
産業博物館。建物には殆ど予算を掛けていない。

最初の大西洋横断汽船
SS GREAT BRITAIN。

川沿いに建つ今風タウンハウス。6000万円から1億円。

表側は昔風に、裏は今風、というのが売れ筋のようだ。
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- 川沿いの産業博物館に向かう。施設計画が面白い。建物、敷地には殆どコストを掛けていない。昔のままの埠頭施設をそのまま残し、見学者は昔風のクレーンの間を通り、線路を跨いで、これ又建物外部には全く手を付けない昔風の倉庫の入り口に着く。埠頭には保存船舶が接岸している。
- 鉄道以前の「乗り合い馬車」の時代の展示。明治から大正に掛けてと、50年程しか馬車の時代のない日本と違い、英国にはほぼ300年間にわたる馬車の時代が有る。
- 鉄道と大西洋横断汽船とをブリストルで接続しようとしたブラネルにとっては、ブリストルが河口港でなく、10キロ程上流にあった事が災いしたらしい。日本でいえば千石舟の時代の港は、大きな潮汐差と泥による影響で、帆船時代には無かった川筋での座礁事故が重なり、急遽エイボンマスに河口港を作ろうとした時には、海運の中心地はリバプールに移っていた。
- さらに進むとブラネルが作ったという世界最初の大洋横断航路用汽船「グレートブリテン号」が、作られたのと同じドックに保存されている。
- 「民間施設なので、あなたの寄付が保存を支えます。」「船の食堂を借り切って、一流コックの料理を楽しむ19世紀そのままの晩餐会もお支度できます。ロマンティックな結婚披露に是非。」といった案内とお土産売り場。
- 新築中のマンションが有るので聞いてみる。
- アパートは3000万円から5000万円、タウンハウスは6000万円から1億円。
- 「周辺企業にお勤めの方とか、ロンドンにお住まいの方で、こちらに会社が有るのでセカンドハウスにされる方とか、この辺りから海外においでで成功された方とか、中近東でお仕事をされている方とかがお求めです。」うーん、港街だ。
- 川の向こう側には工場の残骸とハイテク風のガラスの壁に囲まれたシネコンだという再開発が並んで見える。
- 日曜日なので、全ての店は5時前と早仕舞い。
- あせって横断歩道の中学生に「ここらへんにスーパー開いてない?」「えー、お店ですかあ、あそこの道行くと有るけど…、今日は日曜だからもう閉まってますよぉ。」
- 仕方が無いので宿舎の隣の飲屋に何か無いか覗いてみる。やはりポテトチップしか置いて無い。高いので飲屋で料理を食うやつは居ないのだ。兎に角座る。
- おや、サイダー(林檎酒)があるぞ。「サマーセットはサイダーの国です。」と書いてあるので飲んでみる。やや甘口。
- 続いてホテトチップの横に豚の皮がぶら下げてあるのを発見。これは旨そうだ。揚げ煎餅に似た豚の皮の空揚げは、豚肉を食べる文化には付いて回るのでは無いかと思う。一度ラード作りをやってみれば解る。豚の皮に出会うのはフィリピン(と言っても浜松市内のフィリピン飯屋)、沖縄に続いて3ケ所目だ。旨い、しかし糖尿病の人は食べてはいけません。
- おーっと、隣に座った若者が手巻きタバコをやっている。「現在でも市内ではタバコが生産されています。」と産業博物館の展示にあった通りだ。しかし豚の皮とスタウトと手巻きとくれば完全にジャンキーの世界なので、やめておく。
- スタウトが無くなると豚の皮も無くなったので、もうひと袋買って宿舎に戻る。
- まだ腹が減っているので、食パンひと切れにスティルトン(ビョーキもん)を塗って食って寝る。
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