近年の社会科研究の動
 
                                   H14.6.19
                             大口町教育委員会生涯学習課
                                    土 井 謙 次
 
1 教育の流れを大きく見ると別紙1
 
 
 
2 研究テーマキーワードクイズ
   2000年9月〜2001年7月、2001年9月〜2002年7月の2回に分けて、光村図書全国研究会情報 サイトより“社会”をキーワードとして検索をしてみました。それぞれ87校、85校あった中から、研究テーマに次の語句を含む学校数を数えてみました。そのランキングが次の表です。そこで問題です。
  ( )内にあてはまる語句を下の語群から選んでください。

    キーワード

2001年

2002年

 (  1  )
(  2  )
 豊か
 自ら・自立
(  3  )
(  4  )
 ひらく・拓く
 共・協
(  5  )
 学力
(  6  ) 
 個
 表現
(学び・高め・ひびき)合い
 かかわり・かかわる
 生き方
 明日
 つなぐ

 

31校
18校
8校
18校
2校
18校
11校
12校
2校
1校
8校
4校
4校
4校
6校
5校
0校
3校

 

33校
30校
15校
13校
13校
12校
11校
10校
8校
7校
6校
6校
5校
5校
4校
4校
2校
  0校

 

語群
 

 生きる力    評価    基礎(的)・基本(的)    学び    創     総合
 
   具体的なテーマは次のアドレスに載せておきました。どうぞご覧ください。
       http://www.tcp-ip.or.jp/~syaraku/kenkyuthema.htm 
 
 
解答 (1)学び  (2)創  (3) 評価  (4)総合  (5)基礎(的)・基本(的)  (6)生きる力
3 全国社会科研究大会のテーマの変遷別紙2
 
 
4 学習指導要領の理解度チェック別紙3
 
3 全国社会科研究大会のテーマの変遷(第1回〜第35回)      (別紙2)
    ここでは中学校のテーマを紹介します。
 
昭和43年度 東京大会  社会科における資料と学習
昭和44年度 神奈川大会 教材構成と指導法
昭和45年度 徳島大会  能力を育成する効果的指導
昭和46年度 福井大会  思考を深める社会科の学習指導法
昭和47年度 東京大会  新学習指導要領の展開
昭和48年度 大分大会  創造性を培う社会科教育
昭和49年度 静岡大会  ひとりひとりを拓く社会科学習−たしかな学習過程の創造−
昭和50年度 滋賀大会  考えやすくわかりやすい学習の場の設定
昭和51年度 仙台大会  みずから学び確かな力を伸ばす社会科学習
              −教材の構成と指導の工夫−
昭和52年度 岡山大会  将来に活かす社会科学習
昭和53年度 金沢大会  豊かな人間性を育てる社会科教育
昭和54年度 松江大会  個性豊かな人間性を育てる社会科教育
              −みずから考え、正しく判断する力を育てることによって−
昭和55年度 東京大会  21世紀を指向する社会科教育−ゆとりと充実をもとめて−
昭和56年度 群馬大会  新しい社会科を創造する教材構成
昭和57年度 栃木大会  自ら考える力を育てる社会科教育
昭和58年度 熊本大会  自ら考え、わかる、できる社会科教育
昭和59年度 香川大会  人間性ゆたかな生徒育成をめざす社会科教育
昭和60年度 静岡大会  創造性の育成をめざす社会科教育
昭和61年度 大阪大会  社会科学習における「やるき」を育てる形成的評価
昭和62年度 名古屋大会 人間の生き方を問い続ける社会科学習
昭和63年度 東京大会  多価値社会に対応する社会的判断力の育成
平成 元年度 東京大会  新教育課程に関する具体的研究
平成 2年度 愛媛大会  変化する社会に主体的に生きることができる力の育成
              −みつめ、さぐり、うなずく社会科学習−
平成 3年度 宮崎大会  変化する社会に主体的に生きることができる力を育てる社会科              学習の創造 −教えること、学ぶこと、そして育てること−
平成 4年度 宮城大会  自ら学び、考え、未来に生きるたしかな力を育てる社会科教育
              −課題意識を高めるための教材の構成と指導の工夫−
平成 5年度 大阪大会  ひとりひとりが生きる授業
              −問題を発見し追究する能力や態度を育てる指導の在り方一
平成 6年度 徳島大会  未来に生きてはたらく力を育てる社会科教育
              −豊かさ・確かさそして自分らしさを求めて−
平成 7年度 名古屋大会 人間の生き方を問い続ける社会科学習
              −共生を志向する社会へのアプローチ−
平成 8年度 石川大会  社会の動きをみつめ、未来を生きる力を育てる社会科教育
              −見つめ、確かめ、表現する−
平成 9年度 島根大会  豊かな自己実現を図る社会科学習
平成10年度 北海道大会 21世紀を拓く社会科教育
              −豊かな心を共に育む社会科的アプローチ−
平成11年度 香川大会  未来をともに拓く生き方を追求する生徒の育成−共感から行動へ
平成12年度 東京大会  学校・家庭・地域社会でつくる社会科教育−学ぶ社会科,かかわ             る社会科,社会をつくる社会科を目指して−
平成13年度 大阪大会  ひとりひとりの学びが育ち、「生きる力」が身につく社会科学習
              −参加・探究・そして表現へ−
平成14年度 栃木大会  『学び方』を身につけ、主体的に追究する社会科学習の創造
              −地域の特性を生かした課題学習の実践を通して−


