1 音楽公園について
1)臨海地区の幼稚計画
2)臨海地区農業への対応
3)農業者への対応
2 三方原用水施設の老朽化対策について
3 重度身体障害者授産施設の整備について
4 浜名湖環境財団の役割と船艇対策について
1)財団の役割
2)係船対策とマリ−ナ整備
3)沈廃船対策
5 環境行政推進体制の整備について |
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○浜井
まず、音楽公園についてであります。「東洋一、世界一の音楽堂が、浜名湖にシルエットを浮かべているなんてのは、いいのではないか」と、県政担当後初めて迎えた昭和62年新春の紙上を飾った知事の夢談義に、多くの県民が大きな期待を寄せました。音楽堂構想懇談会は、平成元年12月の末に答申をまとめ、「音楽堂は、緑と水と太陽を生かした空間に、多様な事業と施設の集積を目指した未来型のゾーンゾ−ン計画が望ましいと提言し、点から面へ、音楽堂から音楽公園へと、知事が最初に描いた夢をさらに膨らませていったのであります。
建設用地は浜名湖畔、浜松市村櫛町の臨海地区約100ヘクタ−ルと、舞阪町渚園の約17ヘクタ−ルとされ、浜名湖の湖水が映し出すシルエットのあるじを心待ちする反面、誘致の経緯を知らずに、この臨海地区で花卉や野菜を中心とする農業に活路を見出してきた農家の人たちとって、まさに「湖上青天のへきれき」でもありました。
浜名湖大橋が架橋されて雄踏、舞阪と結ばれるまでの村櫛は、陸の孤島と呼ばれ、庄内半島の南端に位置して、狭隘な農地と浜名湖の水資源に生活をかけた半農半漁の村民と零細な織物工業が混在するところでありました。終戦後、浜名湖を干拓して農地をつくりだそうと考えた当時の村入たちは、国や県の許可を得るために、また.強硬な反対派の説得のために、多くの時間と労力を注いだのであります。
戦後聞もなくのこと、予算も不十分なこの干拓事業は、冷たい風にさらされ・焼けつくような日差しを浴びながら続けられ、たくさんの汗がこの新しい農地の上に流されたのであります。そうした半ば手づくりの事業によつて生み出された農地は、戦後の食糧増産に一役買ったものの、高潮や大雨の前には全く無力、無抵抗な土地でありました。昭和47年に実施された土地改良事業によるかさ上げと、県営三方原用水事業の導入によって、臨海地区はようやく付加価値の高い農業が展開できる優良農地に変身を遂げたのであります。
こうした歴史を念頭に置きながら、そして、関連する他の議員の質問との重複を避け、この計画によって最も影響を受けると思われる臨海地区の農業と農業者の立場に立って、以下の質問をいたします。
最初の賢問は、臨海地区の用地計画についてであります。昨年所属した企画企業委員会の審議において、音楽公園計画の成否は農政聞題に尽きるどして、地域農業への真剣な対応を求めてきました。
この5月14日、1年がかりで発足した村櫛町音楽公園対策協議会との初会合に出席した県は、私見ながらと前置きをした上で、70%程度は確保したいとの考え方を示したと報道されました。基本構想の段階で詳細な情報が不足し、不安に駆られていた人たちに、この発言はおおむね好感をもって受けとめられたと思われます。既に昨年、地元の土地改良区による基礎調査も実施済みであり、加えて本年は地権者全員に対する調査も行われていますが、何分にも実施中のことであり、また施設の種類、面積、配置などの基本計画が定まらない時点では難しいこととは思いますが、知事は、この臨海地区の用地の計画についてどのように考えておられるのか、お尋ねするものであります。
○浜井
音楽公園について、次は、臨海地区農業への対応であります。
さまざまな困難を乗り越えてつくり上げた臨海地区の農業に希望が持てるようになると、村櫛の多くの人たちは、農業継続への意欲を燃やし始めました。
霜害もなく、日照も多く、山間地の露地栽培に比較して、芽吹きも開花も早い半島
随一の臨海の農地に対して、彼らは強い愛着を持っているのであります。
そこで、こうした地元の農業者たちの営農の継続と地域農業の将来のために、農地を集約化し、施設化するなど、世界一の音楽公園と地域農業が共存できるような努力をしていただきたいと思うのであります。当局のご所見をお伺いするものであります。
