第2学年3組 わくわくタイム(情報)学習指導案   第131回へ
 
1 単   元  ジャンボプリクラをつくろう!
2 立案の立場
 (1)情報化への対応
  高度情報通信社会といわれる現在,子どもたちは否応なしにマルチメディアの急速な発達の中におかれている。コンピュータが発展し,身の回りの家庭製品にも情報システムが組み込まれている。また,新聞や雑誌を利用して行われていた情報の収集・整理・分析も,現代では,コンピュータや 情報通信ネットワークが大きな役割を占め,様々な情報が情報通信ネットワークを通じて簡単に受信・発信できるようになった。
  今後,ますます高度情報通信社会が進展していく中で,子どもたちが,溢れる情報の中から自分たちに必要な情報を主体的に選択・活用できるようにしたり,情報の発信・受信の基本的ルールを身に付けたりすることなど,情報を適切に活用する基礎的な能力を育成するとともに,情報化の影響などについての理解を深めていくことは一層重要なものになってくると考える。
  本校では,平成11年10月にコンピュータが整備され,木曽川町の「コンピュータ教育年間 指導計画」に基づき情報の学習が始まった。さらに,1月より木曽川町情報教育補助講師が派遣され,授業をTTで行っている。TTのあり方についても,研究していきたい。
 (2)本校の目標と情報教育
  本校では,子どもたちに人や自然とかかわるなかで,「共に生きる力」をつけさせたいと考えている。共に生きる力は,次のように考えることができる。
 共に生きるための問題を解決する力        = 知性
 共に生きる人の生き方に共感する心        = 感情
 共に生きようとする自らの考えを表現する態度  = 意志
 
  さらに,知性は次の4点と考えることができる。
  @ 共に生きるための知識
  A 人とかかわるための技能
  B 問題を解決するための学習技能(情報活用能力等)
  C 共に生きるための方法を考え抜く思考力・判断力
  コンピュータは,知識を得る情報源として,また人とかかわるための媒体として,今後ますます生活の中に組み込まれる。コンピュータを共に生きるための道具の一つとしてとらえ,使い方を指 導していきたい。
 (3)児童の実態と指導したい内容
  本学級の児童は,「今日の授業はコンピュータ室」というと歓声をあげるほど,どの児童も毎週コンピュータの時間を楽しみにしており,意欲的に取り組む。1年生でペイントソフトを使ったお絵書きや文字入力,プリント印刷,ファイル保存などを学習しており,ほとんどの児童はマウスの 操作(クリック・ダブルクリック・ドラッグ操作等)が確実にできる。特にマルチブックは全員が大好きで,子どもたちがコンピュータでやってみたいことの筆頭にあげた教材でもある。 
  2年生ではお絵かきソフトを使い,「パレットツール」で絵を描き,「キーボードツール」で簡単な文章を作成している。このお絵かきやタイピングのゲームは子どもたちの大好きな学習でもあり,生き生きと取り組んでいる。子どもたちはコンピュータでもっと難しいことやいろいろなことをやってみたいという思いも強く,中には,インターネットをやってみたいという児童もいた。
  この単元では,必要な情報をデジタルカメラ(以下デジカメ)を使って入手し,その画像を見たり,コンピュータを使ってみんなに知らせたりすることを通して,将来,調べたことをわかりやすく伝えようとすることができることをねらいとしている。子どもたちにとっては,自分たちで調べてきたり,それをまとめたりしていくような機会はまだ少なく,情報を伝えていくことはまだまだ未熟であるが,この単元の学習を通して,自分から学んでいく姿勢や,互いに学び合う姿勢を育てていきたい。また,デジカメの操作は初めてという児童がほとんどなので,子どもたちの意欲を大事にし,挑戦させていきたい。「それ,どうやってやるの」「あれ,こんなこともできるのか」という子どもたち自身の知りたいという欲求や気づきを導きだせればと考え,子どもたちにより多くの体験する機会をつくるように心がけ,コンピュータの操作やソフトの扱いに慣れさせることをめざしている。
  コンピュータを活用した授業は子どもたちに夢を与え,子どもの学習活動の方法や場を広げていく可能性を含んでいる。デジカメを使い,その画像を積極的に学習に利用することができれば,調 べ学習や表現・発表活動に変化をもたらし,より充実したものにすることができる。そのためにも 本単元のリテラシーは重要なものと考え,設定した。
 
3 学年の目標と指導計画 木曽川町「コンピュータ教育 年間指導計画」による)
 ・ フロッピーディスク(以下FD)やCDから画像やファイルを見ることができる。
 ・ マウスを使って絵を描いたり,文字パレットから文字を入力したりすることができる。
 ・ 互いに教え合って,コンピュータを使うことができる。
学期  コンピュータ操作上の技能の習得 態度的な目標






 
・ デスクトップのショートカットやスタートメニュー から目的にあったソフトを起動することができる。
・ マウスを使って,クリックやドラッグの操作を行うことができる。
・ クリックパレットを使いマウスで文字を入力することができる。
・ デジカメの画像ファイルを見たり,FD(または目的のドライブ)に保存したりすることができる。  (本時)
・ マウスの操作に慣れ,自由に使うことができる。
・ わからない友達に操作を教えて協力しながら操作することができる。
 