4 学習指導要領の理解度チェック                   (別紙3)
 
北 俊夫『社会科の基礎・基本』明治図書 P.114〜
 新しい社会科の趣旨について,十分に理解されているか。下記に20のチェックポイントを示した。各学校での校内研修会や地域での研究会など社会科授業についての研修会などで活用していただければ幸いである。(以上、本文より引用)
 
@□ 社会科では,これまでも究極のねらいを「公民的資質の基礎を養う」こととされてきた。では,この「公民的資質の基礎」とはいったいどのような意味あいなのか。保護者や子ど もたちにもわかるように説明することができるか。
A□ 社会科の学習指導要領に示されている各学年の目標は,どのように構成されているか。各学年の目標を構成している要素(社会科の学力の栄養素)に目を向けて説明できるか。
B□ 新しい学習指導要領では,なぜ「調べる」だけでなく,「調べて考える」ことが重視されているのか。なぜ「調べる社会科」では不十分なのか。
C□ 学習の事例や対象が,各学校において選択的な扱いになっているのはどうしてか。また,事例や対象を選択する際のポイントや,事例をとおして学習を展開する際に留意しなければならないことはどのようなことか。
D□ 第3学年と第4学年の目標と内容が二学年まとめて示されているのはどうしてか。また,年間指導計画の作成において,各学校において留意すべき事項はどのようなことか。
E□ これまで3学年で扱われてきた地域の公共施設は,これからどのような扱い方になるのか。市(区,町,村)の様子を学習するなかで,どのような扱いになるのか。
F□「ごみ」の教材を社会科で扱う場合と,総合的な学習の環境学習として扱う場合では,どのような共通点と違いがあるのか。ごみを取り上げた社会科の学習では,どこまで扱うようになっているのか。
G□ 伝統的な工業の教材は,第5学年の我が国の工業生産での扱いから,中学年の県(都,道,府)の様子の学習に移行されたが,これまでの扱いとどこが同じで,どこが違うのか。
H□ これまで第4学年で扱われてきた,「現在の開発」(現在にあっても地域の人々の生活の向上と安定のためにいろいろな努力がなされてきたこと)にかかわる内容が削除されたが,それはどうしてか。
I□ 中学年での地域の生産活動(農家や工場)と,5学年での産業学習(食料生産,工業生産)は,ともに共通点も見られるが,そもそも両者の基本的な違いは何か。
J□ 我が国の食料生産(農業や水産業の盛んな地域)や工業生産の学習のなかで,運輸の働きや貿易の役割を関連づけて扱うようになったのはどうしてか。
K□ 第6学年の歴史的内容の語尾は,他の学年の内容のように「考えるようにする」ではなく,「分かるようにする」となっているのはどうしてか。両者には,どのような違いがあるのか。
L□ 小学校の歴史学習は,中学校でのそれとは基本的な違いがあるが,小学校の特色は,「通史型」「ダンゴ型」「飛び石型」のうち,どの言い方がもっとも適切か。また,どうしてそう言えるのか。
M□ 第6学年の歴史学習で取り上げる人物は,学習指導要領に42人が例示されている。この42人の人物は,すべて取り上げなければならないのか。
N□ 我が国の歴史的な内容の記述において,江戸時代までの歴史的事象の項目の語尾には「など」が示されていない。一方,明治時代以降の事象には「など」がついている。この両者  の違いはどうしてか。
O□ 我が国とつながりの深い国の人々の暮らしの学習では,教師が数か国を示し,それらの  なかから子どもが1か国を選択して調べるようになっている。これにはどのような意図や  ねらいがあるのか。
P□ 我が国や外国の国旗については,どの学年のどのような内容(学習場面)で扱うように  示されているか。
Q□ 社会科の学習で,地域の博物館や郷土資料館を有効に活用することが求められているが,  それはどうしてか。社会科授業の充実と生涯学習の観点から説明できるか。
R□「社会的なものの見方や考え方を育てる」とは,具体的にどのようなことを指導すること  か。具体的な学習場面に即して説明できるか。また,「社会に対する見方や考え方を育て  る」とはどう違うのか。
S□ 第4学年で給与される地図帳を,日々の社会科の学習でどのように活用したらよいのか。  また,社会科以外の教科や総合的な学習などでの活用場面を説明できるか。