また、基本計画が定まっていない現在、具体的、詳細な回答は不可能なこととは思いますが、規模拡大を図るなど営農意欲の高い農家に対しどのように対応していかれるのか、.特に農政部長にお伺いをいたします。
○浜井
音楽公園について3点目は、農業者への対応であります。村櫛町の町域面積はおよそ433ヘクタ−ル、そのうち農地は約半分の104ヘクタ−ル、さらにまた、耕作されている農地はその半分程度とされ、.それらの耕作農地のほとんどが臨海地区に集中をしていました。農村社会が、一足早く高齢化の波を受ける中で、臨海地区においても一時期およそ3割から4割程度の農地が放置されていたといわれて
います。
放置された畑にはびこる雑草が、耕作地に及ぼす被害を最小限に食いとめるためもあって、臨海地域の農業者たちは、これらの遊休農地を有効に利用することを考えました。
そこで当局は、こうして悩んだ末に、最終的には公園計画に協力し、離農を図ろうと考えている人たちについてどのような対策を考えておられるのか、あわせてご所見を伺うものであります。
○浜井
次に、三方原用水施設の老朽化対策について伺います。
昭和29年に閣議決定された天竜奥三河特定地域総合開発計画によって秋葉ダムに取水し、受益面積およそ5500ヘクタ−ルの三方原台地の農地に用水を導入する国営の水利事業は、昭和35年から10年かけて、導水幹線22,3キロ、南北幹線合計20,6六キロの整備が図られたのであります。
続いて昭和40年から46年にかけては、それぞれ県営のかんがい排水事業、圃場整備事業、畑総事業が実施され、野菜、果樹、花痔など、本県農業をリードする先進的な農業基盤が整備されたのであります。今日、国営事業の着手から30年、県営事業着手から25年の時の流れは、幹線、支線からポンプ設備に至るそれぞれの用水施設に著しい.老朽化をもたちしたのであります。
昭和51年から63年にか.けて、県は関係の改良区と共同で幹線用水路についての見直しと整備を進め、これまでに1002カ所について修繕を終えています。修繕の約90%が管渠継ぎ目部のひび割れ及び漏水であり、また97%に相当する1074カ所が、昭和48年のオイルショック時に施行された路線であったと報告されています。特に吉野用水路と庄内用水路に破損箇所が集中しており、この2つの幹線にかかわる修繕だけで全体の約74%に達しているのであります。この事業は幹線について実施されましたが、まだ幾つかの用水路に同様な問題を抱え、事業完了後もさらに継続を求める声が強いのであります。
今、私の手元に、庄内用水路に属する水利組合の資料があります。これによれば、昨年一年間の工区内における修繕は約70カ所、組合予算も乏しく、何らの補助もない中で、舗装を割って掘り出し、修繕を施すこれち一連の作業は、すべて組合員である農家の人たちの手によって行われております。
この地域も、その大半が昭和48年に整備されたものであり、この年代に施工された製晶と他の時期に施工された製品との問に著しい差異があったとされていますが、原因はそれだけでなく、経済社会の発展に伴う交通量の増加や通行車両の大型化にも求めることができると思われます。しかし、水利組合員の労力提供は、ほぼ5日に1回の割合で行われており、お互いのためとはいえ、農家にとって厳しい仕事であります。
そこで、県はこうした実態を把握し、管渠を初め末端の畑かんポンプ設備に至るさまざまな施設の老朽化対策についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
○浜井
次に、重度身体障害者授産施設の整備について伺います。
入学したときには一人で歩けなかったとされる生徒が、ゴ−ルを目指して本当に真剣に全力で歩いていく。恐らくこの子の気持ちの中では、心の中では一生懸命に走っていただろうと思われます。
この夏、高校総体の開会式で味わったものとはまた違った感動を、私は養護学校の運動会で味わいました。高齢化社会が進む中で、こうして頑張っている障害児たちにも、長い長い社会人としての生活が待ち構えていると思うと胸が痛みます。
