第289回 社楽の会報告    第288回へ     第290回へ   TOPへ
                                                             
報告者  土 井
 2008年7月3日(木)布袋北学習等供用施設にて社楽の会を開催しました。参加者(勤務校)を紹介しましす。
参加者は,大島先生(草井小),小澤先生(扶東小),鈴木先生(楽田小),奥村先生(岩南小)、早川先生(江南北中)、勝村先生(羽黒小),織田先生(扶桑中)、野沢先生(宮田中)、高木先生、大野先生(犬山中)、川井先生(楽田小)、の計11名でした。

内容は,
@高木先生から資料集部会の研究について。修学旅行の引率をしながらいろいろ考えたが,わからなくなったこと。あまり難しすぎると,誰も実践できなくなること。少なくともシンプルで,実践する教員が楽しくないのに,子どもが楽しいわけがない、等の意見が出されました。

A大島先生の授業実践について。早速指導案が提示され,幕末期の開国or鎖国について,提案がありました。どんな資料を提示すべきか,さらに教材研究を進めようということになりました。

B野沢先生からも授業の構想について話がありました。2年生の地理で授業を行うということ。気候についての授業はどうかと意見があり,5気候区分の衣食住について,実物を提示して,どれがどの気候区分のものであるかを考えるといった内容の授業はおもしろそうだといった話になりまし
た。

C奥村先生から「感覚統合」についてのお話がありました。

土井は欠席しましたが、今回紹介したかったものの目次です。番号をクリックしてください。

  第48回東海北陸中学校長会研究協議会報告−校長日記より−
 子ども会指導者育成研修会−校長日記より−
  テロ支援国家とは
  学び合い=教え合いの授業をが大切だ!
  役立ちWeb特集  
  教育関連情報    
  MM紹介

 第48回東海北陸中学校長会研究協議会報告−校長日記より−
 第48回東海北陸中学校長会研究協議会のために、3日、4日と金沢市・石川県立音楽堂へ来ています。
 午前中の開会式、全体会に続き、午後には分科会が行われました。私は第8「信頼される学校・開かれた学校づくりの推進」という分科会の文書発表者として、南部中学校でこれまで行ってきた取り組みの一部を、多くの先生の前で紹介しました。資料の中で「信頼される学校づくり」では主に地区懇談会について、「開かれた学校づくり」では、生徒のボランティア活動や有志活動、カルチャー講座、ふれ愛フェスティバル、ブログでの情報発信などを紹介しました。
 以前にも紹介しましたが、南部中では、昨春の「全国学力・学習状況調査」で「今地域の行事に参加していますか。」「今住んでいる地域が好きですか」という質問に対して、全国・県平均を大きく上回る生徒が「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」を選択しています。このように地域に対する意識が高いのは、地域に積極的に出かける有志の活動ボランティア活動など、これまで行われてきた「開かれ、つながり、愛される学校」づくりの成果です。こうした伝統ある南部中の実践を、広く他の県の先生方に紹介することができて良かったと思います。口頭発表では、情報を発信することが、家庭や地域の信頼を高めることをデータで説明しました。今後とも積極的に発信していきます。よろしくお願いします。
 
 
 子ども会指導者育成研修会 −校長日記より−
 昨日は、子ども会指導者育成研修会の助言者として、扶桑町中央公民館へ行ってきました。
 丹葉・中島・海部地区の子ども会の指導者が集まり、「少子社会の子ども会活動」についてグループ討議をした後、その討議の内容について助言をするというものです。もとより、子ども会活動について助言をする力は私にはありませんが、これまでの経験から感じたことを述べてきました。そのおよその内容を紹介します。
−−−−−−−−−−−−−−−−
○ 少子社会は、少親社会。子ども会のような親同士がつながることができる場は貴重。大切にして欲しい。こうしたつながりを数多くもっているのが親力でもある。
○ 子どもも同様。学校以外で、子ども同士が関わる場があることが重要だ。子ども会は、異年齢が集まる貴重な場である。 
○ これからの子育てのキーワードは、「人とかかわる力」と「がまん」。ニート・引きこもり、変質者などの多くは、ここに原因がある。
○ 少子社会は、人とかかわる場が少ない。家族を例にとっても、核家族の一人っ子家庭は4通り(父母、父子、母子、父母子)のコミュニケーションしかない。これが2人兄弟の4人家族で11通り、5人家族で26通り、サザエさん一家は120通りある。だからこそ、意図的に子ども同士、また、子どもと地域をつなげる仕掛が必要。
○ 子ども会は、仕掛の中では最も地域密着型。学校や家庭ではできないし、スポ少とも違う。これからの方向性は…
 @ 他の組織とのコラボ;区会・町内会、青年会議所、女性・高齢者団体、学校など
例 南部中学校では、子ども会廃品回収のボランティアに出かけている。子ども会OB/OGとして地域とつながることは意義がある。
 A 多世代とかかわる仕掛けづくり;地域のお祭り等で出番をつくる、等 
 B 父親の参加;父親の出番が必要な行事を考える
 C 情報の発信;子ども会の良さ、楽しさ、意義等を発信する。回覧板等も活用したい。
○ 最後に、豊かな社会とは、かつては電化製品がそろっていた社会、次には自然が豊かな社会だった。これからは、(かつてそうであったような)地域のつながりがある社会が豊かな社会である。
 子ども会が育てば、現代的課題のいくつかが解決の方向に動く。

