アメリカ合衆国最大のレインフォレストを育てるという細かな雨の中、僕達はアジアに一番近いアメリカ本土の港、シアトル・タコマ空港に着陸した。「西風のため、定刻より20分程早く到着しましたが、入国検査官が到着するまで機内でお待ちください。」というアナウンスはすぐにアジア系の何ケ国語にも訳されてざわざわと機内を飛び交った。
日本語の解かるアシスタントと違い、入国検査官は「英語くらい喋れないと‥.]とでも言うように英語で審査をする。同じように英語で質問する税関の担当官に
日系ですか?と聞くと、 そうよ。
と歯切れの良い日本語が返ってきて、途端に愛想も良くなった。
混んだ時間になるとずいぶん待たされなくてはならないレンタカーのカウンターも、ガランとしている。時差ボケの頭と身体を休めるため、市内を抜けてマグノリアの住宅街へと車をころがした。
新興住宅地だけに現代風のデザインの建物が多く、隣のクイーンアンとは大分違う。アメリカの住宅地はそこが開発された時代の建築デザインをそのまま継承していることが多いようだ。建て替えるときにも周辺の建物デザインに配慮することが前提であり、クイーンアンのように「良い住宅地]として不動産価値が上がると、デザインに関しても建築協定がしっかりできることが多いのだろうと思う。
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