資料:韓国の最近の動向(2001年4月) 戻る
(1)与党、「民心対策」に腐心
4月26日の地方自治体長の再選・補欠選挙の惨敗で衝撃に包まれている与党(新千年民主党)が、民心をつかむのに腐心している。与党は、特に基盤である全羅道と首都圏で完敗したことにショックを受けており、内部では「民心の与党離れが確認されたからには、特別対策を打ち立てることが必要だ」という意見が続出している。与党指導部も、今回の選挙で明るみに出た民心の所在、政権党の組織管理、政局運営のあり方などに対する総合的分析作業に着手した。
しかし、与党内では、今後の対策と関連して「強力な政府論」に基づいて改革をさらに強化し、政局を正面突破するべきとする主張と、今回の選挙で確認された一般庶民の心理に基づいて与野党の共存および地域・階層の融合といった基調で方向を転換すべきとする意見が対立しているため、注目される。(朝鮮日報 4/27)
(2)全国の小中高校に超高速インターネット網構築
全国1万64の小中高校に超高速インターネット網が構築され、チョークと黒板を使った授業が一変する見通しとなった。
教育人的資源部は20日午前、金大中(キム・デジュン)大統領や韓完相(ハン・ワンサン)副総理兼教育人的資源部長官などが出席したなか、ソウル・京畿(キョンギ)商業高校で「全国小中学校における情報インフラの構築およびインターネット連結」記念式典を行った。
教育部は同日までに、すべての学校のコンピューター室はもちろん各教室にもインターネットを敷設したほか、教師34余万人にパソコンを提供し、22万2146の教室にパソコンを1台ずつ設置するなど、パソコン100万台を学校に提供した。教育部はこのような教育インフラの構築が都市国家のシンガポールを除けば、事実上世界初であり、米国・英国など先進国の教育情報化水準よりも進んだものと説明している。
98年から2000年まで計1兆4396億ウォンを投入した今回の教育情報化第1段階事業で、全国の1万64校に1万2897のコンピューター実習室が設置され、43万1981台のパソコンが普及された。また、全教室には大型プロジェクションテレビとプロジェクターが設けられた。(朝鮮日報 4/20)
(3)不正兵役事件の容疑者 3年ぶりに検挙
不正兵役事件と関連し逃避していた、パク・ノハン容疑者が25日午前10時、ソウル龍山(ヨンサン)で検挙され、国防部に護送された。
パク容疑者は、兵務庁の派遣捜査官として勤務しながら、兵役の免除や職務の調整など、各種の不正兵役に関わってきた疑い。1998年5月、軍・検察合同の不正兵役捜査が始まってすぐ跡をくらましていたが、今回3年振りに逮捕された。
パク容疑者が不正兵役事件と関連し収賄した額は10億ウォン以上と言われており、また、彼の助けで兵役を免除された政・官界の高官や、不正兵役に関与した軍の高官も多数と伝えられ、捜査結果によっては途方もない波紋が広がりそうだ。(朝鮮日報 4/27)
(4)韓国政府、日本歴史教科書の再修正要求案確定
政府は29日、日本歴史教科書の歪曲問題と関連して日本政府に伝える再修正要求案を30日に開かれる政府対策班の全体会議を通じて確定する方針だ、と明らかにした。
政府の高位幹部は「日本の健全な国民らが受け入れられる完璧な再修正要求案をまとめる方針だ」とし、「日本政府は我々の要求案に対してどんな形であれ反応を示すと見られる」と話した。
政府は来月4日ごろ、韓昇洙(ハン・スンス)外交通商相が寺田輝介在韓日本大使を呼び、この要求案を伝える方針。
政府は日本側の反応を見極めながら、対応策を設けていく一方、来月24〜25日、中国北京で開催されるアジア欧州首脳会談(ASEM)外務相会議の期間中に韓日外務相会談を行い、教科書問題について集中的に取上げる予定だ。(東亜日報 4/29)
(5)地方公務員1年以上自宅待機
1998 年10月の各地方自治体による構造調整以降、自宅待機発令を受けたままで、現在まで辞表を出さず、公務員の身分を維持している職員が増加している。
各地方自治体は、98年から構造調整を実施しているが、自宅待機者が辞表を提出しないことから頭を悩ませていることから、行政自治部は6月末までに待機発令者に対する実態調査を実施した後、対策を講じることした。
