(1) 社会の急激な変化に対応するため
●科学技術の進展
今日の急速な科学の進展により、私たちの生活には絶えず新しい知識、技術、価値観が出現しており、日常生活や職業生活を送る上で支障をきたすようになってきています。さらに、既存の知識や技術は陳腐化しやすいため、新たな知識、技術に対応するための学習が必要になってきています。●高度情報化
パーソナルコンピュータ、インターネットの急速な普及や通信技術の進歩、企業における情報システム化の進展などにより、日常生活においても高度情報化が進んできており、企業や団体、行政がそれぞれの情報を積極的に発信するばかりでなく、だれもが情報を受発信できるようになってきました。私たちはこうした情報に主体的に対応し活用することが生活上も必要になってきており、今後ますますその重要性が高まることが予想されます。
一方、産業活動においても情報関連産業が発達し、企業内の情報化が進むなかで在宅勤務などの新しい就業形態が生まれてきており、産業の構造的変革や日常生活の仕方自体を変えていくような新しい展開につながっていくと考えられます。●国際化
交通・通信手段の発達により世界が狭くなり、海外に出かける機会が増えるだけでなく、多くの外国人が訪れるようになりました。1997(平成9)年現在、約2万5千人の外国籍の方が県内に滞在しており、住民の100人に1人以上の割合を占めるまでなっています。
日常生活においてもこうした外国の方々との交流が進んでおり、異なる文化、習慣、宗教などを持つ人々との共存が大切です。このため、異なる文化や価値観に対する理解、尊重と寛容の精神を身につけるとともに、日本の文化、歴史を正しく学び、理解することが大切になってきています。●環境問題への対応
近年の社会経済の発展に伴い、森林破壊や海岸の埋め立てや野生生物の絶滅など、多様な自然環境が失われつつあり、人と自然との良好な関係を保ち、地域の特性に応じて自然環境を健全な状態に保全、創出するとともに開発を環境に配慮したものにすることが課題となっています。
また、大量生産、大量消費、大量廃棄を前提とする現代の生活・社会経済活動を見直し、環境への負荷の少ない新たな生活様式を作り上げるため住民や事業者、行政の連携が求められています。
環境問題は、生活排水による水質汚濁やごみの増大など、日常生活の在り方にかかわるものが多くなっており、地域での環境破壊が地球規模にも拡がるだけでなく、将来の世代まで影響を及ぼすものとなっています。