今、障害者の発生率は2,7%と言われていますが、発生率を60歳代に限定すると約7%、70歳以上では8,8%と高い数値を示しております。高齢になるに従い、.障害者と高齢者という行政の垣根が消えていきます。
障害者福祉行政は、障害者が高齢化するに従い、高齢者福祉の中に組み込まれていくものと私は思っています。
先日、昭和45年に、県下で初めての重度身障者授産施設として県が設備した三幸協同製作所を尋ねる機会がありました。ここでは六人ずつが、採光も十分とはいえない大部屋で生活をしており、入所者の健康やプラィバシ−に対する配慮は、それほどなされていないように感じました。入所者たちにアンケ−トをとったところ、従来どおりの6人部屋で満足できるとの意見が大勢を占めたと聞いて、重度の障害を持つ者同士の連帯感とひとり立ちへの不安を、その結果の中に読み取ったように思いました。 建築後21年が経過し、老朽化したこの施設が重度の身障者達の生活施設であることを考えれば、もう少し明るい居住空間、生活空問を整備してあげるべきだと思うのでありますが、当局の見解を伺うものであります。,
さらにこの施設は、近年特に入所者の高齢化、重複化や重度化が進み、施設設置の主要な目的である訓練による社会復帰は困難になりっっあり、長期滞在者には家庭復帰の道すら遠のいているということであります。こうした現状は、当人にとっても不幸なことであり、また自立、就労を目指して社会参加を果たそうとする若い障害児たちの、訓練の機会と場所を狭めていることにつながっていきます。県下の他の類似施設においても同様の傾向を示しているものと思われますが、各授産施設における入所者の高齢化の現状と、こうした施設における今後の高齢者への処遇と対策について、当局の見解をお尋ねするものであります。
○浜井
次に、財団法人浜名湖総合環境財団の役割と浜名湖の船艇対策についてお尋ねいたします。
まず、財団法人浜名湖総合環境財団の役割について伺います。本格的な余暇の時代を迎え、浜名湖の湖面が多面的に利用ぎれるようになるに従い、官民それぞれの立場から、浜名湖圏域の総合的な振興、活用、管理計画の策定が強く望まれていました。 平成2年3月、浜名湖総合振興計画と浜名湖河川環境管理基本計画がまとめられ、また本年5月には、そうした計画の実行機関としての期待を担って、財団法人浜名湖総合環境財団が設立されました。
昭和60年から昨年にかげた6年問に、浜名湖ではいわゆるプレジャ−ボ−トに関係する事故が11件発生しております。死者3名、重軽傷者12名という痛ましい数字が残されています。
湖上の安全は、浜名湖にかかわり合いを持つすべての人の願いであり、財団が受け継いだ航行安全業務への期待は大きいものがあります。
しかし、財団がその目的に掲げる事業を実施するに当たっては、それぞれに法令や行政官庁の支援等の裏づけが必要であり、そうした観点からこの財団を見る限りでは誠に心もとない限りであります。
例えば、事業の実施を予定している湖上のパトロ−ルでありますが、借上船によるパトロ−ルを行っても、不法航行船やその運転者に対して何の権限を持たない財団のパトロ−ル船がどのように対応できるのか疑問であります。
新居警察署に配備されている二隻の警備艇との連携を含めて、警察と財団との連携はどうなっているのか。また、それぞれの計画策定と財団設立に至る過程において、西部振興センタ−の果たした主導的役割は大きなものがあったと思われます。
生みの親の一人がなくなつてしまった今日、財団の役割に魂を吹き込み、積極的に後押しをしていくのは、行政のどこが担っていくのか、伺うものであります。
○浜井
次に、係船対策とマリ−ナ整備について伺います。本年2月の調査によれば、浜名湖における係船はおよそ一万隻、適法に係留されているものは、それぞれおよそ二千隻の漁船と二千五百隻のモ−タ−ボ−ト等であり、残り、貸し船の約五百隻とレジャ−船、釣り船や水上バイク等の約五千隻は、不法に係留されていることになります。 こうした状態を是正するためには、受け皿となる係船施設・マリ−ナ等の整備が前提となりますが、浜名湖においては、基本計画策定とそれに続く適地調査が既に完了しているにもかかわらず、いまだにマリ−ナ建設への扉は開かれないままであります。 既に昭和63年、本県においてはマリ−ナ建設に関する指導要綱を告示し、以来適正な施行を誘導して、地域の均衡ある発展を目指そうとしているのに、であります。 こうした受け皿の解決を図らずに、年々増加する不法係留船対策の実施は困難であると思うのでありますが、浜名湖におけるマリ−ナの建設については、どのように考え、どのように進めていくのか、伺うものであヶます。
