海外産業博物館 NO.9


バーミンガム科学工業博物館  Museum of Science and Industry, Birmingham

スクールズ・リエゾン設置

−学校と緊密な連携を保って−


石田正治  by ISHIDA Shoji


博物館での学習
(バーミンガム科学工業博物館提供)

 バーミンガム科学工業博物館は、 バーミンガム博物館の一部門で、科学・技術・工業とその歴史をテーマとする博物館である。他に、バーミンガム博物館に所属する施設として、美術館、自然センター、一六世紀の木造民家、水車小屋、ウォーリー城などがある。
 これらのバーミンガム博物館は、博物館での教育活動を学校教育と連携するために、スクールズ・リエゾンと呼ばれる独立した部門を設置している。
 スクールズ・リエゾンは、バーミンガム教育委員会に所属する専任教師を抱えている。彼らは博物館を利用するバーミンガム市内の450の学校の教師たちに博物館資料を用いた教育方法や授業計画立案などの指導を行う。また、そのための様々な教材を提供するとともに、博物館においては学校教師と連携して授業を行う。
 バーミンガム科学工業博物館では、博物館を利用する教師のためにに、次のような質問に応えるティーチャーズ・インフォメーションを作っている。
 なぜ博物館に生徒を連れて行くのか、博物館ではどのような学習テーマがあるのか、学習室では何ができるのか、博物館では生徒はどのような活動をするのか、また一日生徒が博物館で過ごすとすればどのような出来事が生じるのだろうか、などである。実に細やかなスクールズ・リエゾンの支援活動である。
 バーミンガム科学工業博物館での学習はナショナル・カリキュラム(文部省の学習指導要領に相当するもの)に位置付けられていて、教師用ガイドにも見られるように大変充実した博物館教育を展開させている。
(中部産業遺産研究会事務局長、豊橋工業高校教諭・石田正治)


※バーミンガム科学工業博物館は、1951年にNewhall 通りのエルキントン銀メッキ工業会社の建物を使用して開館した。博物館は1997年に閉館、そのコレクションの主要なものは、2001年からThinktankのBirmingham’s Science Museumで展示・公開された。その他の博物館資料とアーカイブは、博物館コレクションセンター(MCC)に保存されている。MCCの資料は、研究用に見学・閲覧することは可能とのことである。


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