 テロ支援国家とは
 北朝鮮が、「テロ支援国家」からはずされるというニュースが飛び込んできました。テロ支援国家とは? Wikipediaには次のようにあります。
−−−−−−−以下引用−−−−−−− 
 国際的テロリズムや非友好国政府へのテロリズムを行なう組織に対して支援・援助を行なっているとされる国家のこと。実際に行なわれる援助としては資金援助・装備品提供・潜伏場所の確保などがある。
 現在、ニュースや報道機関等で言われているのは、一般にアメリカ国務省が毎年発表している年次報告書「Patterns of Global Terrorism」で指定されている北朝鮮、イラン、シリア、キューバ、スーダンの5カ国のことを指し、「英State-sponsored terrorism(国家支援テロ)」を行っているとされる国々のことである。指定国には、アメリカを中心に武器関連の輸出・販売禁止、経済援助禁止、世界銀行による融資の規制などの措置が取られる。(以上 Wikipediaより) 
−−−−−−−−−−−−−−−−
 実際はどうか?キューバは、核を開発してる様子はない。テロとのつながりも考えにくい。ではなぜ名前があるの?
 そのことについて今後考えていきたいと思います。
 

 学び合い=教え合いの授業をが大切だ!
 【教育記事から教育を考える】2008年6月27日(金)作者:中土井鉄信 VOL.289 より
【記事】授業中 友達と「学び合い」小中学校 不登校対策にも 
                       読売新聞(2008年6/20)より以下抜粋
○少人数に分かれ、辞書を調べる児童たち(大阪府茨木市の市立豊川小で)子供が少人数に分かれて互いに教え合う「学び合い」を大阪府茨木市立豊川小学校が実践している。
○学力向上だけでなく、不登校対策にもつながるとされ、教育施策の一環として導入しようという自治体もある。
○豊川小6年1組の国語の授業。22人の子供たちが3〜4人のグループに分かれて机を寄せ合った。
○この日の教材となった文章は、次の世代に原爆の被害を伝える大切さを説いた「ヒロシマに歳はないんよ」。担任の西谷佳宏教諭(33)はタイトルだけを黒板に書き、「歳をとるってどういうことかな。考えてみて」と問いかけた。
○「『歳』は『とし』のほかに読み方があるのかな」「大人になることじゃなくて大人に近づくことじゃない?」。辞書を引いたり、隣の答えをのぞき込んだり。児童たちは思い思いの答えで黒板を埋めていった。
○授業の中で子供同士で考えさせ、教え合う時間を設ける「学び合い」は、学力に課題のある子供も授業にかかわりやすいようにとの考えから約15年前に始まった。現在、全国約2000の小学校と約1000の中学校で活用されている。
○豊川小は「学び合い」を取り入れて8年目。「最初は放置しているようで不安だった」という西谷教諭も「グループのほうが同級生に気軽に質問できる。教える側も友だちが何を理解していないのか知ることでレベルアップにつながる」と話す。
○昨年の全国学力テストでは、児童が問題に全く手を付けない無答率が全国平均より低かった。村上一久校長は「自分で考えて答えを出す習慣を身につけている証拠」と手応えを語る。
○島根県益田市でも今年度から全31小中学校で「学び合い」を順次導入する。2005年度にモデル校で実施し、不登校児童が激減。同市教委は「互いにかかわり合うことが良好な関係につながっている」とみる。
○提唱者でもある東京大学の佐藤学教授(学校教育学)は「学力差のある子供を教師主導で教えると、わからない子供は無気力になりがち。『学び合い』は家庭環境や学力などが異なる子供が同時に学ぶ方法として有効だ」と話している。(森 重孝)
*私からのコメント
◇今回取り上げた記事にあるような試みは、私の中学時代にもあった。現に私は、この記事にあるようなことを中学校の数学の授業で、3年間受けている。(中略)
◇先生が、新しい単元を教える。そして、グループごとに問題を解き、わからない問題は、そのグループ内で、教え合うのだ。宿題は、次の授業で、各グループで、その単元にまつわる問題を作って、その問題を解き合うのだ。この授業だけは、悪い奴も私も非常に緊張して受けた。その先生は、いつも毅然としていたので、非常に緊張感があり、グループで、勉強していても、クラス全体が締まっていたのだ。今思い出しても、あの授業は、凄い!授業だった。