 
・ クリックパレットを使いマウスで文字を入力することができ,簡単な文章を書くことができる。
・ クリック操作や10キーを使って簡単なゲームを楽しむことができる。
・ ペイントソフトを使って,テーマにそった絵を描いたり,用紙を選んで印刷したりすることができる。
・ 互いに教え合って,コンピ
 ュータを使うことができる。



 



 
・ 画像に説明を書き加え,お便りを作ることができる。 
・ 必要に応じてFDやCDからの画像を見ることができる。
・ 作品をFD(または目的のドライブ)へ保存したり,必要なファイル見つけて読み込んだりすることができる。
 
・ 作ったお便りを通して,他の人との交流をさらに深めることができる。 
4 関 連
 1年の目標:コンピュータの各部の名称を言うことができる。電源の投入と遮断ができる。マウス の操作ができる。
       マウスを使って絵を描くことができる。
       友達と仲良くコンピュータを使うことができる。
 3年の目標:必要なファイルをLANなどから検索したり,自分のファイルを保存したりすることができる。
絵と文字を組み合わせて,まとまりのある作品を作ることができる。
自分らしい作品を作ったり,友達の作品のよさを見つけたりすることができる。
 
5 本時の学習
(1) 本時の目標(◎は,生きる力を育てていく上で特に大切にしたい目標) 
  〈技術的な目標〉
  ○ デジカメの使い方を知り,撮影した画像を見ることができる。
  ◎ デジカメで撮影した画像を加工し,保存することができる。           






 

指導目標

画像を見る

画像を加工する

ファイルを保存する
全員に修得させたい技術 ・ キューブペイントからデジカメで撮影した画像を呼び出す。 ・ デジカメの画像を加工する。 
 
・ 呼び出した画像を,自分のフォルダーにそのまま保存する。
応用として紹介する技術

 
・ エクスプローラーから画像を見る。
 
・ キューブペイントの画像の一部をコピーし,キューブワードに貼り付ける。
 
・ ファイルに内容に適した名前を付けて保存する。 

 
 〈態度的な目標〉
○ 順番を守ってデジカメを使うことができる。
   ◎ 互いに撮影し合ったり,教え合ったりしながら,協力して学習することができる。
 
(2) 準 備
デジカメ(SONY Mabica)5台,FD21枚,ビジュアルプレゼンテーター(以下 VP)
  使用するソフト:キューブペイント,キューブワード
 
(3) 学習過程(○は予想される子どもの反応,点線枠内は主な発問)    



学 習 活 動
 
     
教師の働きかけ
 

評 価 















 

1 教師が作成した画像を見る。
 ○ すごい!
 ○ おもしろい!

2 画像の作り方を予想し,本時の 学習課題を知る。
 ○ ペイントでスタンプを押した  のかな。
 ○ 写真はどうするの。
 
 作ってみたい。
 




・ 製作意欲が高まったか。



 



 

 これからひみつの写真を見せます。
 



 
・ PC-SEMIで画像を一斉送信す る。  


 

 どうやって作ったと思う。
 


 
・ 


 
 ジャンボプリクラを作ろう!
 
 























 

30




 

3 キューブのアイコンをクリックしキューブペイントを起動する。

4 キューブペイントから,FDに入った画像を読み込む。
 
 できた!
 
 どうやって撮ったんだ。
 


5 デジカメの使い方を知る。





6 互いに写真を取り合う。

7 撮影した自分の写真でジャンボプリクラを作る。



8 作成した作品を保存する方法を知り,自分のフォルダーに保存する。

・ 全員が起動できるかを確認する。(TT)     
 

・ 正しく起動ができたか。





・ 自分なりに挑戦してみようとしているか。



・ デジカメの使い方が理解できたか。
・ 協力して撮影し合うことができたか。
・ 自分なりに工夫し,楽しんで作品を作ることができたか。



・ 保存することができたか。 



 

  キューブペイントから画像
を呼び出してみよう。
 



 
・ 自由に試行錯誤する時間を与え,ある程度時間が経過したら方法を指導する。(TT)   


 

  どうやって撮ったんだろう。
 


 
・ デジカメで撮影したことを知らせ,VPで使い方を紹介する。      
・ 近くにいる先生と一緒に写してもよいことを知らせる。(TT)



・ 撮影の終わった人から,FD をコンピュータに入れ,キューブペイントから画像を呼び出しプリクラを作るよう指示する。
・ スタンプなどで縁飾りをつけたり,文字を入れたりするとよいことを助言する。(TT)

・ ファイル名は日付,できる児童は適当な名前を付けるよう助言する。(TT) 
ひろげる


10




 
9 友達の作品を見て,よいところを話し合う。




10 キューブペイントからコピーし, キューブワードに貼り付ける方法を知る。
 
 文を書けば,写真付きの手紙が書ける。
 
 やってみたい。
 
  ・ 友だちの作品の良いところを見つけることができたか。


・  もっとやってみたいという意欲が高まったか。
 

 

  友達の作品を見て,自分の作品に活用できそうなワザを見つけよう。
 


 
・ PC-SEMIで画像を転送し,作品のよい所を見つけるように助言する。     

・ 可能性の広がりを示し,今後に期待感を持たせて授業を終える。    

 
(4)評 価
 ○ デジカメを使い,撮影した画像を見ることができたか。
  ◎ 意欲的に画像を加工し,保存することができたか。    
  ◎ 互いに撮影し合ったり,教え合ったりしながら,協力して学習することができたか。