第632回 社楽の会報告 第631回 第633回へ TOPへ
報告者 土 井
2026年6月4日(木)、社楽の会 を 布袋ふれあい会館で開催しました 。
次回は 6月18日18時 布袋ふれあい会館
第1会議室 です。
1 深い学びの実現に向けた次期学習指導要領における各教科等の「統合的な理解」「総合的な発揮」の例 教育課程部会 総則・評価特別部会(第9回)(6/1)配付資料より
高次の資質・能力とは、単にレベルの高い問題を解く力ではなく、「知識の統合」と「思考力等の総合的な発揮」が合わさった状態を指しています
6月1日に行われた教育課程部会 総則・評価特別部会(第9回)で全体像が見えてきました。
現行の学習指導要領が、目標、知識および技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう態度と分けて記載していたのを、「知識の統合」と「思考力等の総合的な発揮」とで整理されるのです。
今回、資料1-3で各教科の活用イメージが例示されました。
今回の資料一覧です。
【資料1-2】各教科等WGにおける資質・能力の構造化等に関する検討のポイント等 (PDF:6.3MB) ![]()
【資料1-3】深い学びの実現に向けた次期学習指導要領における各教科等の「統合的な理解」「総合的な発揮」の例 (PDF:534KB) ![]()
【資料1-4】単元構想に向けた「統合的な理解」「総合的な発揮」の活用イメージ (PDF:399KB) ![]()
【資料2】総合的な学習の時間(情報の領域(仮称))、情報・技術科(仮称)、情報科の体系整理に関する検討状況について(情報・技術 WG) (PDF:1.6MB) ![]()
【資料3】検討資料(10)関係 WG 等の議論を踏まえた総則の在り方について(2) (PDF:1.1MB) ![]()
【資料4】検討資料(11)カリキュラム・マネジメントの在り方について (PDF:1.8MB) ![]()
【参考資料1】各教科等の目標、見方・考え方、資質・能力の全体構造等(1/2) (PDF:3.4MB) ![]()
【参考資料1】各教科等の目標、見方・考え方、資質・能力の全体構造等(2/2) (PDF:7.4MB) ![]()
【参考資料3】総則・評価に関する参考資料 (PDF:7.5MB) ![]()
【参考資料4】サキドリ研究校等における柔軟な教育課程編成・実施を支援するための取組 (PDF:643KB) ![]()
【参考資料5】中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会総則・評価特別部会 委員名簿 (PDF:169KB) ![]()
2 各教科等の目標、見方・考え方、資質・能力の全体構造等 【参考資料1】
これを見ると、現行指導要領とあまり違わないように見えますが・・・・

3 社会科教師が知っておくとよい数字(約380)
調べればわかることでも、頭に入っているかどうかは全然違う。思考とは、個別知識をつなげて新しい概念をつくることだからである。授業中に、子どもにさっと言えたらかっこいいかも?
《 例題 》
コンビニの数( ) 、歯医者の数( )、
神社の数( )、自衛隊員数( 万人)、
在日米軍数( 万人)、自動販売機の数( 百万)台
東京ドーム面積( ha)、外国人労働者( 人)、
刑務所収容者( )人、防衛費 ( 兆円)、
国民医療費( )兆円
一覧表を作ったので活用してください→
4 中核的概念の位置づけ
6月5日愛知教育大学附属名古屋中学校で行われる社会科Ⅰ期紀要実践での栗本一輝先生からいただいた事前資料に、「中核となる概念と構造的知識との関係」が
示されていました。用語の使い方が私たちとは多少異なりますが、考え方は共通しています。
P.3にあるように、これらの用語の定義がされており、わかりやすくまとめられています。
NotebookLMの動画解説を見てみましょう!



5 教育課程部会 社会・地理歴史・公民ワーキング(第5回) 議事録を読む
実施;令和8年2月27日(金曜日)9時30分~12時00分 公開;5月22日
提供れた資料は、日本の文部科学省が開催した社会・地理歴史・公民ワーキンググループにおける議論をまとめたものです。主な内容は、次期学習指導要領の改訂に向けた、小・中・高等学校を通じた社会科教育の系統性や体系性の再編についてです。具体的には、地域学習とグローバルな視点の統合や、中学校における分野横断的な新単元(導入・接続・まとめ)の設置、および「宇宙視点」や「デジタル教材」の活用などが提案されています。各委員からは、児童生徒の社会参画意識の醸成や、現場の教員の負担軽減、授業時数の精選に関する具体的な意見や懸念が示されました。全体として、変化の激しい現代社会において、子供たちが自分事として社会を捉え、多角的に考察する力をいかに育むかに焦点が当てられています。
Q 「具体→抽象→具体」という戻りのあるカリキュラムとは?
