2003年9月に地方自治法の一部を改正する法律が施行され、地方公共団体における「公の施設」に対する「指定管理者制度」が導入されることになった。これまで、「公の施設」の管理は、地方公共団体が2分の1以上を出資する第三セクタ−などの法人や土地改良区などの公共団体、あるいは農協や自治体などのいわゆる公共的な団体が「受託管理」を行ってきた。
 今回の法改正ではこの「受託管理制度」を廃止し、代わって文化施設や福祉施設、スポ−ツ施設、あるいは公営住宅などの管理を、自治体が指定する株式会社やNPO法人などの民間事業者にに委ねることを可能にした。小泉改革が掲げる「官から民へ」の施策の展開であるが、そもそもは、借金まみれの国や地方が、行財政改革の一つの方策として民間資本を活用するという「PFI事業の推進」と並立する制度である。要するに「PFI」で建設する「公の施設」の利用料設定や徴収などの権限をを事業者に与え、当該施設の円滑な管理を図らせようとの思いが垣間見える。
 そうした経緯をふまえ、様々な観点から「PFI」に注目し続けてきた私は、委託管理方式をとっている県の133の施設と1,080の直営施設を念頭に、先の2月議会でこの指定管理者制度を取り上げ、「今後の対応」、「県内業者の取り扱い」、「第三者評価方式」。「ネ−ミング・ライツ」、「外郭団体の見直し」について質している。(既報)
改正自治法はすべての地方自治体に対して、来年すなわち平成18年の9月2日までに、「公の施設」について「指定管理者制度」に移行するか、「直営」で行うかの選択をしなければならないとしている。
 また、今後新設される「公の施設」は「指定管理者制度」を前提とすることを総務省は指導している。本県ではすでに、「富士山こどもの国」など五つの施設について、4月1日から「指定管理者制度」を導入済みだ。
今議会では、新たに「エコパ」などへ同制度を導入するための条例改正案14件が上程されており、今日から委員会審議に入る。
「公の施設」には、住民福祉の増進のための均等なサ−ビス提供などが求められてきた。「指定管理者制度」の導入は、行財政改革の一環として、民間の企画力と経費節減効果に期待する。住民福祉や均一なサ−ビスと経済効率との整合性が問題となろうが、一方で、行財政改革を仕上げられない自治体は、いずれ破綻を覚悟しなければならないのだ。

指定管理者制度