第31回東海スクールネット研究会例会参加報告  第140回社楽へ
  テーマ 「これからのインターネットの教育利用を考える」
  月日  10月29日
  会場  大垣市のソフトピアジャパンで行われました。 

 印象に残ったっ点を一部紹介します。文責 土井。


水越敏行先生
(関西大学教授)
 1 教科学習と総合的学習
    教科は親学問の下にあり体系化されている 
    総合は調べたり交流・体験したりすることにより自分の認知構造に組み込む
    両者の往復を図るカリキュラム開発が必要
 2 情報教育の当面する課題
  (1)小学校、中学校、高校にわたる情報教育の体系や系統性の欠如
    次の論文に注目したい

井口磯夫教授は、情報機器の操作スキル、コミュニケーションスキル、そしてグループ活動のスキル、この三つを共通のベースにしている。その上に4本の柱を立てる。課題分析立案スキル、情報収集関連スキル、情報発信関連スキル、結果を自己評価するスキル。この4つの柱を小学校4年間、中学校3年間、高校3年間で螺旋的に巻き上げていく構想を提案している。(「教育展望」10月号2000年)

  (2)IT(Information Technology)とICT(Information and Communication technology)の棲み分けが意図的に図られていない。 ITは情報などの教科で、ICTは総合や社会科などで
  (3)教育行政の問題
  ドイツでは2006年までに、すべての小・中・高校生にノート型パソコンを配布する。その経費は約4兆2千億円。日本では、各教室に2台ずつのパソコンとプロジェクターを配備。スケールが違う。
 3 総合的学習と情報教育をつなげるもの〜新しい「メディアリテラシー」
  メディアリテラシーは、批判的視聴能力だけでなく、それぞれのメディアの特性を生かして、組み合わせて使いこなす「メディアミックス」の能力が主眼  

 これらの他に、いろいろな先進校の事例を紹介していただきました。吉永小百合の半生を追った実践、英語のレシピを見ながら英語科と家庭科教師のTTで授業を行った実践、外国人対象の「生活ガイドブック」を作る実践などがおもしろそうでした。
 
井上志朗先生(岐阜大学教育学部附属中学校)
 校内ネットワークが充実しており、各教室はもちろん、全130台がいつでもどこでも使える状態になっている。
 教官会議はペーパレスで行い、資料は事前に電子掲示板に登録する。資料はパワーポイントとワードか一太郎で行う。
 連絡、報告はメールや電子掲示板、相談は面談で行う。
 
 生徒は、学級日誌、日直点検表、生徒会だよりはキッズウエアでWeb上に記録
 
 全家庭がインターネットに接続し、連絡はすべてメールで、HPは毎日更新し、保護者メーリオングリストに参加している。
 
 この後、総合的な学習で行った「心の書創り」を紹介していただきました。
 詳しくは、

森保尚美先生(広島市立南観音小学校)
 総合的な学習に、音楽と情報の視点を用いた数少ない実践例です。

 6年生3学級が、相手を意識したコミュニケーション能力の育成をめざして活動しました。
川・・・・・・・・・ごみ拾いをして、地域の人々や釣り人に川をきれいにしようとはたらきかける。横断幕を作りキャンペーンソングを歌う。
保育園・・・・・お世話になった先生や園児たちを喜ばせる。
公民館祭り・・地域の行事に参加して、自分たちの歌を聴いてもらう
陸橋・・・・・・・通りがかりの人やバス停でバスを待つ人に、今の小学生を表した歌を聴いてもらい、感想を求める。
すしや・・・・・・オープンした店にお祝いの歌を歌いに行く。
野球選手の家・・地域在住のプロ野球選手に応援の歌を作って聞いてもらう。
  など、豊かな発想と行動力に驚きました。

 また、児童の歌をWeb上に載せる法的・技術的問題点をうかがいました。