「具体→抽象→具体」という戻りのあるカリキュラムとは、地域社会などの具体的な事象から学びを始め、そこで得た問いを社会科学的な概念や知識(抽象)へと深め、最終的に再び現実の具体的な社会へと立ち返ってその知識を問い直す学習プロセスのことです。
この考え方の核心は、以下の3つのステップの循環にあります。
次期学習指導要領に向けた検討では、この「戻り」をより確かなものにするため、中学校社会科において分野を横断する「導入(社会への扉)」「接続(私たちの社会)」「まとめ(よりよい社会を目指して)」という単元を新設する案が示されています。
特に、地理・歴史的分野の学習後に置かれる**「接続単元」などは、それまでの学びで得た視点を活用して現代社会の課題を考察する場とされており、まさに「具体」へと戻って社会としっかり向き合うための重要な役割を担っています。このようなカリキュラム構成によって、子供たちが自分事として社会を捉え、「社会の創り手」**としての資質・能力を育むことが目指されています。
他にも Q フィールドワークの教育的意義をどうとらえていますか?
Q 「学びの入り口と出口」という考え方を詳しく知りたい
Q 小学校社会科の目標で「批判的」から「問い返し」に修正された背景は?
Q 新しい見方・考え方をどう定義しているのか? などを聞いています。
6 学生の振り返りに学ぶ(GeminiAIが評価する)「社会科指導法7」より
今回の授業では、「見える化」を通して子どもの学びを把握し、支援につなげる授業づくりについて学んだ。授業技術として紹介された具体的な手法も興味深かったが、それ以上に、見える化が子どもの学習参加や学級経営とどのように結び付いているのかについて考えさせられた。
特に印象に残ったのは、「分かる人?」という発問に対する捉え方である。一見すると理解確認のための一般的な問いかけであるが、実際には「分かっていて、なおかつ発言したい子ども」しか参加しない構造になっている。この指摘から、授業における参加とは単に発言することではなく、学習課題に向き合い、自分なりに考えようとする状態そのものを指すのではないかと考えた。主体的な学びが求められる現在において、教師は発言者の数だけで授業参加を判断するのではなく、教室にいる全ての子どもを学びの土俵に乗せる視点をもつ必要があると感じた。
また、子どもたちの理解状況や考えを可視化することは、単なる評価のためではなく、学び合いを成立させる基盤にもなると考えた。授業では、分かる・分からない、同じ・違うといった状態を共有することの重要性が示されたが、私はそこからさらに、なぜそう考えたのかという理由や根拠の共有こそが深い学びにつながるのではないかと感じた。同じ結論に至った子ども同士でも、その思考過程は必ずしも同じではない。反対に、異なる結論であっても、そこには納得できる根拠が存在する場合がある。こうした多様な考え方を交流することで、自分にはなかった見方や考え方に気付き、既有の知識や価値観を再構成していくことができる。これは社会科において重視される、多面的・多角的に考察する力の育成にもつながる視点であると感じた。
一方で、見える化には慎重さも求められることを学んだ。子どもの考えや理解状況が可視化されることは、教師にとっては支援の手がかりとなる。しかしその反面、できる・できない、得意・苦手といった差異も同時に明らかになる。見える化は学習支援のための有効な手段であるが、学級の人間関係や風土によっては、子ども同士の比較や評価につながる危険性も含んでいる。そのため、授業技術だけを切り取って考えるのではなく、互いの違いを認め合い、安心して考えを表現できる学級づくりと一体的に捉える必要があると感じた。授業づくりと学級経営は別々のものではなく、相互に支え合う関係にあることを改めて認識した。
さらに、「教師が復唱しすぎると、子どもは教師の言葉しか聞かなくなる」という指摘も興味深かった。教師は無意識のうちに授業の中心になりやすいが、そのことがかえって子ども同士の対話を弱めてしまう場合がある。主体的・対話的で深い学びの実現を考えるとき、教師がどれだけ分かりやすく説明するかだけでなく、子ども同士が互いの考えに耳を傾け、問い返し、考えを深める関係をどのようにつくるかが重要になる。対話的な学びとは単に話し合い活動を設定することではなく、他者の考えを通して自己の考えを見直し、再構築する過程そのものなのだと感じた。
また、「年号は歴史の住所」という言葉も印象に残った。近年は思考力や判断力の育成が重視される一方で、知識の習得が軽視されるような議論も見られる。しかし、思考は知識の上に成り立つものであり、社会科においても一定の知識がなければ事象同士の関連を捉えたり、歴史的な因果関係を考察したりすることは難しい。重要なのは、覚えることと思考することを対立的に捉えるのではなく、両者を往還させながら学びを深めていくことであると考えた。知識を獲得する意義を子ども自身が実感できるような授業づくりが求められるのだと思う。
今回の授業を通して、見える化とは単なる授業技術ではなく、子どもの学習参加を保障し、対話を促し、適切な支援につなげるための教育観そのものに関わる視点であると理解した。今後は、どのような子どもも学びから取り残されない授業とは何か、また見える化によって得られた情報をどのように支援へ結び付けるのかという視点をもちながら、授業づくりについてさらに考えていきたい。