行政自治部によると、待機発令者に対しては、首長が地方公務員定員条例によって職権免職できるとしているが、地方公務員法が公務員の身分を保証しており、明確な退職事由がない限り、自宅待機者に対して強制的に辞職されるのは事実上不可能となっている。(中央日報 4/25)
(6)第2四半期、予算49兆ウォン執行
政府は、第2四半期に前年同期比43.1%も増加した49兆1000億ウォンの予算を執行、景気てこ入れに全力を注ぐことにした。
政府は年初から推進してきた景気調整策が、目に見える成果を上げるものと期待し、6月中に経済運営の実績と今後の見通しを土台に総合経済対策を設けることにした。
政府はまた、3〜4月に発表された各種の指数が、景気回復に対する期待感を反映してはいるものの、対外条件の悪化で輸出の伸びが鈍化していることや、3月の輸出が減少した点などを勘案し、輸出市場の多角化に向け積極的なマーケッティング活動を行うことにした。
政府は、韓国の輸出主力商品である半導体価格の場合、米国の情報技術産業の景気の動向に影響を受けることは避けられないが、超過供給がある程度解消される第3四半期以降には、小幅ながら回復に転じるものと予想している。(朝鮮日報 4/12)
(7)国会の迷走続く
国会は30日の本会議で、大宇自動車の労働組合員に対する警察の暴力による鎮圧の責任を問うため、ハンナラ党が提出した李漢東(イ・ハンドン)首相と李根植(イ・グンシク)行政自治部長官の解任決議案に対する票決を実施したが、与党議員が大挙して棄権、与党側がこれに強く反発し開票を拒否する結果となり、解任案の処理が霧散した。
また、与党が成立を目指している人権法、腐敗防止法、マネーロンダリング防止法の「改革3法」についても同日処理する予定であったが、与野党の解任案処理をめぐっての激しい対立と国会運営上も迷走が続き、この日、解任案の後処理する予定であった腐敗防止法の票決は霧散され、次の国会へ回された。(各紙)
2001年5月
(1)少年・少女家長、全国約6200人
少年・少女家長、いわゆる家庭で親の代わりに家計を背負っている青少年が全国的に約6200人に達し、ソウル地域だけで380人あまりの少年・少女家長達が生計を営む責任を負っていることが調査で分かった。
4日、ソウル市が発刊した市政現況資料によると、高校未卒の少年・少女達が家長である家庭は全国で6229世帯に上り、彼らの扶養家族数は3350人であった。
ソウル地域内では386人の少年・少女達が家長の役割を担当しており、扶養家族数は198人だった。
しかしこの子供たちの扶養する家族数は弟、妹など未成年者だけを合算したもので、病気を患っている両親や同居しているお年寄りなどを合わせると、その数は更に増えるものと推算されている。(朝鮮日報 5/4)
(2)財政運営不振の地方自治体、地方交付税を削減
放漫な財政運営で財政悪化をもたらしている地方自治体に対して、地方交付税を削減する「財政ペナルティー制」が推進される。
また、地方自治体が任意に施行中の各種投融資事業のうち30億ウォン(暫定)以上の中大型事業は今後、事前にその妥当性について検討し、増加しつつある地方債(2000年末現在、残額基準18兆8000億ウォン)も今後の償還能力や財政状態などを調査して、発行を制限する方案が設けられる。
政府は15日、行政自治部(行自部)・企画予算処と共同でこのような内容の「地方自治体の改革方向試案」をつくり、今後、細部計画や基準づくりのための研究を経て、年末に政府革新委員会で最終確定する計画だ。政府は同制度を導入するための関係法令も制定・改正する方針だ。
研究の課題は、この他にも▽監査制度の改善▽優秀地方自治体の評価模型の開発▽傘下機関に対する責任運営機関制の導入▽地方公企業の経営効率性の向上▽地方公務員の人事制度改善方案 も含まれている。
企画予算処の李榮根(イ・ヨングン)行政改革団長は「毎年国税の43%を地方自治体に支援しているにもかかわらず、地方自治体の財政は悪化している」とし、「資金支援だけでは限界があり、地方自治体自らの努力を促すために、このような差別支援策を準備した」と話した。
地方交付税(今年23兆5000億ウォン)は行政需要など法的基準によって中央政府が一律的に地方自治体に支援しているが、仮にこれを削減される地方自治体は、地方税収入を大きく増やさない限り、前年より経常経費や人件費を大幅に減らさざるを得なくなる。(中央日報 5/16)