○浜井
さて、財団の役割のうち、最後は沈廃船対策についてであります。浜名湖の沈廃船については、財団設立に先立ち、平成元年度から2年問で2千万円をかけて126隻の処理を終えました。
浜名湖の収容能力を超えて増加を続けるプレジャ−ボ−トの勢いを見れば、それに比例するさらに多くの沈廃船が不法に放置されていくものと思われます。
これに対応する財団の事業においては、通行証の発行にあわせた船籍登録システムを確立させて、全動力船の所有者の捕捉につとめることを目指そうとしています。
県の規則である河川法施行細則第2条によれば、モ−タ−ボ−ト等、知事が指定した船艇を通行させようとする者は許可を必要としていますが、ここでいうモ−タ−ボ−ト等は、同条第2項により、総トン数20トン未満5トン以上のホイ−ルハンドル、つまり円ハンドルのボ−トを意味しており、5トン未満の棒ハンドルのものについてはこれまで対象外とされていたのであります。
現在、不法に係留されている前述のような約5千隻を超えるボ−ト等は、まさにこ.の分野に属するものであります。
昭和61年に一部改正され、土木部長から各土木事務所、各市町村、そして各団体の長にあてたモ−タ−ボ−トの定義についての通知は、前述のとおりホィ−ルハンドル、すなわち円ハンドルにより操作するものとされており、棒ハンドルのものについては何らの変更も加えられていないのであります。
財団の設立と沈廃船対策事業の移譲に伴い、所有者を特定し、あわせて不法放置船の防止を図るためには、ハンドルの形状を問わず総トン数20トン未満の全部の船艇について、知事の許可の対象とする改正が必要とするのではないかと考えますが、ご所見を伺います。
○浜井
質問の最後は、環境行政推進体制の整備についてであります。
現代のキ−ワ−ドは「地球にやさしい」という言い回しであります。人類社会は、豊かで快適で、高度な文明社会を築き上げようとして、地球温暖化や酸性雨、熱帯雨林の減少、フロンガスによるオゾン層の破壊など、地球規模での自然環境破壊を繰り返してきました。
また国内では、資源エネルギ−等の大量消費に伴う一般廃棄物や産業廃棄物などの処理対策が、全国の自治体共通の課題として、大きく立ちはだかっているのであります。環境問題はまさに今日的な問題として、先送りできないぎりぎりのところまで来てしまったというのが実感であります。
このため、国においては、昨年の7月、環境庁に地球環境部を設置済みでありますし、同年10月の閣議では地球温暖化防止行動計画を決定するなど、積極的、本格的な対応に乗り出しております。
さらに、本年4月には、資源の有効利用を図り、廃棄物を減らし、環境保全に役立てようと、再生資源の利用の促進に関する法律、いわゆるリサイクル法が成立しており、また、ちょうど一昨日10月2日には、ごみの減量や適正処理を図るため、国民には減量と再利用を、そしてメ−カ−には、廃棄物処理に協力義務を課す廃棄物処理法改正案が成立したばかりであります。
本県も地球環境保全等に関する基金10億円の造成を行うとともに、本年度から環境文化部を設置するなど、環境問題にかける知事の意気込みが伝わってまいります。
そこで、静岡県衛生環境センタ−を抜本的に見直すなどして、複雑化する環境問題に総合的に対応する、新しい機能を持った機関の設置を考えていただきたいと思うのであります。
このセンタ−は、昭和57年、当時の衛生研究所と公害防止センタ−、そしてさらに中央消費生活センタ−を統合し、生活環境の中核的機関として開設されたものでありますが、このセンタ−の今日までの環境部門における業務は、大気汚染、水質汚濁といった従来からのいわゆる公害対策にかかわる試験、監視、指導などが中心であり、時代とともに変化する新しい環境問題に適切に対応するだけの機能が備わっていなかったと思われます。
