橋を渡ってワリングフォードの住宅地に行ってみる。ここの方がマグノリアよりも古いようだ。敷地面積はあたらしい住宅地よりも狭いのだが、それに応じて、建物も可愛らしくできている。これもそうした建築協定があるのだと思われる。そして道路が広い。道路から建物までに緑地がきちんと取られている。



少し昔の住宅地。敷地に対して道路、路肩に余裕がある。


ワリングフォードの公民館は、古いパブリックスクールの建物を改造したものである。地上限はレストラン、衣料品、おもちゃなどの店舗を入れて、家賃を取りにくそうな地下室などを集会所、会議室などに当てている。キャフェテリアは昔の教室の雰囲気を模した内装になっており、楽しそうな落書きのある黒板や、多分昔のワリングフォードパブリックスクールの卒業生のものであろう、茶色くなった記念写真などが飾られていた。





住宅ではこうした方法が成功を収めているが、かって幹線沿いで繁栄した商店街は、自動車交通の急速な発達と共に出現した、郊外型のショッピングセンター、地域に参入してくる大型スーパーによって一層の変革を余儀なくされている。

小売業の急激な郊外化による地盤沈下はダウンタウン周辺でも、深刻で、これに対するさまざまな対策が立てられつつある。そして、それ以前に21世紀の都市交通イメージの大前提として、自動車交通の高速化に伴う、果てしない郊外へのスプロールが、都市経済にとっての耐えられない重圧だ、という考え方が、かって自動車王国であった西海岸でも常識となった。高速道路についても二人以上の相乗りに対し、交通局が発行するステッカーを張った通勤車両に、バスと同じ専用レーンの走行を認めることがシアトル、サンフランシスコでは行なわれている。

交通局に申し込むと、近隣住民の中から相乗りの相手を紹介してくれ、8人集まれぱ、相乗り通勤用の8人乗りワゴンも無料で貸してくれる。シアトルではこれと同時に公共交通機関を重視する各種の施策が取られている。ダウンタウン地域でのバスの無料化、バス通勤定期による商店街でのディスカウント等の案内がバス停、商店、など至る所に見られる。