■6月14日(月)うすぐもり
■入国2時間で生活モード!
11回目のソウル訪問で、今回は一番大きな荷物を持って入国ゲートを通った。
今日から9月末まで、ここ韓国ソウルで語学留学生として生活することになったのだ。
金浦空港から市内バスに乗って、今回の留学の保証人をしてくれる方の事務所に向かった。

彼の事務所は、空港から市内に向かって、大きな川の「漢江」を渡った所にある「弘大前」と言う駅のそばだ。この「弘大前」とは美術学部が韓国一の名門と言われる弘益(ホンイク)大学(いちお総合大学なのだが)があるところから言われる地名で、彼もまた大学周辺の美大予備校や専門学校を相手に画材の販売をしている。今日のソウルは蒸し暑い。うすぐもりなのに、荷物を引きずって右往左往しているとあせびっしょりだ。

ようやく事務所にたどり着いたが、椅子に座ることもなく次の場所に一緒に向かった。
彼が私がこれから住むことになる部屋をあたっておいてくれたのだ。
韓国では、大学生は普通は学校の側の、いわゆる賄い付きの下宿に住むか、「考試院」と言われる水回り共用の寮のようなところに住んでいる。「考試院」とは、実はもともとは国家試験浪人が、それこそ勉強と寝るだけのために住み着くような施設(それで「考試」という名前が残っている)のだが、今どきは考試院の方が、下宿より安くてプライバシーも守れるし、施設も近代的なので人気があるとのこと。

タクシーに5分ほどのり、私がこれから語学研修に通う西江(ソガン)大学の正門前を少し過ぎたところに止まると「加紐(カニュウ、と読む)考試院」という看板が見える。
社長さんと管理担当の学生くんに案内されて中を見学させてもらったが、全館改装が入ったばかりらしく、施設は全て新品。2階が女性部屋、3.4階が男性部屋で、各階約15室、一部屋大体3畳すこしの広さで、机・椅子・ベッド・ミニ棚・フックつき。

もっとも心配だった冷房も、廊下に大型業務用が1台あって、それでがんがん冷やすので、クーラーに近いほど良く冷える。1階はPCショップだが、地下一階がまた考試院の施設で、自由につかえるキッチンと、シャワー男女各2室ずつ、CATV完備の休憩室(これで「すずらん」も見られる!^^;;)、さらに、簡単な筋トレ機器とゴルフ練習セットが装備されたミニ体育室まである!(爆)。勉強に疲れた試験浪人の巣窟、なんていう先入観は一気に吹き飛ばされた。
場所は西江大学の正門前から歩いて5分。語学堂の校舎までならドアtoドアで10分。
最寄り駅の地下鉄新村(シンチョン)駅にも徒歩10分。
この環境で、家賃は220,000ウォン(約22,000円)。決めた!!

■電気事情は世界共通じゃないのね
というわけで、朝の7時に目黒の家を旅立ったと思ったら、早くも午後4時には、ソウルの住民モード。こちらに来て2〜3日は部屋探しに明け暮れると思ってやって来たのに、いきなり知らない人に囲まれ契約書を書かされたりなど、早く決まって安心というよりは、心の準備が追いつかなくて逆にどぎまぎしてしまう…。

しかし、ともかくも生活に必要なものをそろえなくては。まず最初にやらなければいけないのは電源プラグの確認だ。韓国では、家庭用電気は125Vと220Vが混在しているので、この家の電源がどちらなのか確かめなければいけない。やっぱり。ここも220V、しかも丸穴のコンセントだ。プラグの変換アダプタをつけなければ、PowerBookもつかえない。ゆくゆくは変圧器も買わないといけないだろう。

家電事情といえば、ちょっと前のことだが、もう一つ戸惑ったことがある。旅行中、ウォークマンの単3電池とラジオの単4電池が同時に切れてしまい、そのへんの雑貨屋に駆け込んで「単3電池と単4電池ください」と言ったら、相手が「え?何それ」。「それとそれ…」でその場は何とか買えたものの、単3とか単4とか通じないの?と思って電池をよく見たら、単3は「AA」単4には「AAA」と書いてある、そうか、これがサイズの表し方なんだ。電池の単位なんて、世界共通だと思っていたのだが…、常識の違いって、思わぬところであるものだ、という話。

■遊べるご近所新村&弘大
簡単に荷ほどきをして、ポケラジを片手に、新村駅前のディスカウントストア「グランド百貨店」に向かう。新村は、西江大や弘益大の他にも、名門の延世(ヨンセ)大学、梨花(イファ)女子大など学校が多く、学生が買い物したり遊んだりするのに便利な町だ。ライブハウスも多いし、弘大側に行けばギャラリーやクラブも多いらしい。語学研修の大学に新村の学校を選び、その近所に居を構えたのは、当然最初から計算ずくである(笑)。

アダプタだけ買って帰ろうかと思ったが、つい、本屋に足が向かってしまった。だって、今日から3ヶ月は本屋で時間を気にせず立ち読みが出来る、それだけでも旅行とは違う自由があるなあ、なんて感じる。展覧会やライブの情報も入れておこうと、いつも旅行の時に買う、デザイン業界誌「月刊デザイン」、写真専門誌「写真芸術」、ラジオ情報が詳しい音楽雑誌「SEE」を、とりあえず購入。

ところが、ここで、手持ちの金が5000ウォン(500円)位になっているのに気がついた。考試院の家賃を払ったので、最初に外換したお金を使いきってしまったのだ。明日は朝イチで銀行に行って、両替しなければ…。

帰り道、新村の路地に、フュージョンジャズのライブハウスの公演案内のチラシを見つけた。この近くにある店らしい。今度探検に行ってみようかな。

夜はラジオを聴きながら、ホームページ用の文を書いて過ごす。これまでは韓国のラジオ放送を聴くのにインターネットを使ってきたが、これまた、今日から約110日間は電話代を気にせず聴き放題なんて、こんな嬉しいことはない。
引っ越し先の最初の夜なんて、馴れないで寝つけないものなのだろうが、とにかく昨夜遅くまで準備で起きていたので、横になってみればあっさりと寝こんでしまった。

…こうしてみると、自分で言うのも変だが、留学1日目にしては、淡々と馴じみに入ってるしてるよなあ(苦笑)。

<今日のおすすめ韓国関係Webサイト>
西江大学校
私が語学研修に通うことになった総合大学。カトリックの名門で、学生に勉強させることで有名(だった)らしい。英語ページあり。もちろん韓国語教育研究院の紹介ページもあり。

弘益大学校
西江大学の隣町にある総合大学。美術学部とデザイン学部のレベルは韓国一で、両学部のサイトは学生と教授の総力が結集されたデザイン…。

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