(3)「済州世界島文化フェスティバル」韓国内外の観光客が集まる
済州道(チェジュド)で開幕した世界島文化フェスティバルに、連日、数多くの道民や韓国内外の観光客が集まり賑わいを見せている。
世界の島々の文化オリンピック「2001済州世界島文化フェスティバル」は19日に開幕式を行い、30日間にわたるイベントが開幕した。
今回の島文化フェスティバルは、「島から世界へ」というテーマで、1998年に続いて世界島文化フェスティバル組織委員会(康禎殷・委員長、www.wofic.or.kr)の主催で2回目を迎える、世界の島々のマンモス級の大饗宴。
済州市内の中心街で18日夜に行われた前夜祭に続き、19日午後はフェスティバル会場である済州市吾羅(オラ)観光地区で、金漢吉(キム・ハンギル)文化観光部長官と禹瑾敏(ウ・クンミン)済州道知事、趙洪奎(チョ・ホンギュ)韓国観光公社社長や道民・観光客など、約5000人が参加する中、華かに開幕した。
観光客は前夜祭から休日である20日まで連日式場を埋め、フェスティバルの雰囲気を満喫していた。特に式場にあるマスコット「ワンドリ」という名のトルハルバン(お爺さんの石像)が花模様で装飾された庭園は、観光客から多くの人気を集めた。
今回の行事には、インドネシアのバリ、チリのイースター、米国のハワイなど、計27カ国35島・地域から約600人の公演団が参加した。
島文化フェスティバルは祝祭期間中、テーマ館と太平洋・ヨーロッパ・アジアの3つの地域館で毎日、参加島の民俗公演や食べ物・伝統遊びを演出するなど、世界島文化の真髄をお披露目する。
組織委員会はまた、毎日特定の島の日を決め、大規模な野外公演場である漢拏(ハンラ)公演場で2時間にわたり、その島の民俗公演を開催する。(中央日報 5/20)
(4)「家政婦ロボット」開発ブーム
ロボットが家事を手伝い、防犯まで引き受けてくれる時代が近づいてきた。昨年アイザック・アシモフの小説を映画化した「バイセンテニアル・マン」を地でいく「家政婦ロボット」が、国内の研究陣によって続々と開発されている。
制御設備生産メーカーの「ウリ技術」は、韓国科学技術研究院(KIST)と共同で家庭用ホームロボット「アイザック(ISSAC)」を開発した。背丈71.5センチに重さ20キロのアイザックは、パソコンを基盤としている。センサーがあるため、障害物を避けて通ることもでき、目として取り付けられたカメラで、周りの映像をリアルタイムで電送することもできる。音声の認識・合成機能を持ち、簡単な指示語を聞き取り、インターネット新聞などウェブ文書を音声に変換する。三星(サムスン)電子も「アイコマー(iCOMAR:internet
COmmunicable Mobile Avatar Robot)」と「アント(ANTOR:
ANdroid TOy Robot)」など人間に近い生活ロボット2種を披露した。「アイコマー」は背丈60p、重さ10キロでペンティアムMMX
266MHz CPUを内蔵、自律移動や音声認識などが可能で、簡単な対話も出来る。また、カメラ、マイク、人体感知センサーなども装着した。「アント」は、背丈35センチ、重さ2キロで20個の関節を持たせ、多様な体の動きが可能なおもちゃのロボットだ。リモコンで操作できる。
まだ商用化するには長時間の運用を可能にする充電バッテリー技術が劣る上、価格の高さ(アイザックは700万ウォン)がネックだが、サムスン電子メカトロニックスセンターのキム・ソングォン副社長は「遅くとも来年上半期からは本格的な販売に入ることを目指している」と話した。(朝鮮日報 5/22)
(5)「兵役を済ませていない結婚相手は嫌い」
ソウル地域の未婚の女性65.4%は、兵役の義務を果たしていない男性は結婚相手として望ましくないと考えていることが明らかになった。
28日、結婚情報会社ビエナレーがソウル地域の20代から30代までの未婚女性280人を相手に、「兵役義務と理想的な結婚相手との相関関係」に対するアンケート調査を実施した結果、兵役義務を果たしていない男性は結婚相手として適切でないと答えた人が全体の65.4%を占めた。「かまわない」と答えた人は34.6%に止まった。
