静岡空港の収用予算審議で紛糾が予想されていた今議会だが、民主党静岡県連が、「土地収用には反対」とする従来の見解を改めたことを受け、土地収用法に基づく裁決申請等に係る準備のための予算10億8千9百万円を、賛成多数で議決した。
一方、今議会、空港論議そっちのけで取り上げられたのが、県が「振り込め詐欺」対策として制作し、オンエア−した15秒のコマ−シャル「大阪のおばちゃん篇」(次ペ−ジに絵コンテ掲載) だった。
 全国的に、大阪が最も被害が少ないことに目をつけたが、府内のプロダクションに所属する3人の元気のいいおばちゃんを登用、「だまされんとき〜!」 と叫ぶコマ−シャル。制作費は200万円で、反響の大きさを考えれば大ヒット作といえる。「静岡県よくやった」という評価が大半だった反面、「大阪人は、みんなあんなにガサツではない」「大阪の評価を落とした」などという批判も数多くあったことは事実。それを受けてとうとう、大阪府の職員が本県にやってきて抗議するという一幕もあった。
これを知った大阪の3人のおばちゃん、大阪府に乗り込んで「税金使うて何で静岡まで行ったんや。どうせ使うなら、ワテラを大阪府のコマ−シャルに使えばいいんや」などと抗議したという報道まで流れた。
「オレオレ詐欺」は平成15年4月頃から急に頻発しだしたもので、この年度の本県の発生状況は、オレオレ詐欺109件で被害総額1億1,745万円、架空請求詐欺226件の同1億1,587万円だったが、翌平成16年は、オレオレ詐欺215件で被害総額7億3,345万円、架空請求詐欺247件の同2億7,461万円、融資保証金詐欺189件で同8,618万円、架空請求恐喝8件で同723万円と、総数にして659件、被害総額にして7億3,354万円と急増していた。
 いずれにしても、このコマ−シャルを打ってから、振り込め詐欺の被害が減り始めたようで、県広報局は思わぬ拾いものをした格好だ。目下、柳の下の二匹目のドジョウをねらって、とりあえず4月20日の愛知・万博「静岡県の日」に、伊豆の芸者衆と大阪のおばちゃんの共演を、続いてその後2日ほど3人に伊豆半島を回ってもらい、伊豆観光のPRに一役買ってもらおうと企画中とのこと。
 「何で大阪のおばちゃんばかりか」と、今度は静岡県の元気のいいおばちゃん達の抗議が高まらないか心配しているところである。

大阪のおばちゃんCM騒動