例
1 わかりやすい授業のための利用
○コンテンツの開発、既製コンテンツの収集・整理
・教育用画像素材集。教育現場では自由に使える。静止画や動画など11、000点。
※ 歴史サイトには乃木大将、ヒロシマ・・などの動画を見ることができる。無料なのがうれしい。
※「こめのくに」など授業で使える優良コンテンツは数多く作られている。これからは、「このようなサイトを知らない」では済まされないだろう。
○テレビ会議システムの利用
・もはや常識になりつつある。
○外国語教育・国際理解教育への利用
・JEARN(ジェイアーン)グローバルプロジェクト推進機構
※ 相手校探し、地域ボランティアによる支援、自動翻訳チャット、など。
・ 小学生にもできる国際貢献−ネパールの小学校との交流を通して−
※ 半田市での実践。これこそ本当の国際理解教育である。
国際交流掲示板がある。
○ポスターセッション、図工・美術Web作品展・モデル作品の提示
・全機能をWeb上で実行できる学習発表ツール
※ 表現が多彩になってきた。手書きの作品と組み合わせると、より幅が拡が る。
○社会科副読本などのWeb化
※ 頻繁な更新が可能で、児童が調査したまとめを載せたり、リンクを貼った りすることができ、付加価値は大きい。
○地域教材データベース
・ネットで町内の小学校を一つに−地域教材データベースの構築とその利用−
※ 地域の素材は、歴史に詳しい人、撮影に詳しい人、パソコンに詳しい人な どが協力して、学習資料を作成している。
○デジタルポートフォリオ
※ おそらく、5年もすればこれが主流になるのではないか?保管が楽、プレゼン素材として使える、後輩への模範となる、再編集できる、CDに焼けば記念になる、お金がかからず保管の場所が不要、リンクが貼れ発展性がある。
○ゲストティーチャー・データバンク
・みんなでつくる!社会人講師実験映像データバング@東京
※ 社会人講師の授業の動画をWebで見ることができる。講師の選択や、他の講師が参考にするなど活用されている。
2 コミュニケーションツールとしての活用
○掲示板の設置
・職員間用、職員→児童・生徒用、児童会・生徒会→全校用 など
※ 教師間でも掲示板を利用することにより、かえって直接話をするきっかけ づくりになる。また、情報交換の効率化は、コミュニケーションの時間を増 やすことにつながる。
○部活内メーリングリストなどのMLの活用
・すでに広く行われている。
○メールでの悩み相談
・直接言えないことも、メールなら言いやすい。
※ これも経験がある。担任との相談のきっかけになる。
○国内外の学校との交流
・交流相手校を探してくれるサイトもある。
○良いとこ見つけ
・岐阜大学附属や小牧中で行われている
※ 多くの目で見た生徒の良い点の記録を累積し、通知表に添付している。
○Powerpoint(パワーポイント)の活用
・静岡県のある中学校長は、体育館での「校長先生の話」にはPowerpointを使っている。生徒の注目度は比較にならないぐらい向上したそうである。
3 情報リテラシーの育成
○町カリキュラムの見直し
・児童・生徒の進度に合わせて、変えていく必要がある。
○情報モラルの育成
4 学校からの情報の発信
○学校HPの作成・充実
・毎日HPを見ざるを得ないようなコンテンツにする。情報の一元化。
※ 岐阜大附属では、明日の持ち物、連絡等、大切な情報をすべてWeb上のみに流されるので、親も子も見ざるを得ない状況になっている。逆に、そこだけ見ていれば済むので、安心でもある。
家で見られない子は、学校各所にある端末から、必要な情報をプリントアウトして持ち帰っている。
○地域との交流
・小牧中では、地域への出張ボランティア先をHPで募集している。
○メールによる学級・学校通信
・紙面による通信は学期に1、2回で、他はメールで毎日行う。
○授業・行事の案内・報告
・動画での配信サービスも喜ばれる。
○家庭への緊急連絡
・プールの中止等