兵役義務を果たしていない男性を嫌う理由としては、「男らしくない」が27.9%で最も多く、次に14.3%が「危機対処能力がなさそう」、6.4%は「社会人としての義務を果たしていない」と指摘した。(朝鮮日報 5/28)
(6)「W杯は11兆4千億ウォンの効果」
2002年ワールドカップ韓日サッカー大会が、11兆4797億ウォンの生産を誘発し、35万人分の雇用を創出すると推定されている。
韓国開発研究院(KDI)は30日、「2002年ワールドカップサッカー大会の経済的波及効果」という報告書を通してこのように明らかにした。
2002年ワールドカップサッカー大会組織委員会の依頼によって作成されたこの報告書は、ワールドカップの直接投資および消費支出効果は3兆4707億ウォン、これによって生まれる付加価創出効果は5兆3357億ウォンに達すると見通した。また、78万9800万人余りの外国人がワールドカップサッカー大会を観戦し、6億3600万ドル(6825億ウォン)を使うと推定した。
このようなKDIの見通しは、97年に作成した報告書と比較すると、生産および付加価値誘発の規模が30.3%増加し、雇用は10万5158人増加したことになる。(朝鮮日報 5/30)
2001年6月
(1)全国に大雨…水不足解消
17日から全国的に降り続いた雨で、畑作物の水不足は完全に解消され、干上がっていた田んぼの水不足もほとんど解消された。
今回の雨で、長引く日照りで高騰していた野菜類も値を戻している。ソウルの農水産物卸売市場では、10日前に比べ40%以上も値を下げた。
日照りは5月末から深刻化し、6月初めには農業用貯水池の貯水率がここ20年で最低の61%にまで落ち、忠清を中心に田植えすらできない地域が急増した他、白菜、唐辛子などの作物が育たないなど、被害は全国に広がっていた。(朝鮮日報 6/12〜6/18)
(2)ゼネスト、各界から非難
6月12日から全国民主労働組合総連盟(民主労総)の連帯ストライキに突入した。これに伴い、大韓航空パイロット労組とアシアナ航空労組などもストライキに突入、両航空会社の労組が同時にストを行うというかつてない事態に、航空便の大半が欠航したことで市民生活に大きな支障をきたし、ストに対する非難が起きた。
金大統領は、ゼネストに対して「あらゆる権利を保障されている労組が、国家経済と社会がどうなるかに関係なく非合法的な闘争にでており、社会不安を増大させている」とし、特に、航空会社のパイロットのストライキに関しては、「低賃金労働者が苦痛を耐え忍んでいるにもかかわらず、(パイロットのような)高賃金労働者がストライキをするのは望ましくない」と批判した。
一般市民をはじめ、学会、市民団体、財界などからも、労働界の政党な闘争権利は認めるとしても、史上最悪の旱魃と回復の岐路に立っている経済・国家信用度などを考えると、全国的な連帯ストは、その名分と時期において不適切であると非難されていた。
2日にわたる大韓航空操縦士労組のストが終わった14日、仁川(インチョン)国際空港の旅客ターミナル3階の出国ロビーが活気を取り戻した。スト期間中人影がまばらだったこの場所に久しぶりに乗客が集まり始めた。
しかし、空港のあちらこちらではストの後遺症が残っていた。この日、運航を予定していた国際線89便のうち、14便が欠航した。午前8時30分に出発するマニラ行きKE622便などが欠航し、予約していた乗客(2万7,588人)のうち数千人が航空便を利用できなかった。特に、ストに参加した操縦士の業務復帰が遅れ、米州地域へ運航する航空便は5〜6時間も遅延した。「ストが終わったのになぜ飛行機が飛ばないのか」と抗議する人も多く見かけられた。大韓航空側は「この日の朝、中央大学での座り込みデモを終えた操縦士800人余りは、飛行前に最低12時間休息するという規則を守らなくてはいけないため、直ちに業務に復帰することはできない。現在の状況では、航空機の運航が完全に正常化するまで2〜3日程度かかる」とした。
しかし、大韓航空の運航が正常化するとしても、その影響はかなりの間続くだろうと、空港の関係者は語った。大韓航空運営支援チームのイ・ユンギュ課長は、「今回のストで世界の空港や航空会社と連携して1週間単位で編成する運航スケジュールに大混乱を招いたため、大韓航空の対外イメージが大きく損なわれた」とため息をもらした。仁川(インチョン)空港の関係者は、「今回の航空労組のストは、海外の航空会社を積極的に誘致して北東アジアのハブ空港を目指す仁川空港の対外イメージを大きく傷つけた」と指摘した。(各紙 6/12〜6/14)
