統一地方選挙の日程が迫ってきた。候補者はそれぞれ後援会事務所を設置して選挙戦に臨むというパタ−ンは変わらないが、最近では都市化の影響で、幹線道路沿いで広い駐車場を有するような土地を探すのは大変になった。
 昨年のうちに、浜松市においては、建築指導課と農業委員会の連名で「選挙後援会事務所の建築手続きについて」という文書を作成、市議会議員と行政書士会に通知していたが、浜松市選出の県議会議員にこの通知は届けられなかった。
 最近手にしたこの文書によれば、農地法第5条による一時転用申請については、平成14年11月11日までに提出し、農地部会で承認後、県へ送付し、平成15年1月6日に農地転用許可書が交付されるというフロ−が記されていた。
 更に、建築基準法第6条に基づく事務所等の建築確認申請の標準処理期間は30日とされていた。
 統一地方選挙に立候補する者にとって、この文書に書かれている内容は非常に大事なことである。県議会議員選挙の候補者も、都市計画法、農地法、建築基準法などの手続きは、特定行政庁である浜松市の許認可を受けなければならないからである。
 仮設建築物に対する法律は、建築基準法第6章の雑則中、第85条第5項に「仮設建築物に対する制限の緩和」として規定されている。この第85条では、工事を施行するため、現場以外に設ける工事用の事務所、下小屋や材料置き場その他これらに類するもの、いわゆる現場監督の事務所や工事用の資材置き場について規定されている。そして仮設選挙要事務所については、同条同項の「仮設興業場、博覧会建築物、仮設店舗その他これに類する建築物」に該当するとされている。仮設選挙用事務所の許可期間は、建築物の建築物の建築等の所要期間を考慮して、選挙告示日前おおむね3ヶ月以内から投票日の前日までとされている。当該仮設建築物の除却期間は、投票日から1ヶ月以内とし、除却届けにより確認すると規定されている。
 今回の浜松市の通達によれば、農地法の適用を受ける土地の場合は最短2ヶ月、農地部会の実施日程がずれれば3ヶ月、更に仮設事務所の確認申請に1ヶ月、最長4ヶ月を要する計算になる。
 公共工事を請け負った業者が、資材置き場や現場事務所として、工事現場近くの農地を一時転用する必要がある場合、許可を得て建築までに3ヶ月也4ヶ月も要してしまうということになると、工事工程管理に支障が生ずるということになりはしないだろうか。
 法は時代とともに、時代の流れに即して改定されていくことは承知している。地方議員であっても、法令の改正や執務改正に敏感でなければならないが、総ての法令に通じているわけではない。過去の行政実例を大きく代えるなどの行政上の取扱いについては、全市民に公平であって欲しいと思う。


仮設建築物許可行政