◇こんな授業を通して、私が、学んだことは、教えることが理解を深めるということ、みんなのために勉強をしっかりやらないと悪いな!という気持ちを持つということだ。
◇グループの足を引っ張ってはいけないし、出来る生徒が、出来ない生徒を教えることで、相互扶助の精神も身に付くということだ。だから、今回の記事にある試みは、非常にいいことだと思う。教育の私事性が薄らいで、公共性の獲得に寄与する可能性があるからだ。こういう試みが、大きく広がって、勉強を通して、相互扶助の精神が、子どもの中に出てくることを望みたい。学び合い=教え合いの精神を全国に広げていきたいものだ。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 ここでの「学び合い」とは、佐藤学式の学び合いである。しかし、実際には、学び合いの方法は多様であり、それぞれにメリットもあり、また、デメリットもあろう。ただ、どれも教師の一斉授業のみよりは、学習意欲の点で上回る。おそらく、成果も上がっているのではないか。
 だとすると、他の有効な方法に取り組んでいるならともかく、何もやっていない学校は怠慢か勉強不足の誹りを受けてもしかたがない。
 

 役立ちWeb特集 
(1)小学校学習指導要領解説
 
(2)子どもたちにネット・ケータイどうやって教えますか?【無料教材】
 総務省ICTメディアリテラシー教材「伸ばそうICTメディアリテラシー」は小学校5・6年向けの情報モラル育成プログラムで、学校や家庭で、無料でご利用いただけるネット対応教材です。この教材を利用するためのテキスト教材を学校や教育センター、PTAなどで授業、研修を行う方に無料で配布します。詳しくは下記をご参照ください。
「伸ばそうICTメディアリテラシー」教材公開サイト http://fw.manabinoba.com/c.p?02bTMyn3VYW 
「授業用テキスト教材セット」申込みページ  http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,10021,30,html 
「教員研修用テキスト教材セット」申込みページ http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,10022,30,html「保護者・PTA研修用テキスト教材セット」申込みページ
                       http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,10083,30,html  
(3)ウェブサイト運営上の事件について体験的に学習できるソフトウェア
 ウェブサイトの脆弱性による被害を中心とした、7つのウェブサイト運営上の事件を体験的に学習できるソフトウェア「安全なウェブサイト運営入門―7つの事件を体験し、ウェブサイトを守り抜け!―」を同ウェブサイトで無償公開。 http://www.ipa.go.jp/security/vuln/7incidents.html
 
(4)インターネット白書2008
 最新のインターネット動向をまとめた『インターネット白書2008』が発売。パソコンインターネット利用者が使用しているパソコン以外のインターネット接続機器は、1位が携帯電話、2位がWiiで7.7%。フィルタリングサービスの利用率は7.6%等。
 
(5)ジュートの袋通信販売
 中学校社会科教材となりますが、麻袋です。以前、勤務校近くのコーヒー豆店に取材かつ見学に訪れたのですが、その際、廃棄処分にされそうになってたコーヒー豆輸入用袋を見つけ、廃棄されるの
であれば、1つ下さいということで、もらってきておりました。どこの国からの輸入品かがわかるものです。さて、それらの廃棄袋はエコバッグに変換して販売している店を新聞記事で知りました。次の箇所です。「Kei's Coffee」 http://www.imo.ne.jp/keis-coffee/ 
 