そこで、地球環境問題を初め、廃棄物やリサイクル問題などへの関心が高まる中で、こうした環境問題に速やかに対処するためには、環境対策を総合的に取り扱う「地域にやさしく、環境にやさしい」出先機関の設置が必要であると考えますが、知事のご所見をお伺いいたしまして、ひとまず私の質問を終わります。
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○斉藤知事
浜井議員にお答えいたします。
まず、音楽公園についてのうち、臨海地区の用地計画についてであります。音楽公園は、本県の豊かな緑と水と太陽とを生かし、自然の中に広い空間を確保し、そこに多様な施設が集積され、創造と教育、研究などのさまざまな事業が展開される、世界に誇れる音楽のメッカとなることを目指して建設しようとするものであります。この理念を実現するために、豊かな自然環境に恵まれ、必要かっ十分な広さを有する浜松市村櫛町地先及び舞阪町渚園を建設予定地と定めさせていただきました。用地計画につきましては、基本計画策定委員会に、農業など、ただいま議員からご指摘、ご披露いただきました貴重な歴史を有するこの地域社会との共存を十分に考慮した計画の検討をお願いしているところであり、委員会からの提言を踏まえ、全体規模やゾ−ン設定などを具体的に定めることといたしております。いずれにいたしましても、地元のご理解とご協力を得ながら、構想の理念が実現できるよう、必要な用地の確保と農業経営との両立を図ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、歴史と血と汗と涙の地域ということも十分承知いたしております。近代環境社会の中におけるこの目的意識というものにつきましては、広く地域方々の直接関係者の方々のご理解をいただくことがまず先決でありましょう。
農業関係の推移の問題、営農の問題、現在生業されている方々の問題等々、今改めて諸事万端に尽きる時代の変化とともに、ありようというものも含めて、ぜひこの立派な音楽公園の実現方について御理解をいただきながら進めてまいりたいとこのよう
に考えておりますので、関係方々のぜひぜひのご理解と、決してそのことによって営農、農業方々にマイナスのような生活環境になってはならないということは十分承知の上で、ともに共存できるような形でやってまいりたいと、このように考えておりますので、ご鞭捷、ご指導、ご理解をいただきたいと、このように考えております。
ご指摘のように、時代の推移というものは、甚だ急速に変わりようがあります。かつての三方原用水が、今ご指摘がありましたように、もう20年たった今、あの大変な事業というものが20年たって既に老朽化して、これから今後このことについてどのようにするかということも含めて、地域における共存共栄につきましては、なおそうしたことをも含みながらやっていくような時代だということを、よくひとつ理解をしておりますし、また関係方々の時代とともに共存共栄できるというような関係につきましても、ぜひご理解をいただきたいとこのように考えるところであります。
○斉藤知事
次に、財団法人浜名湖総合環境財団の役割と浜名湖の船艇対策についてであります。
県民の、貴重な財産であります浜名湖は、活発な漁業生産の場であるとともに、海洋レクリエ−ションの諸条件にも恵まれ、多くの人々に親しまれてまいりました。
ところが近年、モータ−ボ−トや釣り船などのプレジャ−ボ−トが急増するのに伴い、議員ご指摘のようにさまざまな問題が発生しており、その対策は緊急な課題であると承知いたしております。このため、県といたしましては、まず放置されていた沈廃船を処理し、一掃したところではありますが、地元におきましても、漁業者を初め
とする利用者の皆様が中心となって、財団法人浜名湖総合環境財団を設立し、浜名湖を航行する船艇の目主的な管理に取り組み始めたところではあります。
県といたしましては、関係の市や町を初め他の行政機関とともに、この財団と車の両輸となつて、浜名湖の船艇対策を進めていくこととしており、財団に対してできる限りの支援をしてまいる考えであります。