※ 黒田小学校では、夏休みのプールの可否はiモードで見ることができる。
○欠席児童生徒、不登校児童生徒の支援
・授業中継
※ 授業の様子を家庭で見ておくことは、不登校末期の子には学校に対する不安解消に有効である。学級日誌などから、授業進度の確認もできる。
5 教務事務・校務事務の合理化
○エデュコム・マネージャーやキッズウェアなどの利用による情報の一元化
・情報はネット上に一元化し、全員で共有する。
※ 全員の教師と児童・生徒がパソコンを使わざるを得ない状態になるが、これがリテラシーの格差をなくす近道になる。
○児童・生徒の情報管理
・児童・生徒の情報をデータベース化する。
※ パソコンの最も得意なところである。名簿等は一度つくったものが3年間、6年間使うことができる。保健関係の記録や男女混合名簿の導入も容易になる。 ただし、外部に出ないイントラネットを組むことが条件になる。
○掲示板による事前相談、会議の削減
・会議への提案文書は、事前にほぼ共通理解、または議論されており、会議時間 の大幅な短縮、または会議そのものの削減にもつながる。
※ 学校にとっては、これもとても重要である。
○評価の合理化
※ これもすごい。これは、学習者の理解度や習得状況を判断して、個々の学 習者に最適な学習内容と問題を提示するもので、学習者の能力に応じた学習 が可能になる。また、学習者自身の学習の進捗状況や、テストの採点結果、 レポートの評価結果なども参照することができる。
各学年と教科で問題が出そろえば、評価が大幅に簡略化され、児童・生徒 の自主学習の大きな支援になる。
・鹿児島・神村学園の取り組み−1500台のパソコン生徒に貸与して授業
「WEB練成」と呼んでいるシステムを使って、教員があらかじめ作成した問題を生徒が解く。生徒がどの問題に正解し、どれを間違えたかによって、教員はその日の授業を組み替えることも可能で、生徒の理解度にあわせて授業を進められる。一方で、テスト用紙を配って、回収し、採点するという作業は必要なくなる。グラフにしたりチャートにしたりといったことが楽にできるので、生徒の成績管理も簡単だ。神村校長は、この2点をアピールした結果、パソコン活用に乗り気でなかった教員が一転、一生懸命に取り組み始めたと話す。
毎日教育メール350より
○時間割作成の合理化
・NEC 割すご:中学校・高校の時間割作成ソフト
※ 実際に目にしたが、あの速さは感動的である。
○電子週案
・大口西小学校、木曽川東小学校で利用されている。
※ 週案のほかに、出席簿、学級日誌、保健管理日誌、学校日誌、出張関係書 類、備品関係書類、保健関係書類などはペーパーレスしやすく、効率的であ る。
○電子通知表
・各地で利用されているファイル形式の通知表。すべて自動化されている。
※ 具体的で、総合的な学習の画像入りの自己評価もある。担任教師は、省力 化された分、具体的な所見を書くことにエネルギーを注いでいる。
6 外部機関とのネットワーク
○図書館を初めとする町内機関との連携
・各校図書館をバーコードで本の貸し借りができるシステムを導入し、かつ、学 校間・町図書館との横断検索・横断貸借ができる体制を取りたい。
※ 図書カードも町と共通にするとメリットが大きい。小牧市で行われている。
○相談機関との連携
○その他、教育情報センター、研究機関とのネットワーク
7 学校の安全管理
○ライブカメラの設置と有効活用法の研究
・各通用口にカメラを設置し、人に反応してカメラ・モニタが起動し、映像をハ ードディスクに数日間保存。後自動消去。
※ モニタはふだん消えていて、人に反応して点くところがミソ。より目につき やすい。
○コンピュータ室の開放と夜間の戸締まりの徹底
・「コンピュータ室にカギをかけるような学校はダメ」堀田龍也先生
※ メールチェックなど、できるだけ自由に使わせてやりたい。
8 学校事務の効率化、学校間・町教委との連携
○書類のデータ化と電子決済の導入