(6)特別支援教育資料(平成19年度)
 
(7)Benesse教育情報サイト−教育ニュースを読む
 「受験に役立つ読書とは?」
  新学習指導要領でココが変わる! 国語  http://benesse.jp/blog/20080624/p3.html   
 1教科ずつご紹介している新しい学習指導要領のニュースです。すべての教科の基盤となるのが「言葉の力」。これは、相手に応じて適切に「話す・聞く」「読む」「書く」ことができる力です。言語に関する能力の「質」を高められるよう、学習の目標・内容が具体的にどう変わるのかご説明します!
 
(8)Mozilla Japan
Mozilla史上最速、かつ最も洗練されたブラウザ
 無償のオープンソースWeb ブラウザのメジャーアップデートとなる「Firefox3」がリリース。これまでのバージョンより2、3倍の高速化が図られ、15,000以上の改良が実施されたとのこと。Windows版を無料ダウンロードできる。 http://mozilla.jp/
 
(9)戦後日本 少年少女雑誌データベース
 戦後日本の少年少女雑誌(マンガ雑誌を含む)のデータベースサービス(有料)がスタート。一点一点雑誌の現物に当たり、表一より表四まで、できる限り詳細に雑誌書誌の採録を行うとともに、当時の編集者・出版関係者に聞取り調査を実施とのこと。
 
(9)紙面、記事、写真等で昭和を振り返るコーナー
 新聞社の昭和を振り返るコーナーがリニューアル。昭和30年の古地図と現代の地図を重ねて表示する「昭和の地図」、過去の風景等をクイズ形式で問う「クイズ・昭和の記憶」、当時の紙面、記事、写真をもとに昭和の大事件を振り返る「昭和のニュース」など。http://showa.mainichi.jp/
 
(10)47都道府県の名称と位置の正答率は約55%
 社会科における基礎・基本となる知識・概念と問題解決的な学習に焦点を当てた調査によれば、小6生の47都道府県の名称と位置の正答率は約55%。また、多様な資料の中から問題を発見・把握する力は十分に身に付いていない傾向。
 
(11)素朴な疑問集
 
6  教育関連情報
(1) 京都市、深夜のコンビニ営業規制を発表
 京都市は17日、市内中心部のコンビニエンスストアの深夜営業を規制すると正式発表した。門川大作市長が同日の記者会見で「(温暖化ガス削減という)大きな目標がある。まず自主的な規制を(業界に)求めていく」と述べた。7月に業界団体や有識者でつくる市民会議を設け、2009年度にも実施する。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 かつてオイルショックの頃は、テレビ番組が12時前には終わり、店もその頃にはしまっていた。そのために、国民は危機感を持ったのだと思う。地球温暖化防止に対しての危機感のなさはひどすぎで、これくらい思い切った施策が必要だ。ライフスタイルが変わったといえ、24時間営業制限ぐらいの手だてが必要かもしれない。地球の危機のためには…。
 
(2)「学力テスト」どう生かす 教諭対象にシンポ
 文部科学省による全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を児童生徒の学力向上につなげようと、山梨県教委は17日、笛吹市で県内の小中学校教諭を対象としたシンポジウムを開いた。
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 大切な取り組みであろう。これは、学力テストをせっかくやったから云々ではなく、評価を指導にどういかすかという、教育の基本課題の一つである。そこに正面から取り組もうとすることは大切である。内容を知りたいところだ。
 

