○浜井
 『次に幼保一元化について伺います。
 少子化の進行による保育園や幼稚園におけるこども集団の小規模化や、都市部における数万人もの待機児童、専業主婦の育児不安への支援の不足などの現実をうけて、去る6月9日、幼稚園と保育所を一元化した総合施設を創設する「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」いわゆる「認定こども園設置法」が成立し、この10月1日から実施されることになりました。
しかしなお、保育所は厚生労働省、幼稚園は文部科学省という指導監督に当たる所管省、そして保育と幼児教育について規定する児童福祉法と学校教育法、さらにそれぞれの施設に対する財政措置はそのままにして、新たな特別法を施行するということですから、現場では相当不安視する声が充満しています。10月からの実施に当たっては、多くの課題が山積していますが、ここでは次の3点について伺っておきたいと思います。
 まず第1点、国は両省による幼保連携推進室をつくって窓口を一本化するとしていますが、本県における窓口体制をどのように考えておられるのか伺います。』

○石川知事
『幼保一元化についてのうち、窓口の一本化についてであります。
 認定こども園は、次代を担う児童の就学前の教育、保育の場が、保護者の就労の有無によって、学校教育法に基づく幼稚園か児童福祉法に基づく保育所に決まってしまうという保護者の疑問にこたえて、幼稚園と保育所の機能を共に備えた新たな選択しを加えるということでスタ−トすることになりました。
 国においては、今回の法律を所管する丈部科学省と厚生労働省が連携して対応すること、今のところ両省の所管する現行の補助金その他の制度の組み合わせで対応していくことが考えられております。
 本県においては、それら現行の諸制度について、私立幼稚園については総務部私学振興室、公立幼稚園については教育委員会義務教育課、保育所等については健康福祉部子育て支援室と、3つの課室に所管が分かれております。
 しかしながら、県民の立場から見れば、窓ロの一元化が望ましいわけでありますので、制度の詳細が明らかになり次第、最も適切な部署に一元化を図ってまいる考えであります。一
 ただ、現在のところは実務面で不明確な点も多いために国の制度説明等に対し、健康福祉部が中心となって対応しつつも、関係部署が連携して準備をせざるを得ませんので、県民の皆様に対しては、3つの課室のどこが相談を受けても適切な対応が可能となるよう図ってまいります。』

○浜井
『2点目、法第3条第1項第3号の子育て支援事業は、地域のニ−ズに照らして必要と認められるものを、保護者の要請に応じて適切に提供しうる体制のもとで行うことと規定されていますが、この事業に対する財源措置はどのようになるのか、地方に押しつけになるのではないかとも思われますが、ご所見を伺います。』

○藁科健康福祉部長
『幼保一元化についてのうち、はじめに、子育て支援事業についてお答えいたします。
 国では、認定こども園が子育て支援事業を実施するための費用に関して、保育所については、厚生労働省の一時保育促進事業や地域子育て支援センタ−事業等の助成制度を活用し、また、私立幼稚園については文部科学省の教育改革推進特別経費の子育て支援事業を活用するなど、それぞれ既存の助成制度により対応する方針であると伺っております。
 子育て支援事業は、家庭や地域社会の教育力、子育て力の向上に大変重要なものであり、保護者の要請にこたえ、適切に行なわれるよう必要な財源確保を、国に働きかけて行きたいと考えております。』

○浜井

『3点目、認定こども園は、都道府県が条例を制定して認定することとされていますが、国はガイドラインを示すだけで、具体的には地方の裁量に委ねられているようにうけとれます。
県条例制定に当たっては、幼児保育と幼児教育にかかわってきた、これまで努力をしてきた既存の法人や関係者等の意見を聴取すること、一番大事な地域のニ−ズを見極めることを、しっかりやっていただきたいと思います。
 また、特に問題となるのが地方裁量型施設であります。この施設については、公立優先とか無認可施設の飛び込み申請などを優先して既存の法人等の経営を圧迫することのないよう、充分配慮する必要があると思います。条例制定に当たっての、ご所見を伺います。』

○藁科健康福祉部長
『次に、条例による認定要件についてであります。
 認定こども園の職員配置や施設設備、教育、保育の内容といった、具体的な認定基準については、文部科学大臣と厚生労働大臣が協議して定める指針を参酌して、県が条例で定めることとなっています。
 認定こども園は、認可を受けた幼稚園又は保育所が、共通の機能や相互に補う機能を発揮することにより認定されることが基本でありますが、幼稚園、保育所のいずれの認可も受けていない施設で、一定の保育水準を持つものについて、地方裁量型として基準を設け、認定することとなっております。
 条例に定めるべき基準は、認可を受けている,受けていないにかかわらず、教育・保育の質が認定こども園においても現実に確保されるものでなければならないことから、子どもや保護者に接する幼稚園や保育所の関係者、また地域における子育て支援を推進する市や町などから意見を伺いながら条例案を作成していきたいと考えております。
議会質問へ
幼・保一元化について  認定こども園

平成18年6月議会 本会議