IT基本法が制定され、情報化社会に対応する「e−JAPAN重点戦略」が示されたのが平成13年3月のこと。
 ブロ−ドバンド等によるインタ−ネット利用環境整備を推進し、全国すべての自治体において電子化を構築し、我が国が「世界最先端のIT国家」になることを目指したものだ。
 本県では、平成10年の「高度情報化基本計画」、12年の「情報化ビジョン2005」に基づいて、庁内LANの整備とともに職員一人一台パソコン体制が整備された。
 私は、14年6月の本会議において、「本県を世界的レベルの電子県庁にする」と公言した国から出向の担当部長に対し、「本県は民間主体によるADSLやCATVインタ−ネットの整備は主として都市域で進んでいるが、世界一を標榜するなら、FTTH(ファイバ−・ツ−・ザ・ホ−ム)、つまり県民の各家庭にまで光ファイバ−網を整備すべきではないかとした。
 この時、県議会各会派の控室は、庁内LANとは切り離された64KbpsのISDN回線だった。これで音楽CD1枚を取り込むのに約5時間を要するのに対し、1,5Mbps程度のADSL等なら約13分、1Gbpsの光ファイバ−なら約1秒で取り込めると、世界一を目指すにしてはあまりにも遠い実態を皮肉ったつもりだ。
 勿論このあとすぐ、会派の回線はADSLにかわったのはいうまでもない
さて、国の平成18年3月末の都道府県別「FTTHサ−ビス利用可能世帯比率」によれば、政府目標90%に対し全国平均は79,7%。利用可能世帯90%以上は大阪、東京、神奈川、滋賀、奈良、兵庫の6都府県に止まり、本県は68,7%で全国第23位に甘んじている。
 今年度、「光ファイバ−網整備推進事業費」が計上された。23年度を目標とする世帯カバ−率100%に向けて、地域ごとに光ファイバ−整備計画を作成し、地域における利活用普及や需要喚起策を推進する。
 遠隔医療、在宅学習、企業での活用など、誰でも、何時でも、どこからでも利用できる「ユビキタス・ネットワ−ク」社会の到来が、すぐそこに見え始めてきたことは喜ばしい限りである。

2月   静岡光ファイバ−網整備構想