 
 MM紹介
(1)明治図書オンライン メールマガジン ★ 2008年6月後期号
「Eduブログ」充実のオフィシャルライター陣による最新記事をご紹介します。(新着順です。)
★ 國眼 厚志 ★ ザッキンチョ
 科学クラブで3D立体画像 (06/27 06:22) http://edublog.jp/zakkincho/archive/913 
★ 八巻 寛治 ★ やまかん日記 
 校内研究でのQ−U研修講座 (06/26 22:53) http://edublog.jp/ktsn1213/archive/1197 
★ 上野 一彦 ★ KAZ先生のEdu Blog
 日本のジェイミーオリバー (06/26 08:09) http://edublog.jp/kaz1229/archive/114 
★ 加藤 博之 ★ カトちゃん日記
 整骨院は社交場です (06/25 23:10) http://edublog.jp/katoh/archive/174 
★ 大沼 直樹 ★ ピグマリオン
 福島智さんの課外授業 (06/24 22:56) http://edublog.jp/ka2n0gu9/archive/473 
★ 樋口 雅子 ★ 教育マグマ日記
 “金8円也”の収支決算 (06/24 10:55) http://edublog.jp/anti-ageing/archive/126 
★ 象の会 ★ 象の会からの便り
 映画『母べえ(かあべえ)』 (06/23 06:09) http://edublog.jp/zounokai/archive/185 
★ 小野 昌彦 ★ 野に咲く花のように 
 地球温暖化に思う (06/22 22:04) http://edublog.jp/ieyasuminamoto/archive/221 
「Eduブログ」は、以下のアドレスからご覧ください。http://edublog.jp/ 
 
(2)[MMM No.181] 連載「数え方、はじめの一歩」 その6―「数え方」で知る世界の言語と文化― 
 連載 「数え方、はじめの一歩」 その6 ―「数え方」で知る世界の言語と文化―
                               中央大学 准教授  飯田 朝子
 現代日本語には約500種類もの数え方(助数詞)があります。とはいえ、500種類すべてを使いこなすことは至難の業。日本語を母語とする一般的な生活を送る大人で、約100から120種類の数え方を使っていると推測されます。こんなに多彩な数え方があるのは日本語だけだろうと思ってしまいますが、実は中国語にも500種類もの数え方(専門的には「量詞(りょうし)」と呼ばれるもの)があります。それもそのはず、日本語の数え方の多くは6世紀以降に中国から日本に入ってきたものだからです。(中略)
 ほかにも、韓国語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語、マレー語や地域ごとの方言にも日本語と似た性質の数え方があります。これらの言語地域を白地図の上で塗りつぶしていくと、助数詞のある言語の話されている地域が、東南アジアに集中していることに気がつきます。そして、興味深いことに、その分布は稲作文化のエリアと概ね重なっているのです。偶然なのか必然なのか、稲作地域で
話される言語で数え方が発達しやすいというのは、なぜなのでしょう?
 明確な答えは出ていませんが、文化によって数の捉え方に違いがあることは否定できません。狩猟文化地域では、捕獲した獲物の数に応じて仲間と分かち合う必要があり、獲物の数は単数なのか複数なのかが重要でした。狩猟民族の使う言語では、名詞の単数形と複数形が発達する傾向が出ます。英語では “one dog, two dogs”のように、直接dogに数を付けて複数を表しますが、日本語では「1犬、2犬」のようには言いません。
 一方、稲作文化ではコメを1粒ずつ数で勘定して仲間と分ける必要はなく、容器や袋に入れた分量で測りました。そうすると単数や複数を区別する概念は希薄になり、その代わり数える物の分量や性質を示す単位や数え方(助数詞)が発達します。(後略)
  飯田 朝子(いいだ あさこ) http://www5b.biglobe.ne.jp/~aiida/index.html 
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 おもしろい!狩猟民族は名刺の単数形と複数形が発達し、稲作文化では助数詞が発達する。なるほどと思う。数え方は文化なのだ。
 
(3)常識ぽてち【やや日刊】♪2008-06-27(第1190号)
■目黒と目白
 東京には目黒という地名があり、これは目黒区という区名にもなっているので知っているかたも多いでしょう。他にも目白という地名も東京にはあります。目黒があって目白があるなら、目赤や目青なんてのもあるのか、というとこれがあるのです。それどころか目黄というのもあります。ただしこれらすべてが地名になっているわけではありません。
 これらは徳川家光時代の五色不動に由来するといわれています。五色不動とは、東京の目黒不動、目白不動、目赤不動、目青不動、目黄不動の五種の不動尊の総称です。
目黒不動 - 瀧泉寺(東京都目黒区下目黒)
目白不動 - 金乗院(東京都豊島区高田)
目赤不動 - 南谷寺(東京都文京区本駒込)
目青不動 - 教学院(東京都世田谷区太子堂)
目黄不動 - 永久寺(東京都台東区三ノ輪)
 この五色の「色」は陰陽五行説に基づいています。青、赤、白、黒、黄はそれぞれ東、南、西、北、中央を表しています。しかし五色不動が江戸を中心に東西南北に配置させているかというとそうでもないようです。ただし江戸を取り囲むようにぐるりと配置されていることだけは確かです。(後略)
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 知らなかった。おもしろい!
 
