夏の猛暑と夏前から相次ぐ台風の本土上陸の影響を受けたものの、約半年間にわたって開催された浜名湖花博は、目標とした500万人を突破し、大成功の内に幕を閉じた。市内のホテル旅館をはじめ、うな丼やウナギパイなどの土産物品、沿道サ−ビスなど様々な分野で、花博の経済効果がみられた。もし静岡空港が開港していれば、間違いなく来場者は800万人を超えていたという人もいる。1日当たりの片道の陸路のバス利用は、6時間までが限界だといわれる。来場者のほとんどがバス利用だったことからすれば、空港があれば、北海道や九州・沖縄地域までが1泊2日圏となり、空港からのバス利用とセットで対応できたと考えることはできる。
愛知県で来年開催される世界万博 ”愛・地球博” に合わせた中部新国際空港の開港が、秒読みに入った。愛知万博協会はこの開港効果に大きな期待を寄せると同時に、目標1500万人来場者達成に自信を深めている。
さらに来年17年には、静岡空港と同じ平成5年度の国の第6次空港整備計画で採択された兵庫県の神戸空港も開港を迎える。平成11年9月から埋め立て工事を開始、本年9月末の時点で空港施設用地154ヘクタ−ルを含む約200ヘクタ−ルが陸域化し、今年度中に2500メ−トルの滑走路が完成する。関西国際空港まで70キロ、伊丹空港まで25キロという近距離に計画され、しかも全体事業費で静岡空港の建設費を1240億円も上回る3140億円を投入することから、これら既設空港との競合による収益性が問題視されてきた。神戸空港の圏域人口は重複人口を含めて約1000万人、実質的には約300万人と想定している。この空港の需要予測は開港時319万人である。
圏域人口1人1回は飛行機を利用することを一つの根拠としている。
一方、静岡県の人口は380万人、空港が完成すれば県民の約90%の330万人が、90分以内でアクセスできる。需要予測は、国内線だけで開港年106万人と抑え気味である。状況の変化もでてきた。当初は成田、関空への乗入れは不可とされていたが、成田の第2滑走路開設や関空利用者の低迷から、リ−ジョナルジェット機による両空港へのアクセスが可能になった。JR、航空利用を集計した片道3・5時間以上かかる国内遠隔地との旅客流動量合計は平成3年実績で123万人。平成12年度全国幹線旅客純流動調査では、230万人と倍増し、需要予測値を大きく上回っている。
今年に入り友好提携先の浙江省や韓国アシアナ航空からも国際定期便開設の熱いエ−ルが送られてくる。しかし建設地決定から17年、事業開始から11年を経過するものの、なお4世帯が頑なに反対している。建設を白紙にしない限り話合いには応じないとの姿勢を崩さない。用地取得率98%、事業費執行率は72,1%にまで達した。問答無用の反対者に対し、「土地収用法」を視野に入れた最後の解決に向けて、残された時間は、僅かしかない
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中部新国際・新神戸そして静岡空港