・町からの書類、学校間の書類のデータ化。
※ 「書類はメールが当たり前」のルールを、大口から丹葉管内全体へ広げた い。
○町内担当者間の情報交換、町内会議の精選
・教務主任ML、生徒指導担当者ML、進路指導担当者MLなど
※ MLはすぐにでも始めたい。
○備品管理
・専用ソフトもある。
9 ハード面の充実
○情報センターの開設、センターサーバの設置
・例えば、センターサーバに図鑑ソフトを入れておけば、各学校や図書館のパソコンから自由に活用することができる。
※ これもすでに広く行われている。セキュリティ、フィルタリングなどの手 間も省くことができる。
○セキュリティ、フィルタリング等の研究
・インターネット協会 サーバ型フィルタリングシステム
○デジカメなど周辺機器の充実
・先進校は各学級の班に一つのデジカメが自由に使えるようになっている。
10 サポート体制(地域から学校へ、学校から地域へ)
○地域の大人による学校支援
・小牧中学校 ネットワーカーボランティア
○児童・生徒によるお年寄りへのパソコン訪問指導 など
・小牧中学校 注文ボランティア
11 職員研修
○学校の枠を超えた授業研究
・小牧中では研究授業を動画で収集し、ハードに保存している。各学校で行えば、
授業研究が可能。
※ 現在の技術なら50分の授業なら数Mに納まる。ADSLなら快適に見るこ とができ、ストリーミング(同時中継)も可能である。
○MM(メールマガジン)などからの教育関連最新情報の収集(一例)
【教科書会社関連】
【教材会社関連】
【教育系出版社関連】
【情報教育関連】
【教育系ニュース関連】
・日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』
【教育実践MM関連】
【教材研究関連】
【福祉・ボランティア関連】
【特別支援教育関連】
【英語教育関連】
・EIGO MAIL-MAGAZINE
【教育研究所関連】
【行政関係】
※ 今は良質の教育情報が無料で簡単に手に入れることができる。「情報は自分 から取りに行く時代」なのである。それをしない教員は、時代について行く には並はずれた別の努力が必要である。
○ML(メーリングリスト)での情報交換
・全国的に、教科別、学年別など多くのグループがある。
12 自学用、調べ学習用にいかに利用するか
○自学用コンテンツ(自習プリント類)の準備
・岐阜大学尾養育学部附属のイントラバケッツ
自習プリントだけでなく、ワークシート、過去の定期テスト納められている。
○学習相談
・キッズ学習ページは、児童・生徒用に、検査、調べ方・まとめ方のほか、質問し たい時の相手まで紹介している。
○リンク集
・教材や学習資料のリンク集は数多く知られている。
2 情報教育関連サイト
e-Japan2002プログラム〜平成14年度IT重点施策に関する基本方針〜
ITで築く確かな学力
情報教育の実践と学校の情報化
情報化の進展に対応した教育環境の実現に向けて
サイバータウン@スクールネット委員会 資料室
お わ り に
学校と地域の情報化は国策でもあり、日本の当面の課題である。なかでも、我が大口町はサイバータウン構想を推進しており、最も恵まれた環境にあるといってもよい。
そのなかで、サイバータウン@スクールネット委員会は、大口町の子どもたちの生きる力を育てるとともに、学校と地域住民をつなぐ方法を考えてきた。それにかかるコストは決して安くはないが、いずれそれ以上の成果を生み出すものと確信している。
ITは、子どもたちの学力と、コミュニケーション能力を高める道具である。また、学校と地域を結ぶ道具でもある。ただ、これまでの道具と違い、使う人間の創意・工夫で、可能性が大きく広がる道具である。学校、行政、家庭や地域の人が知恵を出し合い、大口町の子どもたち、そして地域住民のために有意義に活用したい。
今後もよりよい使い方を考え続けることを確認して、今回の提案のまとめとしたい。
|