(4)JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル■
   心が元気になる話 知られざる日本の功績(2) ハングル新聞を創刊せよ    hideおじさん
 諺文と呼ばれるハングル文字は、1446年、李氏朝鮮の世宗が作成したといわれている。(訓民正音)
 現在「諺文」という言葉は蔑称とされ、ハングル文字と通常呼ぶが、このハングルという呼ばれ方は、1913年頃に初めて登場し、1927年には「ハングル=大いなる文字」という言葉が定着したようだ。
 15世紀に登場したハングルであるが、その後単発的に詩歌・文学作品で使用されてはいたが、「文字」としての体系は整っておらず、国民一般には普及しなかった。
 この「ハングル文字」にいち早く目を付けたのが、日本人なら誰でも知っている「福沢諭吉」である。福沢は「教育の普及が近代化の第一歩である」という信念から、朝鮮においても啓蒙を担う文字の重要性を説いていた。そこで、日本の仮名と似ているハングルに注目し、一般国民にも文字を読むことが可能になるハングルの利用を強く勧めることになった。福沢はこうも言っている
「朝鮮の独立と朝鮮人の啓蒙には、朝鮮語による新聞の発行が不可欠である」
 彼のこの言葉に大いに理解を示したのは、誰あろう安重根に暗殺された伊藤博文だった。
 福沢諭吉の門下生に一人の男がいた。その名を「井上角五郎」という。実業家・政治家という面だけが表に出ているが、「井上がいなかったらハングルは無かった」とまでいわれた人物である。
 彼は、朝鮮王朝政府時代、優秀な朝鮮人官吏とともに1883年に一定の体系と継続性を持った朝鮮初の近代新聞「朝鮮旬報」、そしてその続刊ともいえる「朝鮮週報」に大きく係ったということは、日朝文化史の上からも非常に興味深い。
 朝鮮初の近代新聞「朝鮮旬報」は全文漢字でありハングルは使われなかった。何故なら当時の大韓帝国では、ハングル使用には非常に抵抗があり、認められなかったという経緯があった。
 その後クーデターなどのトラブルに巻き込まれ、志半ばにして井上は一度朝鮮を離れることになる。しかし、彼が蒔いてきた種は確実に育っており、朝鮮人官吏、学者らが、文法的にハングルをまとめていたのだった。そして後年、井上にまた訪朝のチャンスが訪れ、日本で作成したハングル「活字」を携えて海を渡った。
 1886年、漢字とハングルを使用した「朝鮮周報」が発刊されることとなった。部数は3000部と少なく、結局新聞自体は庶民に浸透しなかったが、彼が目指した「教育の普及が近代化の一歩である」という意思は、その後、朝鮮語字典、そして朝鮮総督府による義務教育の普及へと繋がっていくのである。(後略)
☆★☆★ コメント ☆★☆★
またまたおもしろい!
 
