「増加する交通は皮肉なことに自転車道路、バス路線と自家用車との間でのトレ−ドオフになっている。」と自動車協会のポール・ワターズさん。「自家用車側が負けることが多く、これは関所政策、不適切な右折禁止や一方通行となって返ってくることが多い。何マイルにも渡って何百と言う禁止事項が重なって、全体として道路を道路を使い物にならなくし、自家用車の交通権を奪っている。これは「いじめ」だ。それぞれの自治体がなぜこうした政策を取り入れているかを立証するのは難しい。「関所政策」の様に、証拠を掴むのが困難な何かが動いている。しかし自治体は交通増加の圧力下に置かれており、道路を塞ぐのが一番簡単なのだ。
「問題はロンドンには費用対効果の分析がないことだ。新しい施策を取り入れて、それをモニタ−する場合も有る。しかし常にその負担は日曜日にまで綱渡りをしなければならない自家用車の利用者に廻ってくる。
無数の裏道を心得ていて、渋滞を避けることが出来るはずのタクシーも同じ様に困っている。「道路事情はもう限界です。これ以上悪くなり樣がない。」というのは登録運転手協会の事務長ボブ・オディさん。「役所が道路のつながりをどうにかしようと考える度に、道路工事が有る度に状況は悪くなります。以前は週末の仕事は楽なものだったのが、今では誰も嫌がります。ひどすぎます。」
道路閉鎖
ロンドンの自家用車保有率は10年前に較べて3%の増加に留まり、全国の20%増に較べて際立っている。ロンドンの交通量はわずかながら10年前より減少している。
10年前の調査では平均的な24時間の間にロンドンに流入する車は1,644、000台であったものが、現在はこれが1,559,000台になっている。但しこれはここ数週間の鉄道網の混乱による5%の増加を考慮しないもの。通勤の行き帰りに要する時間が延びて運転者のストレスを増加させている。都心の平均速度が時速2マイル減少したことで、都心を通らなければならない人々の負担が増加している。
ロンドンの交通、史上最悪
2000.11.22イブニングスタンダード
ハットフィ−ルド事故後の通勤車で交通量が25%増加
ロンドンの交通渋滞は公式発表で過去最悪
混乱する鉄道と地下鉄を諦めた通勤の人々によって首都周辺の道路状況は危機的な点に近付きつつある。
自動車協会のまとめによればハットフィ−ルド事故とセヴァ−ン川の洪水後、通勤者がなりふり構わず自家用車に殺到したためロンドン周辺の道路交通量は25%増加した。調査機関は都心の一部と主要通勤幹線で渋滞が24時間に及ぶものと警告している。
ケン・リヴィングストン氏はロンドンの道路交通を15%軽減するとした選挙公約を放棄せざるをえないところに追い込まれた。結果的に市町は「投票してくれた全ての有権者を裏切った。」として非難されよう。
自動車協会は本日、ハットフィ−ルド事故とそれに続く技術的な鉄道網の閉鎖によって、それまで公共交通を利用していた人々の多くが、鉄道は信頼性にかけるとして自家用車に戻って来ていると発表した。
こうした人々の運転の未経験が冬の到来と長い夜が結びついてロンドンの道路は立ち往生状態となり、クリスマスショッピングが輪を掛けて通勤者を悲惨な状態にさらすこととなる。
自動車協会によれば、永年の交通圧力によってロンドン中心部の道路における平均速度は、朝の通勤時間帯には時速10マイルに落ちていたが、ハットフィ−ルド事故後、これが24時間平均で時速9マイル程度になっている模様とのこと。スポークスマンによれば「既に飽和状態なので、これ以上は落ちない。」
定期券利用者は19日間までタダ乗り
2000.11.22イブニングスタンダード
速度制限と台風による鉄道の遅れの補償は、定期券利用者では最大19日間までということに、、
以下略
混乱の鉄道乗客に5,000万ポンドのディール
2000.11.23メトロ(地下鉄駅にある無料紙)
昨日、鉄道の遅れ・運休で被害を被った乗客への補償総額が5,000万ポンドときまったが、補償対象とならずに怒る人も。ハットフィ−ルド事故と洪水による混乱で被害を被った10月15日から11月10日までの利用者のうち、定期券客には最高22日までの補償があるが、一日券、週間券の利用者は複雑な補償請求をしなければならない。
以下略
2000.11.23メトロ(地下鉄駅に有る無料紙)
記録的な交通量でロンドン立ち往生
鉄道危機よって引き起こされたロンドンの渋滞は記録的なレベルに達したことが昨日明らかにされた。鉄道の遅れと運休の広がりによって、多くの通勤者が鉄道を諦めて自家用車を選んだ。
その結果、首都圏の多くの道路が夕方まで実質的に立ち往生の状態となった。自動車協会の発表ではハットフィ−ルドの脱線事故と洪水の後、ロンドンの交通は25%増加した。
協会では状況はクリスマスから新年まで更に悪化するものと警告している。
「ロンドンの交通量には大きな増加があり、特に郊外でひどく、都心部では既にキャパシティーに達している。
人々は自宅でただ手を拱いている訳には行かず、目的地まで辿り着かなければならない。冬季の路面とホリデ−期間の交通増加にもかかわらず、鉄道の混乱によっ人々は自家用車に乗らざるを得なく、状況は更に悪化しそうである。
「読にも速くつくことは出来ないが、危機が終わればまた鉄道を選んでもらえるものと確信している。」
鉄道会社は乗客の激減で損害を被っている。鉄道運行会社のスポ−クスマンによれば「ハットフィ−ルド事故の後、相当数の乗客が減っています。」事態の悪化でリヴィングストン市長はロンドンの交通量を15%減らす、という選挙公約が実現不可能になったことを始めて認めた。市長は公約の実現を「熱望している」としているが、明らかな後退に大ロンドン議会のメンバーは怒っている。
遅れ補償からの逃げ道を探る鉄道路線会社
2000.11.27ファイナンシャル・タイムズ
鉄道路線会社はハットフィ−ルド事故と洪水による列車の遅れと運休を補償対象から外すことを鉄道調整官トム・ウィンザ−氏に求める為の協議に入る。
以下略
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