11月19日 index

運河沿いに遊歩道が整備されている。


古風な貨物用エレベ−タシャフト。


上のエレベ−タをデザインモティ−フにした新築のマンション。


Corn Street はヴェネツィア風。


中世英国風の「市門」もあり。

  • 昨日、ちゃんと確認しておかなかったので、念のため「ギャラリーズ」を覗いてみるが、案の定ショップモビリティーは日曜休み。

  • 雨が降ったり止んだり。

  • セルフ食堂街で「ベイクドポテト」と「チキンティッカ」

  • 中心部の歴史地区のホテルはさすがに124ポンドから、と良いお値段。保険会社の幹部出張用かもしれない。

  • 帆船時代から第二次世界大戦まで、貿易会社、造船所等が立ち並んでいたという運河へ向かう。

  • 第二時大戦のドイツ軍の空爆の跡という教会が広島の原爆ドームの如くに建っている。

  • 古い建物の解体現場が有るので潜り込めないかと狙ったが、やはり仮囲いはきちんとしていて入れないようになっている。残念。

  • 古い穀物倉庫か何かの、20世紀はじめのデザインと思われるエレベータの張り出しをそのまま利用した建物がある。

  • 業務地域が中心部に近いため高級マンション地帯として再開発されている様子。200年くらい前までの、構造のしっかりした建物は構造をそのままにして改装する事が多いようである。

  • ミニマル風のデザインとの対比を狙ったものもある。

  • 水際に面した業務用の建物をマンションに転用するにあたって、運河沿い一階のワンスパンをアーケード状に解放して遊歩道とする再開発を進めているらしい。

  • 先ほど見えたエレベータ付きの建物の前のみ、建物に手をつけず水面に桟橋を作って歩道を廻しているのは、指定建築物で手がつけられないのか、開発側と指導側の折り合いが付かないのか。

  • 開放空地の真中に、産業機械の部品だったらしい巨大なプロペラ様の物をいかにもひっくり返りそうな姿のオブジェにして残し、「当敷地内での事故に関して、我が社は一切の責任を負いません。」という看板が添えてあるのは、指導要項に押し切られた開発側の腹いせみたいにも読める。

  • 「税関」という名前売り出し中のマンション(高そう)は旧税関の建物を改装しているらしい。現地案内所は閉まっていた。というか、歩いて10分程のこれも古い建物を改装した堂々たる事務所ビルに入居しており、入り口で「お約束の無い方は入れません。」と追い返されてしまったのだ。さっきの仮囲いに書いてあった電話番号を控えておかなかったので、歩いて引き返す気力も無く諦めた。隣は16世紀の建物という旅篭屋がレストランになっている。

  • レンタカーも休み。

  • 丘の上にてっぺんだけ見えるのがカボットタワーというのらしい。(カボットはブリストルの航海家。「コロンブスが発見したのはアメリカ大陸では無くて、カリブ海の小島であり、始めてアメリカ大陸に足を降ろしたのはブリストルのカボットである。」というのが市民の言い分。

  • 再びコーンストリートを通りかかる。ローマ、サンピエトロ寺院のドームのミニチュアみたいな屋根を乗せた建物もある。通り毎に、開発された年代をうかがわせるようにデザインが特徴を持っている。別の所には中世イギリス風の「市門」も残されている。


産業博物館。建物には殆ど予算を掛けていない。


最初の大西洋横断汽船
SS GREAT BRITAIN。


川沿いに建つ今風タウンハウス。6000万円から1億円。


表側は昔風に、裏は今風、というのが売れ筋のようだ。

  • 川沿いの産業博物館に向かう。施設計画が面白い。建物、敷地には殆どコストを掛けていない。昔のままの埠頭施設をそのまま残し、見学者は昔風のクレーンの間を通り、線路を跨いで、これ又建物外部には全く手を付けない昔風の倉庫の入り口に着く。埠頭には保存船舶が接岸している。

  • 鉄道以前の「乗り合い馬車」の時代の展示。明治から大正に掛けてと、50年程しか馬車の時代のない日本と違い、英国にはほぼ300年間にわたる馬車の時代が有る。

  • 鉄道と大西洋横断汽船とをブリストルで接続しようとしたブラネルにとっては、ブリストルが河口港でなく、10キロ程上流にあった事が災いしたらしい。日本でいえば千石舟の時代の港は、大きな潮汐差と泥による影響で、帆船時代には無かった川筋での座礁事故が重なり、急遽エイボンマスに河口港を作ろうとした時には、海運の中心地はリバプールに移っていた。

  • さらに進むとブラネルが作ったという世界最初の大洋横断航路用汽船「グレートブリテン号」が、作られたのと同じドックに保存されている。

  • 「民間施設なので、あなたの寄付が保存を支えます。」「船の食堂を借り切って、一流コックの料理を楽しむ19世紀そのままの晩餐会もお支度できます。ロマンティックな結婚披露に是非。」といった案内とお土産売り場。

  • 新築中のマンションが有るので聞いてみる。

    • アパートは3000万円から5000万円、タウンハウスは6000万円から1億円。

    • 「周辺企業にお勤めの方とか、ロンドンにお住まいの方で、こちらに会社が有るのでセカンドハウスにされる方とか、この辺りから海外においでで成功された方とか、中近東でお仕事をされている方とかがお求めです。」うーん、港街だ。

  • 川の向こう側には工場の残骸とハイテク風のガラスの壁に囲まれたシネコンだという再開発が並んで見える。

  • 日曜日なので、全ての店は5時前と早仕舞い。

  • あせって横断歩道の中学生に「ここらへんにスーパー開いてない?」「えー、お店ですかあ、あそこの道行くと有るけど…、今日は日曜だからもう閉まってますよぉ。」

  • 仕方が無いので宿舎の隣の飲屋に何か無いか覗いてみる。やはりポテトチップしか置いて無い。高いので飲屋で料理を食うやつは居ないのだ。兎に角座る。

  • おや、サイダー(林檎酒)があるぞ。「サマーセットはサイダーの国です。」と書いてあるので飲んでみる。やや甘口。

  • 続いてホテトチップの横に豚の皮がぶら下げてあるのを発見。これは旨そうだ。揚げ煎餅に似た豚の皮の空揚げは、豚肉を食べる文化には付いて回るのでは無いかと思う。一度ラード作りをやってみれば解る。豚の皮に出会うのはフィリピン(と言っても浜松市内のフィリピン飯屋)、沖縄に続いて3ケ所目だ。旨い、しかし糖尿病の人は食べてはいけません。

  • おーっと、隣に座った若者が手巻きタバコをやっている。「現在でも市内ではタバコが生産されています。」と産業博物館の展示にあった通りだ。しかし豚の皮とスタウトと手巻きとくれば完全にジャンキーの世界なので、やめておく。

  • スタウトが無くなると豚の皮も無くなったので、もうひと袋買って宿舎に戻る。

  • まだ腹が減っているので、食パンひと切れにスティルトン(ビョーキもん)を塗って食って寝る。
11月19日
古山恵一郎
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