(5)日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)☆第2025号☆
■「数学まるかじり」(13) 
  鹿児島県鹿屋市立 鹿屋東中学校 数学教諭 山崎直和    HP:http://naop.jp 
◆【0で割るとはどういうこと?】
前回に引き続き,計算の不思議シリーズ(?)第2弾です。
 0という数については,以前少しこの連載でも触れましたが,この数の発見は数学史に大きな影響を与えた出来事であると同時に,様々な厄介ごとが生まれる結果ともなりました。
 0の性質はいろいろありますが,その中の1つに,「なにと掛け算をしても答えは0」というものがあります。
 0は何倍したって0だし,どんな数を0倍しても0である,という,小学生でも知っている性質です。しかし,この分かりやすくて簡単な性質のお陰で,私たちは大いに苦しむことになってしまうのです。
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問題です。
「0÷3」の答えはいくらでしょう?
 もちろん,0に決まっています。お菓子が全く何もないのだから,それを3人で分けても,何もない状態のまま,なんていう説明が出来ますね。
 では,「3÷0」はいくらでしょうか?
「そんなもの,0に決まってるじゃないか!」と,簡単に片付けようとしたそこのあなた!そう簡単な話ではないのです。
 実はこの答え,0ではないのです。
 考えてみてください。3つのお菓子があって,それを「0人で分ける」というのはいったいどういうことなのか。
 あるいは,3つのお菓子を,「0個ずつに分ける」というのはどういうことなのか。0を含んだ割り算の中には,0が持つ底知れぬ恐ろしさが隠れ潜んでいるのです。
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「3÷0」の答え,0でなければいったいいくらなんだ? と気になられるでしょうが,このような説明をしてみましょう。
 例えば6÷3の答えは,次の式の( )の中の数と同じです。
 3×( )=6   ( )の中に入る数は2ですから,6÷3の答えは2です。
 27÷3の答えは,3×( )=27 の( )の中に入る数と同じです。つまり,答えは9です。
 A÷Bという割り算の答えが知りたければ,B×( )=Aという式を作り,( )の中に何が入るか考えればよいことになりますね。
 0÷3の答えは,3×( )=0という式を考えれば,0だとすぐ分かります。
 では,問題の「3÷0」の場合はどうなるでしょうか。
 この答えは,「0×( )=3」という式を考えれば分かるはずなのですが・・・
・・・そうです。気付いていただけたでしょうか?そんな数などない!ということに。
 0に何をかけたって,答えは0になるはずです。3になることは絶対にありません。
 つまり,「0×( )=3」に当てはまる数など,この世にはありません。ということで,3÷0の答えは,「ない」というのが正解になります。
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0の入った割り算では,
 1. 割られる数が0なら,答えは0
 2. 割る数が0なら,答えはない
という,奇妙な現象が起こることになるわけですが,では,この場合はどうなるのでしょう?
「0÷0」
「もう付き合ってられるか!」
 なんて読者の方が離れていく姿が目に浮かびますが,もう少しお付き合いください。(笑)今度はちゃんと答えがありますから。
 さて,これも先ほどのように,式を使って考えてみることにしましょう。
 0÷0の答えは,次の式の( )に入る数と同じになります。
 0×( )=0
さあ,答えは何でしょうか?
「・・・何でもいいのでは???」
と思ったあなた。大正解。答えは「どんな数でもよい」となります。
つまり,0÷0=6
 0÷0=100
 0÷0=−7
などなど,全て正解ということになるわけです。
----------------------------------------------------------------------------
以上,
  A÷0(ただし,Aは0以外)・・・答えなし
  0÷0・・・何でも良い
ということを説明してきましたが,どうもすっきりしないなァ,と思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
理屈の上では分かるんだけれども,感覚的にピンとこないというか。
そこで,小学生でも分かるような(多分・・・)説明をご用意しました。
【3÷0に答えがない理由】
 3個のケーキを0個ずつに分けるということは,3個のケーキを目にも見えないくらい小さなサイズにみじん切りにするということだ。だから,いくつに分割できたかなんて,多すぎて数えられない。
【0÷0の答えが何でもよい理由】
 目に見えないくらい小さな,ホコリのようなケーキのかけらがある。0を0で割るということは,このかけらを更に目に見えないくらいのサイズに分けるということだ。どうせ既に目に見えない位小さいのだから,この後これを2つに分けようが,3つに分けようが,100個に分けようが,見えないことに変わりはない。どうでしょうか? ちょっとこじつけに近い説明ですかね?(後略)
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 これもさらにおもしろい!
 
