21世紀の理想的な住宅、というのを少し考えてみました。幸い浜松は天龍杉の産地なので、 杉を主に使い、22世紀までは快適に暮らせる、というのがねらいです。

平面は3.6m巾の母屋の南北に1.8mの縁側をそなえ、大屋根を架けてあります。 南側は土間として冬期の太陽熱を床に貯えます。寝室等母屋部分は土間から 40cm-50cm程度の高さを取った床座の座敷部分と、縁側に設えた台所などにつながる 板の間に別れます。



畳が実はベッドである、と考えると、畳の続き間もなかなか魅力的ですが、板の間にベッドというのも考えられます。 「死ぬまで自分で使えるトイレ」なんていうのもこれからの時代のテーマでしょう。発想を変えると浴室とセットすることも考えられます。



構造は母屋を30cm角の柱と横架材による骨組みとし、これに縁側部分の柱梁が 取り付きます。縁側部分、間仕切り、座敷きの床などは使用状態に応じて小規模の改変が考えられますが、 母屋の骨組みにはそうした改変にも対応出来るよう、構造的余裕を持たせます。



一年を通じて快適な日照/日影を確保するには3m程度の軒高に対して1.8m程度の 軒の出が必要と思われます。こうした架構に対しても出桁など伝統的な構法が有効です。



冬期の熱循環とともに雨期の湿気対策として座敷き部分の床下から板の間床下に 強制通気をします。外壁の断熱性を高めることで室内は熱的にはワンルームと考えます。





夏期には日差しは室内に入りません。



春期、秋期には太陽がやや掛かります。



冬期には日差しは長く伸びて座敷きにまで入ります。



御殿か獄舎か
殿様か下男か