○斉藤知事
次は、環境行政推進体制の整備についてであります。一
環境問題は、生活排水対策やごみ処理といった身近な問題から、地球温暖化や酸性雨、熱帯林の破壊といった地球規模に至るまでの多くの問題を抱えている重要な課題であります。従来の公害対策の範囲を超えた幅広い施策の推進が求められているところであります。
このため、県といたしましては、本年1月に地球環境問題等への取り組み方針を定めるとともに、本年度から環境文化部を設置し、地球環境スタッフの新設や産業廃棄物対策事務を移管するなど、環境行政の体制づくりに努めているところであります。 県行政への執行体制につきましては、常に社会、経済の変化や時代の要請に的確に対応できるよう配慮し、行政サービスの向上を図っているところでありますが、御提案の機関の設置につきましても、環憧行政を進める上でどのような体制が最良であるのか、御意見の趣旨を踏まえて、今後さらに検討してまいる所存であります。 なお、残余の部分につきましては関係部長から答弁をさせていただきます。
○鈴木新農政部長
音楽公園についてのうち、臨海地区農業への対応についてお答えをいた
します。音楽公園の建設が予定されております臨海地区は、菊、フリ−ジァなどの花や野菜などを生産する園芸地帯であります。農業対策につきましては、現在音楽公園の基本計画の策定作業が進められている段階でありますので、この計画の決定をまって対応していくこととしておりますが、当地区は高度な栽培技術や気象条件に恵まれておりますことから、施設化などによる先進的ガ農業経営や音楽公園と調和した新しい農業の展開なども想定されますので、今後地権者の意向調査結果等を踏まえながら、これらを検討してまいりたいと考えております。また、農地を提供され、営農の継続を希望する農家に対しましては、農地の流動化による経営規模の確保に努めるなど、農業経営に支障のないよう、.・地元浜松市や関係農協等と十分連携を図りながらへ所要の対策を推進してまいる考えであります。
○鈴木新農政部長
次に、三方原用水施設の老朽化対策についてお答えいたします。
古くから水不足に悩まされてきた三方原地域は、農業用水が導入されたことにより、洋菜類や花卉類など多種多様な作物の栽培が可能となり、現在では全国でも有数な先進的農業地帯となっております。
今後とも三方原地域の農業をより一層発展させていくためには、農業用水の安定供給が何よりも重要であみと考え、施設の適切な維持管理に努めているところであります。しかし、地元受益者が管理している用水路の一部には、老朽化や通行車両の大型化に伴う損傷などによる漏水が見られ、施設の補修工事がふえつつあることは御指摘のとおりであります。
このため、県は平成元年度から、県単独土地改良調査により、施設の老朽化等の状況について調査を行っているところであります。
今後この調査結果をもとに、緊急に対策が必要な胞設から、地元関係者の合意をいただいた上で、国の補助事業及び県単独事業を活用した改修や修繕を実施し、農業用水の安定供給に努めてまいりたいと考え.ております。以上でございます。
○石川環境・文化部長
音楽公園についてのうち、農業者への対応についてお答えいたします。議員御提案の音楽公園の中に花が咲きにおう空問をつくることは、音楽公園構想の趣旨に沿うものであり、そうした園地での花卉栽培や管理について園芸に関する経験豊かな地元の方々の御協力をいただくことは意義あることと考えます。
また、この計画に協力され転職を考えておられる方々に対しましても、公園内の諸施設の維持管理業務への就労など、生活再建の支援に努めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、音楽公園は地域社会とともに歩むべきものであり、地元の農業者への対応につきましては十分配慮してまいりたいと考えております。以上でございます。
○岩村民生部長
重度身体障害者授産施設の整備についてお答えをいたします。