(6)『絶望の中の希望〜現場からの医療改革レポート』 上 昌広 
    第7回 日本の医師不足〜第二回 一県一医大構想と医師誘発需要
 昨日(6月17日)、舛添要一厚生労働大臣が、閣議後の記者会見で医学部の定員削減を決めた97年の閣議決定を見直し、医師の養成数を増やす方針に転換する考えを明らかにしました。「いまは医療崩壊の状態で、(97年の)閣議決定を見直す方向で調整すべきだということで、福田首相の了解をいただいた」と語ったようです。このニュースは、医療界にとって画期的なものであり、舛添厚労大臣の粘り強い努力に敬意を払います。
 我が国では医師不足問題が連日のようにマスメディアで報道されています。未曾有の高齢化を迎える我が国において、多くの国民は必要な医療を受けることができないことに対する漠然とした不安を感じておられると思います。なぜ、医師不足問題の解決が、こんなに困難なのでしょうか? 今回は、医師不足問題の議論の歴史的変遷をご紹介します。
■ 日本の医師数は世界最低水準にある
 日本の医師不足問題を議論するためには、その正確な状況を把握する必要があります。厚労省の医療動態調査によれば、2005年現在、我が国には29万人の医師免許取得者がいて、人口1000人あたり2.0人となります。人口10万程度の地方都市には、200人程度の医者がいるとイメージしていただけるといいでしょう。ちなみに、これは大学卒業直後の若者から、高齢者まで全てをふくむ数字です。
 適切な医師数を議論する上で、同じような発展段階にある外国との比較は有用です。OECDの調査によれば、我が国はもっとも医師数が少ないグループに属します。ちなみに、日本より少ない国は、メキシコ (1.7)、韓国 (1.6)、トルコ(1.5)だけで、先進国首脳会議に参加する国に限定すれば、イタリア4.2、フランス3.4、ドイツ3.4、オーストラリア2.7、米国2.4、イギリス2.3、カナダ2.1となり、日本は最低です(括弧内の数字は人口1000人あたりの医師数)。米国やイギリスなどのアングロサクソン系の国々で、コメディカルが発達しているのは、医師数と併せて考えれば理解しやすくなります。ちなみに、日本はコメディカルも医師も両方とも不足していると言うことができます。
■ 医師の過重労働
 医師の絶対数不足は、医師の過剰残業で代償されてきました。医師が少なければ、長時間働かざるを得ないのは自明です。
 2003年に厚労省が作成した「医師需給に関する検討会報告書」では、医師の労働時間は週平均で63.3時間、院外での勤務時間7.3時間を含めると、週平均の労働時間は70.6時間です。このデータに基づけば、1ヶ月あたりの時間外労働時間の平均は131時間になり、労働基準法の規定を大きく逸脱します。また、月の時間外労働時間が45時間を超えた場合、過労死の原因になりやすいため、極めて危険な状態とも言えます。実際に、これまでに多くの医師が過労死で亡くなっており、過労死認定を求め裁判で争われています(http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/)。このような裁判では、医師の過剰労働問題は医師の労働条件改善という側面以外に、患者が安全な医療を受けるためには、医師の残業を制限しなければならないという観点からも議論が行われています。
 ちなみに、医師過剰労働問題に対する厚労省の見解は、「休憩時間や自己研修は、通常は勤務時間とはみなされない時間であり、これらを含んだ時間を全て勤務時間と考えることは適切でない(2005年 医師需給に関する検討会報告書)」として、医師の労働時間を週48時間と解釈しました。この解釈は、医療現場の実感と著しく乖離したものであり、またデータの解釈が恣意的であったため、医療者に厚労省に対する不満が溜まりました。(中略)
■ 医師過剰と言われた時代があった:一県一医大構想
 では、2003年以前は、国民・医療界は医師数をどのように考えていたのでしょうか。前回の配信でも書かせていただきましたが、明治維新以降一貫して、医師不足は我が国の課題でした。しかしながら、過去に一度だけ、医師過剰の可能性が議論された時期がありました。それは、1970年代中盤から2000年くらいまでの25年間です。
 少子高齢化が進み、医師不足による医療崩壊が喧伝されている現在から振り返れば、馬鹿げているかと思うかもしれませんが、当時は多くの医療関係者が将来的には医師は余るのでないかと真剣に心配しました。当時の風潮を考える上で参考になる事実を紹介させていただきます。
 まず、1970年代の大量の医学部新設が挙げられます。戦後の人口増や無医村の解消を目的として、政府は1970年から1979年までの間に34の医学部を新設しました。この時期に設立された医学部は、前身の医師養成機関をもたないことが特徴で、人材を全面的に他大学に依存せざるを得ませんでした。医学部設立は順調に進み、1974年までに8つの国立大学医学部、14の私立大学医学部、2つの大学校(防衛医大、産業医大)が新設されました。(以下略 まだまだ続きます)
☆★☆★ コメント ☆★☆★
 日本の医師不足がここまで深刻だとは知らなかった。
※ バックナンバーを含めて、全文はJMM  http://ryumurakami.jmm.co.jp/medical/index.html よりご覧ください。お薦めです!


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