(3)国家清廉度 韓国42位
民間の国際ビジネス倫理研究の組織「国際透明化(TI:本部ベルリン)」が世界91カ国を対象に行った「汚職認識指数」によると、韓国は10点満点の4.2点を獲得し、中位圏の42位にランキングされたことが分かった。
TIの韓国本部として活動している「反腐敗国民連帯」は27日に行われた記者会見で、「2001年国家別汚職認識指数(Corruption
Perceptions Index)」を調査した結果、韓国はアジア圏の中でシンガポール(9.2点/4位)、香港(7.9点/14位)、日本(7.1点/21位)、台湾(5.9点/27位)、マレーシア(5点/36位)などに比べ点数が低く、91カ国中42位にランキングされたと明らかにした。
「最も清廉度が高い国」は9.9点を獲得したフィンランドで、2位はデンマーク、3位はニュージーランドの順だった。アジアではシンガポールがヨーロッパのアイスランドと共に共同4位を記録し、最も清簾度が高い国という結果が出た。なお、米国は16位だった。(朝鮮日報 6/27)
(4)性犯罪者の身元公開
「身元が公開されたら自殺する」、「お願いですから1度だけ僕の名前を削除してください」
青少年保護委員会による“未成年を相手にした性犯罪者(性的いやがらせ、強姦、未成年者売春など)"170人の身元の公開が迫る中、公開予定者は激しく抗議している。脅迫(?)型、哀願型、抗弁型などタイプも色々だ。中でも立派な経歴と職場を持ちながらも、未成年者性売買(援助交際)で処罰された中高年者の声が最も高い。
身元公開の対象となっているある当事者は「あなたがたは一生に一度も過ちを犯さずに生きてきたのか」と抗弁する。身元の公開を反対する彼らの文章は青少年保護委員会のホームページに掲載されている。ある当事者は「たった一度の過ちのために、当事者はもちろん家族にまで羞恥心や侮蔑感を感じさせ、周囲の冷たい視線によって正常な社会活動をできなくする現代版の緋文字」だと非難した。「テストケースで法を乱用するのは、韓国社会で起こっている世論攻撃と人民裁判の有様をはっきりと見せつけている」という指摘もある。
しかし「あなたの娘が性売買行為の対象となったとしたら、このような身元の公開を反対するか」、「死刑にされないだけでも幸いと思え」、「このような行為をした人間が人権云々を語り、“過ち”と言い訳することができるのか」など、対抗意見も激しかった。
青少年保護委員会は、犯罪者の名前、年齢と住民登録番号、職業、住所などの身元と犯罪事実の要旨を、官報と青少年保護委員会のインターネットホームページ(www.youth.go.kr)、政府中央庁舎および16の市・道の掲示板に公開する予定だ。今回の公開対象者を職業別に見ると、無職21%、会社員19%、飲み屋経営などの自営業17%、労働9%などだった。年齢別には30代38%、20代28%、40代23%、50代8%、60代3%の順だった。(朝鮮日報 6/28)
(5)「韓国のW杯16強入り、悲観的」アンケート結果
韓国サッカーファンの70%が、2002年韓日ワールドカップ(W杯)における韓国の16強入りは難しいと予想した。6カ月前の調査では約85%のファンが可能性があると予想したが、今回は結果が逆転している。
ジョインスドットコム(www.joins.com)とサッカー戦門誌の月刊『ベスト・イレブン』が1日から20日までサッカーファン8972人を対象にアンケート調査をした結果、「16強入りが不可能」と答えた人が70.6%(6329人)にのぼった。「可能」と答えた人は29.4%にすぎなかった。
『ベスト・イレブン』が昨年12月に実施した同じ設問調査では、84.5%のファンが16強入りは「可能」と答えていた。
「不可能」と答えた理由としては「戦力不足」が55%(3478人)で1位だった。それ以外の理由は▽決定力不足(28.8%)▽守備不安(11.2%)▽ヒディンク監督の指導力不足(5%)−−などだった。
こうした結果は、5月30日〜6月10日に開かれたコンフェデレーション杯でのフランス戦大敗、予選落ちなどが大きく作用したと分析される。
また、これまでは漠然とした期待感が優勢だったが、現在は客観的な実力に基づいた判断ができるようになったと説明している。
