わたしたちは、みかんと電照菊について調べました。調査方法は、東海農
政局への手紙での問い合わせ、渥美半島の赤羽根町への取材、前野の石川さ
んのハウスへの取材です。
 みかんの生産量で、静岡県の地位が低下した理由は、東海農政局の原さん
は次のように教えてくれました。
 静岡は、かつては全国第1位の生産県でしたが、昭和40年に愛媛に抜か
れ、平成2年に和歌山に抜かれました。その理由は、くだものの輸入が自由
化され、(このように、バナナやオレンジが自由化されています)、みかん
そのものの消費量が減りました。そのため、静岡では、みかん園を伐採し、
より収入の多い、お茶や施設園芸に転換しました。しかし、愛媛は、ミカン
しか適した作物はなく、ミカン中心に生産しています。

 続いて、電照菊について説明します。
 秋の菊は、日が短くなると花が咲いてしまいます。そのため、照明を使っ
てまだ夏だと思わせて、出荷時期を遅らせ、売る値段を高くするためです。
渥美町では、このように温室がたくさんありました。1軒の温室の平均の広
さは、1、000坪〜1、200坪で、運動場の約3分の1にあたります。
 その値段は新しいものでは、2億円以上します。元がとれるかと心配した
ら、菊の利益は年に2000万円以上になるそうです。
 
 石川さんに、菊を作る工夫について聞きました。ビニルハウスは2重にな
っており、スイッチ一つで開け閉めできます。電球は、銀色に塗ってあり、
下だけに光が当たるようになっています。
 江南市の前野には、かつては30軒の菊の農家がありましたが、今では1
軒だけになってしまいました。このような後継者不足が悩みだそうです。

 最後に、なぜ施設園芸が発達したかを、原さんは次のように説明してくだ
さいました。施設園芸は、高い利益が上げられること、機械化がやりやすく
消費者のイメージがよい、都市に近く労働力が得やすく市場との交通の便が
よい、用水により水が豊富で気候が恵まれているという理由からです。
 以上で発表を終わります。
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