(6) 自己責任社会と生涯学習

 これまでの社会は、中央集権による画一性と公平性を追求する行政に代表されるように、個人の選択や多様性を軽視したものでした。「由らしむべし、知らしむべからず」という行政の在り方を抜本的に見直し、情報公開を進め住民の参画を通じて社会を形成しようとすることが新しい地域づくりの基本となっています。一方、不必要な行政規制や慣習を改め、市民団体やベンチャー企業等の民間による自由な発想と行動による活力ある社会の形成を進めるなかでは、県民一人ひとりが責任ある行為者として行動することも求められます。個人や団体、企業の自主性や自発性が尊重され、自由に選択できる社会においては、自己責任を求められることになり、このような「自己責任の社会」では、必要とされる情報が提供されるかわりに、それを自分で理解し決定する必要が出てきます。

 ある事柄を自分で決めるためには、何が重要で何が必要なのかを自ら判断する必要がありますが、そのためには生涯にわたって社会の動向を読みとりながら、日常の学習活動を通じて現在の自分に何が必要で何が不要なのかを判断し、選択することが重要になります。

 その意味で、自己責任社会においては自己決定をするための学習活動が一層必要になってくると思われます。

  ※ベンチャー企業;新技術を持って、リスクはあるが将来性のある分野に進出している企業。


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