一般のサッカーファンでなく、サッカー指導者・テレビ解説委員など専門家52人を対象にした同じ設問調査でも、「不可能」が61.5%(32人)に上った。
一方、16強入りが「可能」と答えた人は、その理由として▽ホームの利点(42%)▽ヒディンク監督の指導力(33.3%)▽戦力上昇(18.8%)▽自信感(5.9%)−−などを選んだ。
(中央日報 6/29)
(6)地方税滞納20万人、給料差し押さえ
所得税や登録税、住民税など、地方税の滞納者20万人余りに対し、ソウル市が大々的な“給料差し押さえ”を始めた。
ソウル市は21日、「去年の年末清算資料をもとに、地方税の滞納者に対して職場・所得調査を行った結果、20万1000人余りを“給料差し押さえ”対象に決定し、各自治区に通達した」と明らかにした。市から名簿を通達された自治区は本人への予告通知を経て不適格者を選び出した後、各職場に“給料差し押さえ”を通達することにした。
一方ソウル市は、地方税の滞納額が100万ウォンを超える滞納者12万7000人中、市内の各金融機関から金融財産の内訳を通達された5559人に対し、現金や債券など486億ウォンの金融財産を差し押さえたとした。これはソウル市と各自治区が去年差し押さえた金融財産108億ウォンの4倍を超える金額だ。差し押さえた金融財産は債権が237億ウォンと最も多く、その次は預金(231億ウォン)、有価株(12億ウォン)などだった。(朝鮮日報 6/21)
2001年7月
(1)54人が死亡か行方不明、住宅3万8000余世帯が浸水
7月15日から16日にかけての大雨でソウル・京畿道地域で54人が死亡、または行方不明になり、住宅3万8000余世帯が水に浸かった。死亡・行方不明者の場合、ソウル地域が28人で最も多く、京畿道と仁川でそれぞれ22人と4人だった。事故の原因としては感電(19人)・河川の急流(17人)・住宅浸水(10人)などの順だった。
全体浸水世帯のうち76%の2万6000世帯がソウルに集中しており、農耕地1500ヘクタールが水に浸り、豚・鶏・鴨など3万5000余頭が被害を受けた。
(中央日報 7/16)
(2)韓国の事業環境、アジア12カ国中9位
韓国の事業環境がアジア12カ国中下位に属していると評価された。
香港にある政治経済リスク評価顧問公司(PERC)がアジア諸国の企業家を対象に事業のしやすさを調査した結果、韓国は12カ国中9位だった。調査では経済インフラに対する評価、腐敗及び官僚主義の度合い、会社設立の容易さ、労働熟練度、労使紛糾及び輸入障壁程度が勘案された。
また費用の面で事務室の賃貸費、税金の程度、賃金水準も評価された。これに、マクドナルドのハンバーガー1つをいくらで買えるのかをドルベースで計算し比較した内容も含まれた。評価スケールは10から0までで、0に近いほど環境が良いことを表す。
シンガポールは3.05と首位で、香港が3.19で2位だった。3位は3.69を記録したマレーシアで、日本が4.40、タイが4.43、中国が4.52と続いた。台湾は4.67で7位、インドネシアが5.12で8位にランクされた。
韓国は5.22、フィリピンが5.35、インドが5.43と続いた。12カ国中最下位は6.53のベトナムだった。(朝鮮日報 7/2)
(3)ソウル、生活費の高い都市10位
ソウルが世界で10番目に生活費の高い都市に選ばれた。
コンサルティング社のウィリアム・エム・マーサーの調査によれば、ソウルをはじめ、アジアでは7つの都市が「世界で最も生活費の高い都市」の上位10位以内に含まれた。調査対象は、住宅からハンバーガー、コーヒーに至るまで、200品目の価格を比較、分析した。
生活費の最も高い都市は東京で、香港3位、北京5位、大阪6位、上海9位などだった。(朝鮮日報 7/17)
(4)所得分配の格差、日々拡大
韓国の所得分配の格差が先進国型のように拡大する可能性があるという見通しが出た。
韓国租税研究院は19日大統領府で、大統領が主宰した「中産層の育成及び庶民生活の向上対策」会議で、‘所得分配改善のための税制改革方向’を報告し、「通貨危機以降、所得分配の格差が大きく拡大しており、今年も多少拡大したものと推定される」と明らかにした。