三幸協同製作所は、県が建設してから21年が経過をし、御指摘がありましたように、施設の老朽化とともに生活機能や作業環境が低下し、入所者の処遇の面で十分応じ切れなくな.っており、施設関係者からも改善についての要望を承っているところであります。こうしたことから、今後関係者の意見も十分聞きながら、プライバシ−に配慮して、居室在少人数化したり、生活の場と仕事の場を分離して、できる限り一般社会に近い形にするなど、本施設が時代の二−ズに対応した重度障害者の社会自立の中核施設となるよう、改築について検討を行ってまいる所存であります。
○岩村民生部長
次に、入所者の高齢化の状況についてでありますが、県下4施設の年齢構成を10年前と比較をいたしますと、50代が1,6倍、60代以上が3,2倍と年齢層の高い方が多くなってきており、こうした傾向は今後一層進むものと思われます。このような高齢の入所者にっきましては、その障害の状
況や年齢等に応じ、身体障害者療護施設や特別養護老人ホ−ム等、他の施設への入所をお願いしているところでありますが、入所者の中には、長年住みなれた施設において、できるだけ仕事をしながら過ごしたいと希望する方も多いと聞いております。
したがいまして、三幸協同製作所の改築計画の検討に当たりましては、これらの状況を踏まえながら、高齢の障害者に適した作業や生活指導のあり方などについても配慮をして、他の授産施設のモデルとなるよう取り組んでまいる所存であります。以
上であります。
○寺田土木部長
浜名湖の船艇対策と財団法人浜名湖総合環境財団の役割についてお答えいたします。.まず、警察との関係でありますが、県警察本部も評議員として財団の運営に参画しておりますとともに、航行安全の強化や湖面の適正刷用の面から、パトロ−ル等の監視活動に御協力をいただいております。
また、財団の指導は、直接には河川管理を所管しております土木部河川課及び浜松土木事務所ガ対応しておりますが、必要に応じて他部門の協力を得ながら、財団の活動を総合的に支援するよう努めてまいります。
○寺田土木部長
次に、係船対策とマリ−ナ整備にっいてでありますが、県といたしましては、地元の市や町及び関係団体等の意見を踏まえて、湖面に係留区域を設定し、財団に一括して係留区域の河川占用を認めるとともに、その管理運営につきましても財団にゆだね、適正に係留されるよう誘導してまいりたいと考えております。
○寺田土木部長
次に、沈廃船対策でありますが、議員御指摘のとおり、総トン数20トン未満の.全船艇を通行許可の対象とし、船艇の所有者を把握することが今後におげる沈廃船の発生防止の有効な対策と考えぺ現在その制度化に向け、河川法施行細則を改正することとしております。以上であります。
〇浜井
再質問ということではなくて、お願いをひとつさせていただきたいと思います。
今日、農業者への配慮は十分するというということを知事さんの口からお聞きをしたわけですが、それは今日この傍聴席の中に、この音楽公園に反対の立場をとる地元の農協青年部の皆さん方が多分お見えになっていると思うんです。今まで県との間で、この農政というものが全然前へ出てこなかった。農業は切り捨てられるんじゃないか。音楽文化の発露、高揚というそうした大義のもとに、農業というものはなくなってしまうんじゃないかというような懸念を、そういう情報がなかった。今まで県の農政サイドの発言というものは、一切この音楽公園の区域内において聞こえてこなかったものですから、そういう一つの不安、懸念があったと思うんです。
今日は、あえて農政部長さんにも、基本計画策定中ということで非常に難しい立場にあるわけですけれども、あえて御登壇を願って、農政の立場というものを原則論をお話しいただいた。環境・文化部長さんからも同じように農業というものを十分考えていくという発言をいただきました。
この区域を定められました百ヘクタ−ルというのは、全部この土地改良施行区域の優艮農地、私が質問の中で申し上げたとおりの農地でございます。
この庄内半島における主要な仏産業というのはもう農業ということになっておりますから、その主要な産業によってなりわいを立てている人たちのことを十分配慮した世界一の音楽公園をつくっていただきたいと、そういうことをお願い申し上げまして、終わりにいたしたいと思います。
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