
DLR ライムハウス駅…いやはや。

手前の「大英帝国跡地時計」が無きゃ幕張か台場なんだが。

川風寒き大川端。

バブってマス。

で、肝心なところはタスカン・オーダーで決めるという。
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- 地下鉄に降りてドックランドに向かってみる。「中央線は信号機不調の為しばらくお待ち下さい。」というのをしばらく待って、バンクでDLR(ドックランド軽便鉄道)に乗り変える。
- DLRはどこが軽便鉄道なのか良く解らない。車体も地下鉄中央線より大きく、線路もかって大英帝国海軍を支えた造船所地帯に、網の目の如く張り巡らされた引き込み線から、使えそうなところを拾ってつなぎ合わせて市内と連絡したものである。「安藤広重」の次が「ラッキョウ軽便」という我が国とはえらい違いなのだ。昨今の軽便鉄道ブ−ムにあやかったイメ−ジ戦略なのかも知れない。
- どっしりとしたレンガ積みの、「軽便」どころか「重厚長大」そのものという高架橋に、それとは対照的なガラスとスティールの覆いをかぶせた新駅を出ると、冷たい風に乗ってどこからかかすかにカレーの匂いが飛んで来る。バブリーな再開発の周辺には低所得者向けの公営住宅地帯が広がっていて、そのさらに外側を200年来変わらぬイ−ストロンドンの「掃き溜め」が囲んでいる。その辺りの何処かにあるインド系のエスニックコミュニティーから風に乗ってやって来る匂いなのであろう。
- 「西インドドック」と言うのがこれなのだろうか、駅前に延々と続く煉瓦塀に世界各地の時間を示す時計が掛けられていて、「大英帝国跡地」と言う雰囲気を演出している。
- 大川端に出ると、江戸の大川端・幕張・シアトルのウォーターフロントと変わらぬ、ポストモダンとやらの建物が並んでいる。背景のそこかしこには小林清親描く「大川端千本杭」の名残のようなものが漂っているのは「おできの親玉」の貫禄であろう。但しここには英国近代都市計画を代表する「セントポ−ル寺院の屋根の景観」は既に無い。
- ポストモダン風のエッジのある建物の、これ又エッジのある内装の食堂に入ってみる。
- 近所の職場で働いているのであろう、それなりの家庭に生まれ、それなりの躾が身に付いていない様に見える若者がたむろして、ピザをフォークでつついている。
- ガラスとスティ−ルの外装を通して川風の音が安っぽく響いている。
- ロンドンの「臨海副都心」なので、ウェイトレスはいちいち「…サ−。」を付けて返事をする。
- 味は食材屋の冷凍であるが、単価をあげる必要から10インチになってしまうピザは、これ又安そうな赤ワインで流し込んでも半分と片付か無い。「包め。」というと段ボールのケースにポイと入れて持ってくる。
- 「DLRはどこがライト・レールなんだい。」と聞くと、「解りません。地上を走るからでしょうか…サー。」
- 11ポンド何がし、という書き付けを持って来るので、15ポンドと書き込んでやると、「19ポンドですか…サー。」と来やがる。「15ポンドだよ。」と念押しをする。アルバイターのお嬢さんはさぞかし嫌な客だと思ったに違いないが、君が悪いんじゃない、安酒でピンクになった私の頭はドックランド再開発、或いはそれを生んだ「おできの親玉」が気に食わなかっただけさ。
- 寒風吹きすさぶ大川端へ出てみる。船着き場があるので、船は出るのか聞くと16:40からという、夏はともかく、この季節は通勤専用らしい。
- 「臨海副都心」の駅周辺をぐるりと回って、スタ−バックスでひと休み。
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このカ−ブに見覚えが。

1972年の同じ場所。殆ど何も変わっていない。

こちらは凄い渋滞の車の列。
1972
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- ドックランドの再開発で健康を害しそうなので、地下鉄キルバ−ンハイストリート経由アビ−ロ−ドに向かう事にする。
- 駅を16:00に出る。駅では気が付かなかったが、ベルサイズロ−ドにあるS字カ−ブを見て、28年前にも同じ道を歩いた記憶が戻って来た。
- 同年輩の通行人を探しては「アビーロ−ドのスタジオ…」と聞くと、皆が皆幸せそうな顔になり、親切に教えてくれるので、こちらも幸せになってくる。
- 通勤時間帯に入り、交通量がやたらに多い。
- 元は白かったスタジオの塀は落書きで真っ黒になっている。暗がりの中に観光客らしい若者が群れている。
- 写真を撮るうち、夕暮れが深まって来る。
- 「申し訳ありませんがアビーロードスタジオは業務施設のみで、お客さまをお迎えすることが出来ません。セントジョンズ駅のカフェでお休みの上、公式記念品をお求め下さい。」という看板に釣られて駅に向かう。
- 通勤車で道路は各方面とも気狂い走りになっている。特にマ−ブルア−チから来る車が表通りのアビーロードに入らないで、19世紀の郊外住宅地の道路そのものである隣のロウダウンロ−ドに流れ込み、19世紀のタウンハウスの間で渋滞しているのがみっともない。
- 駅の土産物で色々と買い込んでしまう。誰も居ない土産物と花屋の屋台の間のテーブルで温かいコ−ヒーをすすっていると、向かいのテーブルに黒人の女の子がお母さんと一緒にコップをかかえて座った。こぼすと熱いよ。
- 宿近くのス−パ−でサンドイッチを買って帰る。
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11月22日
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古山恵一郎
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