本県の平成15年度当初予算案が、先般県連三役並びに自民党政務調査会委員と知事との最終折衝を経てほぼ固まった。
国が昨年12月に示した地方財政計画では、規模で今年度比1,5%の減と2年連続のマイナスになった。地方一般歳出は4年連続で2%の減、地方単独事業も同様に4年連続で5,5%の減となったことから、相変わらずの厳しい予算編成となった。
新年度の県税収入ついては現在なお推計中ということだが、本年度実績の4,210億円を上回ることはない見通しだという。背に腹は代えられないため、赤字県債に極めて近い臨時財政対策債約700億円の発行を余儀なくされてしまった。これで財政健全化計画における県債残高の上限の2兆円を超えることが確実となってしまった。これまでほぼ順調に進めてきた本県の財政健全化計画にとって、赤信号のが点滅である。
国の施策と違い、地方で可能な景気浮揚策は限られたものになるが、それでも商工関係の予算については、殆どの事業でいずれも前年度予算額に上積みした。
厳しい予算編成の中でて一つ夢のある事業としてあげるとすれば、企画部の新規事業である「ユビキタス・ネットワ−ク推進事業」だろう。
「ユビキタス」はラテン語で、「同時に、至るところに存在する」という意味だという。いつでも、どこでも、誰とでも、相互に情報のやり取りができる時代、つまりユビキタス・ネットワ−ク時代の到来が間近いといわれ始めた。
このネットワ−クが構築されると、接続端末数の世界需要が100億台レベルまで可能になるということである。
29日の地方紙の朝刊に「”IPv6”活用し 新サ−ビス 県の研究会発足へ」という記事が載った。”IPv6”と、これも聞き慣れない言葉だが、これは”インタ−ネット・プロトコル・バ−ジョン6”という次世代のインタ−ネット技術のこと。
現在使われているIPは32ビット、このビット数で可能なコンピュ−タ−接続は約43億台だという。
これに対しバ−ジョン6では128ビット、約3,4の10の38乗台のコンピュ−タ−が利用できるようになる。
県の新年度事業は、今後この”IPv6”化が確実に進むと見て、ICタグなどの活用による農産物の安全流通の確保や、自動認知などによる自動車の渋滞緩和などの活用方法を研究する予算である。
この1月、アメリカネバダ州ラスベガスで開かれた世界最大の国際家電見本市で、個々のマイコンピュ−タ−の中にあるデ−タやネット情報などを、FM電波を使って腕時計で見ることができるソフトが公開されたと聞く。
画像や音声などを初めとするあらゆるデ−タや情報を、ネットワ−クを通じて家庭電化製品や生活必需品などの中に組み込んだIT家電やIT生活品が続々と開発されることを期待したい。 最先端をいくそうした「生活IT」製品が、今後の個人需要を喚起する起爆剤になる可能性が高いからである。 |
|
ユビキタス・ネットワ−ク