130906 平和の缶詰
 130906 画期的節煙法
 130905 TPPと禁煙法
 130808 Dignity of Peace
 130808 ピースとハイライト
 130322 やはりロングピース
 130322 ショートピース
 090402 経済封鎖
 081119 Too Long Peace?
 081007 その後のロングピース
 080910 長い平和が消える?
 080609 処方箋
 070323 長い平和が消える
 070211 ロングピースが消える
2007.3.23

「国家への信頼感」の礎は財政であろう。ニューヨークタイムズの正月特集で「阿部内閣が財政再建以外のことに手を出したら、日本は崩壊する。」と言われたそうな。しかし政治家を職能では無く、身分と勘違いしている議員諸公は、そうした苦言には耳も貸さない。こうなるとやはり日本国崩壊60年周期説を思い出さざるを得ない。

  • 大東亜戦争は鬼畜米英から虐げられた亜細亜の民を救う為、ではあるものの、第一次大戦後のバブル景気がしぼみ、膨れ上がった財政赤字が世界大恐慌で破綻したことから、国民の目をそらす役にも立った。 (「税金は全て軍事費に使うので、国民の皆さんは自活して下さい。」と二宮尊徳が持ち上げられたのもこの頃)

  • 明治維新は倒幕により封建制度を打破して近代化を達成したと言うものの、幕府は財政赤字でどのみち崩壊していたであろうこと。(「攘夷-開国」がセクトの離合集散でころころ変わったり、「近衛師団」会津藩に全幅の信頼を置いていた光明天皇が、都合の良い時に変死して会津が賊軍になってしまう、と明治維新は変竹林なことが多すぎる。官軍が江戸城に押し込んで三井住友から借りた戦費に充てようと御金蔵をこじ開けたら、中はカラだったというが、小栗上野守が先手をうって何処かへ隠したというのでなく、すでに幕府御金蔵は底をついていたのだ。)

  • 「天明の大飢饉」というが、三年凶作の後、例えば伊達藩で領民の1/3が餓死し、給米の出ない青葉城下の武家屋敷から藩士が在所へ逃散して、荒れ果てた仙台が「杜の都」と呼ばれる様になってしまったのは、凶作の際の「御救米」に充てる、と年貢に上積みした米は「伊達騒動」の後処理に、吉原での官々接待に使ってしまい、米蔵はからっぽだったのが原因。

  • 田沼意次は賄賂の家元として悪名高いが、あの時田沼が「民活導入」で幕府の財政権を浪速の米問屋に売り飛ばしていなければ、いずれ幕府は倒産していたであろうこと。(田沼は伊達と組んで長崎奉行所の向こうを張り、メキシコ銀を狙う為に遠州相良に大平洋に接した城を貰ったのではなかろうか、というのが私見。)

と振り返ってみると、日本国はおおむね60年毎に倒産して、民草は塗炭の苦しみを味わっており、毎回原因は様々に言われるものの、背景は一貫して財政赤字だ。役人と御出入りがお手盛りで年貢を食っちまい、60年位でカタストロフィーに至る、ということを懲りもせずくり返している。次回引き金になるのは東海地震、あるいは第二時関東大震災であろうが、すでに世界の保険会社は、東京の地震保険の二次保険の引き受けから手を引いたそうだ。2月10日の先進国蔵相会議で、円安懸念が声明に含まれなかったことの方が、日本政府の地震予測よりも信頼できるかも知れない。

そうした財政のプロとして、各国の専門家とタメ口を利けるのは、阿部内閣では柳澤伯夫氏だけであるらしい。財政の専門家の立場からは「女は生む機械」というのも当然の発言なのだが、これを捉えて女性蔑視と騒ぐのも、財政改革に妙案があるならいざ知らず、群盲巨像の感がある。柳澤氏は真面目な人なので、国土庁長官として真面目に開発賊の首を切り、金融担当大臣として真面目に金融賊を殺し、いよいよ真面目に厚生労働賊の死刑執行にかかろうという時なので風当たりが強いのだろう。


「生む機械」が仕事をしないと、、、(BBCの国際面より)


それにしてもロングピースが消えてゆく。60年に渡っていくさに頬かむり、という近代世界史上でも最も奇天裂な国が地上から消えてしまう。タバコのロングピースも我々団塊の世代のタバコなので、定年が来るということだろうか。

「丸腰安保は国の恥」などという声の上がる前の、吉田茂とか、岸信介といった戦後派「怪物」の米国に向けた卑屈な笑顔の裏には、戦火をくぐり抜けた政治家のしたたかさがあった。

小泉純一郎氏はエルビスプレスリーのかみさんからサングラスを貰ってはしゃぐという「ギブミーチョコレート世代」なのだが、お次は岸信介の孫である。ロングピースも三代目で身代限りか。