○浜井
 次に、三方原用水施設の老朽化対策について伺います。
昭和29年に閣議決定された天竜奥三河特定地域総合開発計画によって秋葉ダムに取水し、受益面積およそ5500ヘクタ−ルの三方原台地の農地に用水を導入する国営の水利事業は、昭和35年から10年かけて、導水幹線22,3キロ、南北幹線合計20,6六キロの整備が図られたのであります。
 続いて昭和40年から46年にかけては、それぞれ県営のかんがい排水事業、圃場整備事業、畑総事業が実施され、野菜、果樹、花痔など、本県農業をリードする先進的な農業基盤が整備されたのであります。今日、国営事業の着手から30年、県営事業着手から25年の時の流れは、幹線、支線からポンプ設備に至るそれぞれの用水施設に著しい.老朽化をもたちしたのであります。
 昭和51年から63年にか.けて、県は関係の改良区と共同で幹線用水路についての見直しと整備を進め、これまでに1002カ所について修繕を終えています。修繕の約90%が管渠継ぎ目部のひび割れ及び漏水であり、また97%に相当する1074カ所が、昭和48年のオイルショック時に施行された路線であったと報告されています。特に吉野用水路と庄内用水路に破損箇所が集中しており、この2つの幹線にかかわる修繕だけで全体の約74%に達しているのであります。この事業は幹線について実施されましたが、まだ幾つかの用水路に同様な問題を抱え、事業完了後もさらに継続を求める声が強いのであります。
 今、私の手元に、庄内用水路に属する水利組合の資料があります。これによれば、昨年一年間の工区内における修繕は約70カ所、組合予算も乏しく、何らの補助もない中で、舗装を割って掘り出し、修繕を施すこれち一連の作業は、すべて組合員である農家の人たちの手によって行われております。
 この地域も、その大半が昭和48年に整備されたものであり、この年代に施工された製品と他の時期に施工された製品との問に著しい差異があったとされていますが、原因はそれだけでなく、経済社会の発展に伴う交通量の増加や通行車両の大型化にも求めることができると思われます。
 しかし、水利組合員の労力提供は、ほぼ5日に1回の割合で行われており、お互いのためとはいえ、農家にとって厳しい仕事であります。
  そこで、県はこうした実態を把握し、管渠を初め末端の畑かんポンプ設備に至るさまざまな施設の老朽化対策についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

議会質問
三方原用水の老朽化対策について

平成18年6月議会 本会議

平成3年9月議会