海外産業博物館 NO.8


バーミンガム科学工業博物館 Museum of Science and Industry, Birmingham

見て・触れて・感じて

模型や実験で体感教育


石田正治  by ISHIDA Shoji


博物館での学習・動力の展示コーナーで
(バーミンガム科学工業博物館提供)

 バーミンガム科学工業博物館には巨大な展示物
が多いが、最大のものはロコモティブ・ホールにある蒸気機関車シティ・オブ・バーミンガム号である。1939年から64年に至るまで、ロンドン−グラスコー間の特急車両を牽引、240万キロメートルを走った最大級の蒸気機関車である。
博物館では、この機関車を毎日、定期的に動かして見せている。館内であるから動くのは数メートル、しかしながらこの巨大な鉄の塊が動くのは迫力満点である。
 この機関車が展示されているロコモティブ・ホールの一角には、昼食休憩コーナーと「ライト・オン・サイエンス」と名付けられた展示室があり、そのホールの二階には学習室が設けられている。いずれも学校の生徒専用の教育施設である。ライト・オン・サイエンス室は、その名の通り、数学と物理の原理を様々な模型を使って、あるいは実験により体感しながら学習する場所となっている。生徒はこの他に「私たちの動力の内に(動力の世界)」と呼ばれる展示室で、力、仕事、エネルギと動力の原理を体験しながら学ぶ。こうした学習がメインの展示資料である蒸気機関の構造と動く仕組み、その歴史的発達過程の理解を助けるのである。
 博物館からの回答によれば、1994年度には、45644人の生徒がこのバーミンガム科学工業博物館を訪れている。
(中部産業遺産研究会事務局長、豊橋工業高校教諭・いしだ しょうじ)


※バーミンガム科学工業博物館は、1951年にNewhall 通りのエルキントン銀メッキ工業会社の建物を使用して開館した。博物館は1997年に閉館、そのコレクションの主要なものは、2001年からThinktankのBirmingham’s Science Museumで展示・公開された。その他の博物館資料とアーカイブは、博物館コレクションセンター(MCC)に保存されている。MCCの資料は、研究用に見学・閲覧することは可能とのことである。


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