「観光入り込み客数」という全国の統計がある。少し古いが中部運輸局企画部観光課が出している平成12年の観光入り込み客数のまとめを見ると、本県は、前年度比8%減の1億2,281万人となって、東海・北陸を網羅する中部運輸局管内ではトップの数字となっている。
2番目に知県の1億1,881万人が続き、一番低いのは石川県の2千149万人である。こうした統計が全国の都道府県や市町村で出されているのだが、実はこれ算出の仕方がバラバラで、一律に比較することができないことになっている。
その意味は、本県は年度ごと、他の7県は暦年の数値であること。そして例えば1泊2日の旅行客については、本県は「2」人と、延べで数えるのに対し、これを「1」人と数えるところも多い。
また、愛知県をはじめ他の6県は、熱田神宮や豊川稲荷、伊勢市内宮、東尋坊、兼六園などの主要施設ごとに概数をカウントしているが、本県は、主要施設別デ−タがないため、市町村別デ−タによるしかなく、「静岡市9、565人」、「伊東市9,395人」「旧清水市9,041人」などとなっている。
毎年の「観光入り込み動向調査の」の資料が出されるたびに、県当局に対して「所管の旧運輸省に対して、統計手法の統一の申し入れをするよう」これまで私は所管委員会等で何度も促してきた経緯があるが、国は一向に動かない。
さて、少子高齢社会を迎えて、本県においても定住人口を増加させることは用意ではない。21世紀を生き延びる地域として、その活性化を図るためには交流人口の増大を図ることが求められている。本県は、「伊豆新世紀創造祭」、「東海道4百年祭」、そして昨年の「浜名湖花博」などのイベントを積極的に企画して一定の成果をあげてきた。
しかし、本県の観光交流人口は昭和63年の1億4、000万人をピ−クに、花博効果の昨年でも1億3、500万人に止まっており、宿泊客数は平成3年の2,765万人が、昨年は1,927万人と、ピ−ク時の30%も減ってしまった。高速交通網が整備された今、伊豆はもはや「東京の奥座敷」ではなくなった。
本県の観光地の魅力が無くなった訳ではないと思っている。日本一の富士山、南アルプスもあり、リアス式海岸や一応砂丘もある、海岸線も長い、泉源数は全国で4番目、温泉旅館の数は全国一という紛れもない数字もある。原点に返って、
「おもてなし満足度日本一」を公約の一つに掲げる石川知事と一緒になって、もう一度ハ−ドソフト両面からの観光交流人口増大策を考えていかなければならない。
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観光入り込み客数