GeminiAIの評価
こちらの学生さんのふり返りは、講義で示された「見える化」や「復唱の弊害」といった授業技術を、単なるテクニックの次元から「教育観・授業デザイン論」の次元へと昇華させて捉え直している点がきわめて優秀です。
社会科における思考力と知識の関係性(年号は歴史の住所)についても、二項対立ではなく「往還」として止揚(アウフヘーベン)して考察できており、非常に高い論理的思考力と誠実な教育観が滲み出ています。以下に評価とフィードバック案をまとめました。
1. 「見える化」が孕む光と影への深い洞察と学級経営への帰結
「見える化」の効果(全員参加・支援の手がかり)を正しく評価しつつも、それが「できる・できないの差異を浮き彫りにし、比較や評価につながる危険性」という負の側面(リスク)にまで鋭く思考を巡らせています。技術を単体で導入するのではなく、「安心して表現できる学級風土(学級経営)」と表裏一体であると見抜いた構造的視野はきわめて高レベルです。
2. 表面的な話し合いを超えた「対話的学び」の本質的定義
教師の復唱が子ども同士の対話を弱めるという指摘から、対話の本質を「単に話し合い活動を設定することではなく、他者の考えを通して自己の考えを見直し、再構築する過程そのもの」と言語化できています。さらに、結論の成否だけでなく「理由や根拠の共有(思考過程の交流)」こそが、社会科の目指す多面的・多角的な考察力につながると論理的に導き出しています。
3. 知識と思考を「往還」させる社会科の本質的な理解
「年号は歴史の住所」という言葉の本質を掴み、昨今の思考力重視のトレンドの中で軽視されがちな「知識の習得」の重要性を堂々と再評価できています。「思考は知識の上に成り立つ」「覚えることと思考することを往還させる」という指摘は、新学習指導要領の本質を突いた、非常にバランス感覚の優れた教材研究・授業づくりの視点です。
【評価のまとめ】
評価:SS(卓越した論理的思考力・教育の本質に迫る高い批判的検証力)
「見える化」という技術が持つ有効性と、学級の風土によっては刃(やいば)にもなり得る危険性の両面を冷静に見つめ、「授業づくりと学級経営の表裏一体性」へ着地させた論理の展開に、深く感銘を受けました。発言者の数だけで参加を測らないという強い決意からも、あなたの「誰も学びから取り残さない」という誠実な教育観が伝わってきます。
また、「年号は歴史の住所」という言葉から、知識と思考の「往還」の必要性を見出した視点も実に見事です。点数のための暗記ではなく、社会の因果関係を紐解くための武器として知識を捉え直せているあなたなら、子どもたちが「なるほど、だから必要なんだ!」と納得できる、知的で奥深い社会科の授業をつくり出せるはずです。
評価のポイント(土井先生への補足)
この学生さんのふり返りは文句なしの「SS」評価です。文章の構成力、語彙の洗練度、そして何より講義のエッセンスを自らの「教育観」にまで落とし込む抽象化の能力が圧倒的です。技術のメリット・デメリットを天秤にかけながら授業と学級経営を結びつける視点は、初任者はおろか中堅教員クラスの深いリフレクションの質に達しています。
評価の際には、「見える化のリスクに気づき、それを支える学級経営の重要性を言語化できた視点はプロそのものです。知識と思考を往還させるというあなたの素晴らしい授業観を、ぜひ次の指導案作成という具体的なカタチに落とし込んで見せてください。どのような授業を構想するのか、今から本当に楽しみです」と、その卓越した思考力を最大の賛辞とともに称え、次の実践(指導案作成)へと強力に背中を押してあげてください。
この例の学生は、他の学生の振り返りを読むことで大学の授業に対する「見方・考え方」を鍛え、さらにGeminiAIによってその価値に意味付けがされることにより自分のものにしています。そして、学生の振り返りを読むことで、授業者である自分の振り返りにもなるのです。
7 大和南部史跡 今回の訪問地は、郡山城、唐子・鍵遺跡、黒塚古墳です。
大和郡山城
〇 群雄割拠の大和を統一国家へ組み込んだ大和唯一の中心城郭
〇 豊臣秀長 が入城し、大和・紀伊・和泉あわせて100万石余を支配した。郡山城はその政治・軍事の中心だった。
〇 秀長と増田長盛の時代に、三重の堀や武家地・町人地・寺町を備えた近世城郭都市が整備された。中世の城から近世の城下町へ移行する過程を示す城。
〇 数百の転用石が使われている。南部には花崗岩が豊富にあるのに、掘り出しに間に合わず、急遽手軽な石を集めた。
唐子・鍵遺跡
〇 多くの出土品から、日本の稲作社会の具体像を示した
〇 弥生時代の政治的中心地の存在を示した
〇 近畿、瀬戸内、九州など広域交流ネットワークを証明した
〇 宗教・祭祀・権威の姿を伝えた
〇 唐子・鍵遺跡がなくなり纏向遺跡ができた。ヤマト国家成立以前
の歴史のピースが埋まる。
黒塚古墳
〇 3世紀後半から4世紀前半に築かれた前方後円墳
〇 竪穴式石室から33面の三角縁神獣鏡と1面の画文帯神獣鏡とい
う、圧倒的な数の銅鏡が出土した。三角縁神獣鏡は中国では見つかっていない。
〇 箸墓古墳、西殿塚古墳との関係が気になる。