鉄道路線会社の警告

2000.11.14インデペンデント

鉄道調整官の実施目標は6億ポンドの打撃

鉄道路線会社は昨日、鉄道調整官が先月発表した新しい運賃抑制策によれば年間利益から一億ポンドづつが損なわれるとし、調整官による指導の変更を求めた。

鉄道網管理当局者によれば新たな指導に沿う困難による損失は600億ポンドに達する可能性があり、鉄道調整官トム・ウィンザ−氏の示した努力目標に従えば、鉄道授業拡充の為の予算に影響をおよぼしかねない。 来年4月から発効する新しい指導によって鉄道路線会社は鉄道運行会社に対し定時安全運行目標を達成できない場合、年間6千万ポンドのペナルティを求められる可能性がある。またトム・ウィンザ−氏の求める年間3%の経営改善が不可能な場合、損失は600億ポンドに達する可能性がある。同社によれば現実的な改善目標は2%である。

鉄道路線会社は一月までに鉄道調整官の指導を飲むか、調停委員会に異議申し立てをするかの選択をしなければならない。同社は委員会調停に持ち込むよりもトム・ウィンザ−氏に状況の変化に応じた指導目標の見直しを含む「包括的合意」を求めるものと見られる。これには例えば線路保守の一部または全てを社内化することで作業員の水準、効率を調整官の示した目標に近付ける、と言った案が含まれる。

影の鉄道委員会はまた鉄道路線会社の業務成績と成長目標ならびにこれらが安全性と効率に及ぼす効果を見直している。

鉄道調整官は新しい価格抑制策を鉄道路線会社による経営改善を8%と見込んでいる。旅客列車の営業は今年前半で10%低下しているのが現状であり、ハットフィ−ルド事故とその後の障害により、後半にはさらに悪化するものと思われる。鉄道路線会社の昨日の発表によれば同社は鉄道運行会社への補償と、250マイルに及ぶ線路の取り替えの為に、2億5千万ポンドを準備している。

鉄道路線会社代表のジェラルド・コ−ベット氏によれば「我々はハットフィ−ルド事故の後、今後5年間で経営改善をするために鉄道調整官の指導を受け入れるかどうかを自問している。4人が無くなり、30人が重傷を負うという凄まじい事故であり、我々はこれを慎重に調べなければならない。

コ−ベット氏によると全ての保線作業を社内化するには現在の人員11,000人に加えて、18,000人が必要。同社は線路の点検、技術及び工程管理を自社で行い、下請け会社の利害を同者の利害に近付けるため、契約期間を現在よりも長期のものにする予定。同氏はまた鉄道産業全体が巨大な渦に巻き込まれていながらも、同社の士気は「極めて高い。鉄道員は危機を愛するのです。」と付け加えた。

9月末期の税引き前利益は30%下がって一億7500万ポンドであり、7700万ポンドの減少の内、6200万ポンドは線路保守経費の増加によるもの、1500万ポンドが運行会社への補償金であった。中間利益は5%であったが2億5千万ポンドの特別経費を考えれば「出来る限りのところ。」としている。


鉄道産業、旅客の遅れ補償で内戦状態

2000.11.14インデペンデント

鉄道各社は昨晩、前例を見ない鉄道網の混乱によって乗客への補償額がどれほどになるかを巡り、内戦状態に直面した。洪水と広範囲の速度制限によって続く悪影響で、鉄道路線会社は複雑な補償システムに取り組む乗客の為、一億5000万ポンドを用意した。しかし鉄道運行会社によれば補償は3億3000万ポンドに登り、乗客が他の交通機関に乗り換えているため、毎日200万ポンドの損失があるという。鉄道運行会社によれば鉄道路線会社の試算は94-95年の資料に基づくもので、その後年間利用者は20%づつ延びている。



誰か新しい人に変わる良い時期だ。

鉄道路線会社代表
「私は本当に辞める。」

2000.11.17イブニングスタンダード

「最適の人物」首相との会談後、怒って辞任

年収4億ポンドの鉄道路線会社代表ジェラルド・コーベット氏は今日の午後、鉄道産業全体を揺るがす動きの中で辞任した。

情報筋によれば辞任に先立つ首相と代表の会談は緊張に満ちたものだったという。昨日の会談は一時間範の長きにわたるもので、代表は沈痛な面持ちでコメントを断った。

本日午後2時には鉄道路線会社は代表の辞任と、財務担当重役スティ−ブン・マ−シャル氏が代表に就任し、ただちに業務を引き継いだことを発表した。

ハットフィ−ルド事故の後、コーベット氏は辞意を表明したが、取締役会は鉄道事業にとって最適の人物であるとして辞意を受け入れず、同氏は24時間後に辞意を撤回していたものである。

しかし同社は全国鉄道路線網の保守が貧弱であり、一日当たり130万ポンドという声に合わせて利益を掻き集めているという非難にさらされていた。ハットフィ−ルド事故現場のレ−ル状況が不十分なことが春には判明していたにもかかわらず、同社が何も手をうたなかったことが明るみに出て以来非難の声は高まっていた。ハットフィ−ルド事故によって全国の鉄道路線網は混乱の中に投げ込まれた。同事故はレ−ルの不良が原因であり、同様な不良レ−ル−場合によっては製造後12ヶ月未満のものーの損傷が数百箇所で発見された。鉄道路線会社はただちに全国で600ケ所に及ぶ速度制限-大部分は時速20マイルを導入し、大規模な遅れと運行停止の原因となった。

コーベット氏と大臣の関係はこの数週間良いことが無く、プレスコット氏は重ねてコーベット氏が適任者であることを否定してきた。副首相は辞任に直接言及を避け、「私は鉄道路線会社には全幅の信頼をおいており、業務が進められることを望んでいる。」と述べた。


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全てが一新
ダウニング街を行くジェラルド・コーベット氏。昨晩は鉄道路線会社の代表を辞任して鉄道界を驚かせた。

鉄道路線会社代表、鉄道の混乱でついに引責辞任

2000.11.18デイリーエクスプレス

戦後最悪の鉄道の混乱の影のボスは昨夜、経験一年に満たない財務担当者と交代。

鉄道路線会社代表ジェラルド・コーベット氏(49)はハットフィ−ルど事故後に辞意を慰留されてから一ヶ月後、年収3億770万ポンドの職を辞した。
後任の財務担当重役スティ−ブン・マ−シャル氏(43)は昨年12月に入社するまではテレビレンタルのソ−ン社にいた人物である。会長のフィリップ・ベック卿も来年には辞めたいと漏らした。
鉄道路線会社はこれまで安全よりも利益を重視しているとされながら、査察の眼を逃れて来ていた。
最大鉄道労組RMT副委員長のバ−ノン・ヒンス氏によれば「業務の専門家で無く、財務担当者を指名したことは鉄道路線会社が相変わらず利益の最大化をも目論んでいる証拠。」と語った。
同様の見方は今後4ヶ月にわたって鉄道路線会社が全国300マイルのレ−ルと800ケ所のポイント交換を終えるまで、さらなる苦境に立たされる鉄道産業界に広がっている。
ある鉄道運用会社の役員によれば「鉄道路線会社は様々な技術的困難によって試練の時に立たされいるのに、財務担当者がそのために最適な人材だとは考えられない。コスト第一という人達にしてみれば心配が無いということか。」


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鉄道路線会社代表は利益より安全を優先させなければならない。

2000.11.18デイリーエクスプレス社説


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