租税研究院は最近の所得分配格差の拡大は景気の悪化、情報技術(IT)産業の発展及び成果主義の賃金体系の拡散などが主な原因となっていると分析した。特に金融・情報産業での少数の専門家中心の高額年俸化(最上位1〜3%程度)がジニ係数を上昇させる要因として作用していると説明した。
所得格差の過度な拡大を防ぐためには、金融所得総合課税の補完、不動産関連税制の改編、相続・贈与税の整備、非課税・減免の縮小などが推進されるべきだと指摘された。
(5)金泉市、「地方自治経営大賞」受賞
韓国能率協会が 全国の 広域市及び 市、郡、区
等の 基礎地方自治体を 対象に、行政の 創意性と革新性などを評価した
結果、 慶尚北道 金泉市が「韓国地方自治経営大賞」
最優秀賞に選ばれた。同市の最優秀賞受賞は、1998年に
続き 2回目。
韓国地方自治経営大賞は、 ▲財政運用状態、▲首長の
リーダーシップ、▲経営行政成果、▲環境への配慮
等の 10 項目について、 90種類の 事項を 評価した後
、書類審査と 専門審査 ・住民満足度 調査 などを
合わせ て判定する。(中央日報 7/25)
(6)コンフェデ杯ボランティアら「やりがいあった」
今年6月、ワールドカップのリハーサルとして開かれたコンフェデレーションズ杯に参加したボランティアの大多数が満足感を示し、来年の2002年ワールドカップにも参加したいとの意志を明らかにした。ワールドカップの韓国組織委員会が、コンフェデ杯で活動したボランティア1435人を対象に行ったアンケートで、回答者1000人中、722人が来年のワールドカップにもボランティア申請したと集計された。申請しなかった残りの278人は、学校や仕事の都合などを理由にしている。
回答者の74%が組織委など運営側に満足感を示したが、業務教育や協力態勢については44%が不満との回答を寄せ、注目された。またボランティアの問題提起に対する組織委の対処方法についても47%が不満を表明した。これに対し組織委では「コンフェデ杯の時にはボランティア募集、教育、配置など日程が差し迫っていたせいで、不十分だった」と話し、「ワールドカップまでには時間も充分あるので、徹底した準備を行うつもり」と表明した。
ボランティアは女性が53.7%と男性より多かった。年齢別では20代が467人、30代が204人と全体の半数を占め、大学生の比率は全体の37%にも及んだ。(7/25 朝鮮日報)
ソウル事務所
2001年8月
【韓・日文化交流会議、文化交流の「全面再開」を求める声明を発表】
日本の歴史教科書歪曲問題などで日韓関係が急速に冷めてきているなかで、韓日文化交流協議会は、「2002年W杯を控えて、韓国政府は大乗的次元で文化交流を全面的に再開しなければならない」との声明を発表した。
また、協議会はこの声明で、歴史教科書問題と小泉総理の靖国神社参拝問題に対して、「日本の中央政治権力とその周辺右翼勢力が演出し遂行したもの」としたうえで、「我々はただしい韓日関係のために、今、いかなる決断を下すべきなのか慎重に検討しなければならない」と述べた。
この協議会は、1998年韓日両国首脳の合意で発表された「21世紀へ向けた新たな韓日パートナーシップ共同宣言」に基づき、両国間の文化交流のために1999年スタートしたもので、韓日両国政府の推薦を受けた各々11名ずつの知識人で構成されている。(引用:2001.8.30東亜日報)
【IMF管理体制を脱却、しかし景気回復は不確実】
韓国は8月23日、金融・外貨危機で国際通貨基金(IMF)から受けた支援融資の残額全てを償還し、3年8カ月ぶりにIMF管理体制を完全に脱却した。
IMFの当局者たちは、韓国がIMF支援融資の早期償還を機に、新しい経済運営の転機を迎えたと評価するとともに、97年のような経済危機の恐れはないと見通した。
IMF総裁も金大中(キム・デジュン)大統領に手紙を送り、韓国のIMF支援融資の早期償還を「画期的なこと」と評価した。
しかしながら、韓国開発研究院(KDI)は、「米国経済が年末に、国内経済も第4四半期に回復すると予想したが、米国経済の回復が不透明なため韓国経済の回復も不確実になった」とし、景気側面では「3年半前より厳しい状況にある」との考えを示した。(引用:2001.8.30朝鮮日報及びコリアニュース)
【陶磁器エキスポ、外国人客が少ないため誘致活動を活発化】
8月10日から京畿道利川市、驪州市及び光州市で開かれている世界陶磁器エキスポを訪れる外国人観光客が当初の予想を大きく下回っている。エキスポ組織委員会によれば、15日までに75万人が訪れたが、外国人観光客は2.7%の2万人余りに過ぎなかった。
組織委は、当初エキスポ期間(10月28日まで)に外国人60万人の参加を見込んでいたが、大きく見こみが外れることになりそうだ。
これは、海外広報不足に加え、外国人観光客の大部分を占めると期待した日本人が、最近の日韓情勢で韓国訪問を忌避しているためと分析されている。
このため組織委は、日本にも緊急の協力依頼文書を送り、また、中国にも誘致団を派遣するなどの対策づくりを始めた。(引用;2001.8.17 中央日報)
2001年9月
【米同時多発テロに係る駐韓米軍・韓国軍等の動き】
米での大規模な飛行機テロ事件が発生した11日夜から12日未明(韓国時間)にかけて、駐韓米軍と韓国軍当局、警察は非常警戒令を発令し、緊迫した動きが続いた。
金大中大統領は、金東信国防長官と李根植行政自治部長官に緊急連絡し、全軍と警察に非常警戒態勢強化令を発令するよう指示した。また、政府の外交・安保レベルでの対応策を講ずるため、12日午前6時、国家安全保障会議を招集することにした。
◆駐韓米軍−駐韓米軍は、駐韓米軍とその家族に最高水準のテロ警戒令を発令し、警戒を大幅に強化した。現在韓国に滞在している米軍と家族、民間人は10万人に達するものと推計している。
◆韓国軍−軍首脳が急いで庁舎に出向き、執務室と地下バンカーの合同参謀指揮統制室で北朝鮮に対する警戒態勢などを点検、庁舎には一晩中緊張感が漂った。
軍当局は烏山空軍中央防空管制所を通じ、航路を離脱した航空機がないかどうかを綿密に監視する一方、北朝鮮の情報収集活動も強化した。
◆警察庁は、全国の警察に大使館・領事館・在韓米軍部隊など米関連施設に対する警備を強化し、帰宅した地方警察庁長および警察署長らについては事務室に即刻戻るよう緊急指示を出した。警察庁はまた、警察力の少ない時間帯の車両を利用したテロなどに備え、主要米軍施設にバリケードなどを追加設置することにした。
ソウル警察庁は同日夜、ソウル鐘路区の在韓米国大使館に1個中隊の警察兵力を追加配備したのをはじめ、龍山米軍基地の周辺、米空兵団の基地周辺などについても1個中隊の兵力を配備し警備を強化した。
(引用:2001.9.12朝鮮日報)
【南北会談再開・交流も再会へ】
韓国と北朝鮮は、18日、ソウルオリンピアホテルで第5回閣僚級会談の最終会議を開き、共同声明文を発表した。内容は次のとおりである。
@今年2月以降中断されていた南北離散家族訪問の再開。
A金剛山観光事業の活性化に向けた当局会談開催に加え、11月中に臨津江共同水害防止対策を話し合うための現地調査を行う。
B京義線鉄道と?山−開城間の道路連結▽開城工業団地の着工▽南北・ロシア間の鉄道・ガス管連結▽民間船舶の相手国の領海通過の許可▽北朝鮮側の東海(日本海)漁場共同利用問題などを扱うための第2回経済協力推進委員会の開催。
これとともに双方は、昨年12月の第4回会談の際に取り上げられたが実行されなかったテコンドー師範団の交換事業も進めることにした。
だが、政府が期待した金正日国防委員長のソウル答礼訪問や、反テロ共同宣言は十分取り上げられなかった。(引用:2001.9.18中央日報)
【W杯試合のチケット販売率、予選試合が低調】
サッカーの02年W杯チケットの2次販売で、開始してから3日間で開幕戦と準決勝のチケットが完売した。韓国代表の予選リーグと、決勝トーナメントの16強、8強戦などのチケットも順調に売れている。だが、他の予選リーグのチケット販売率はきわめて低調だ。
19日現在、39万枚あまりのチケットのうち、6万枚あまりが販売されたが、開幕戦と準決勝戦は車椅子席を除いて完売した。また、韓国代表の予選リーグ(開場=釜山・大邸・仁川)のメインスタンド及びバックスタンド付近席(カテゴリー1)もほぼ完売。コーナー付近席(カテゴリー2)及びゴール裏付近席(カテゴリー3)も大邸を除いて90%以上の販売率。しかし、残りの予選リーグは平均6%の販売率であった。
組織委員会の関係者は「12月1日の1次リーグ組み合わせ抽選会が終われば、予選リーグのチケットも売れるだろう」と期待している。(引用;2001.9.19 朝鮮日報)